母ちゃんが死んで、いつも飯は親父が作ってた。俺はそれが大嫌いだった。焦げた卵焼きを投げつけたこともあった。_遠足の時、弁当はやっぱり親父の手作りで、中身は捨てて、友達に分けてもらったおかずと持ってきたお菓子だけで、腹を満たした。帰って、空っぽの弁当箱を見た親父は、俺が残さず食べたんだと思って、「食べてくれてありがとな!」と、俺の頭をぐりぐり撫でた。俺はとても本当のことが言えなくなった。_家庭訪問の時、担任の先生が、弁当の中身を捨てたことを喋ってしまった。親父はそれに相当ショックを受けていた。
その夜、俺は親父のことが気掛かりで、中々眠れなかった。やっぱり謝ろうと台所に行くと、
_親父が読みすぎてぐちゃぐちゃになったレシピ本と、弁当箱をテーブルに置いて、その前に座って…
親父が泣いていた。
俺はその光景を見た瞬間、親父への罪悪感と、後悔が込み上げてきた。俺はすぐさま部屋へ戻って布団に潜ると、心の中で「親父、ごめん」と呪文のように唱えて、泣きじゃくった。
さて、そんな親父ももう死んだ。
最後に俺は「飯、ありがとな。ほうれん草のヤツとか、すげぇ美味かった」と言うと、親父は静かに息を引き取った。
っていうお話。
…ってあれ?な、何だろう、この…目から溢れて止まらないしょっぱい水は…?うぇっ…うぇっ…((←大号泣
(´; ω ;`)