かつて匿名板で名を轟かせた宣伝やしこしこあっさん、そして今現在人気急上昇中の人狼スレのみんなを 匿名民のみんなで CPを作っていこう。 なお本人の登場はやめてくださいね!ややこしくなるので
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暇がある方は随時更新お願いします!
ただし更新前は混乱を避けるために一言お願いしますね!
【追記】
以下の行為や言動は固く禁じます
・メンバーへの批判
・名指しでの指摘
・CPや組み合わせへの地雷発言
創造の幅が狭まってしまいますし、何よりメンバーの皆様に失礼です。
荒れる原因にもなりますし、言わずもがなの最低限のマナーではありますがしっかり守ってください。
聖書しゅしゅ
火傷しないよう雑巾越しに蓋を掴んで上げる。湯気をもうもうと上げる土鍋の中に眩しいほど白い粥が出来上がっていた。レンゲで一口分掬って食べてみる。塩っ気のない薄味。だが今はこれでいい。蓋を戻し、土鍋を盆に載せた。小皿にはふた粒の蜂蜜漬けの梅干しと数切れのたくあん。自分が味見に口付けたレンゲをサッと拭いて同じく盆に置き、あとは注意深くそれを持って台所を出た。
「失礼します」
完全には閉まっていない部屋のドアを爪先でそっと押すと建てつけの良いドアは滑らかに無音で開いた。薄暗い部屋の中の唯一の光源はベッド脇のテーブルに置かれたランプである。そこを目指して慎重に歩き、盆をテーブルに安置するまでは決して気を抜かなかった。置く際に盆の縁が軽くランプを押し、炎が揺らめく。
さて、とベッドで深い眠りについている人を見る。
火の柔らかな明かりに照らされた顔はとても安らかだ。夢を見ているのだろうか。胸部が薄く起伏を繰り返していなければ、もう覚めることのない眠りについているようにすら思えてしまう。ベッドに少しだけ腰掛けて身を乗り出し、かの人の瞼に掛かっている乱れた前髪を撫でるように優しく払った。そしてそのまま手を額まで滑らせる。熱くじっとりと汗ばんでいる。起こすのは心苦しいがやはり薬を飲まなければ。今度は手を頬に当ててやりながら、耳元で小さく呼びかけた。
「しゅしゅ殿、お粥を作りましたから、食べたら薬を飲んでください」
「………ん、聖書さん……?」
「起こして申し訳ない」
「あ、いえ……薬ですね」
やや噛み合わない返事をしながら、寝ぼけ目を瞬かせてしゅしゅはベッドから体を起こした。その際布団がズレ落ちたが、聖書は何も言わずサッと布団の端を掴んでしゅしゅの体をなるべく包むよう寄せ上げた。そしてサイドテーブルから盆をまた取ってしゅしゅの太ももに乗せた。しかし手は盆から離さず添えたまま。
「白粥で申し訳ないがどうか我慢してください。病人には味の濃いものはいけないとお聞きしたのです」
「そんな…面倒見てもらってる僕が口出しする立場ではありませんよ。いただきます」
しゅしゅの返事に聖書はまだ何か言いたげにしたが、すでに彼は蓋を開けてレンゲを使って粥をよそいでいた。再び立ち上がった湯気はさっきよりも勢いが弱いようで、冷めてしまっていないだろうかと聖書は少し憂いた。だがむしろ丁度な温度になっていたようで、しゅしゅは無言でパクパクと食を進めている。自分が作った食べ物が愛する人に食べられていく様を見つめながら、心の中が蕩けそうだ、とどうしようもない甘い愛しさを聖書も味わっていた。
空になった土鍋はまた盆とともにサイドテーブルに戻された。
「………ゲホッ」
「噎せてしまいましたか!?」
「違います、粉薬だから喉に残っちゃって…苦いですねこれ」
顔に緊張を浮かべて慌てて問うが、眉を顰めながらもしゅしゅが苦笑いしてそう言うので胸を撫で下ろした。食事もとった。薬も飲んだ。あとはのんびり眠ればきっと良くなるだろう。明日朝はまたお粥では味気ないから、卵蒸しでも作ってみようか。
「星、綺麗ですね」
不意にしゅしゅの声がして聖書は朝の献立からハッとして意識を戻した。そしてしゅしゅの目線の先を追って窓に目をやる。外の闇夜には思わずため息が出そうなほど美しい夜空が広がっていた。無数の大小様々なダイヤを散りばめたような星空だ。時々流れていく小さな光は流星だろう。都会から離れた僻地にあるこの教会だからこそ見られる絶景である。この景色を飽きるほど夜な夜な見てきたが、今こんなにも胸が躍るのはきっとーーーーー
「好きです」
「……えっ」
熱い想いが口を突いてとうとう飛び出した。相手は目を少しだけ見開いてこちらを見ている。しまった、まだ言う予定は無かったのに。しかしなぜこうも清々しい心持ちなのだろう。不本意にせよ、ずっと言いたかったことを言えたのは本当によかった。こうなれば最後まで言えばいいと、聖書は星空から目を離してもう一度しゅしゅに向き直った。
「貴方が好きだ」
「……せ、いしょさんも熱があるのですか?」
「いいや、至って健康体です」
「え、ええと……」
困ったように彼は口をつむいでは開き、しかし結局何も言わなかった。でも頬が赤い。それは熱のせいだろうか、それとも羞恥しているのだろうか。どちらでもいい。素直じゃない彼も愛しいのだから。
返事が無いまま思案に耽るしゅしゅから目を離してもう一度見慣れた空に目を向けた。
流星は見えないが、叶えて欲しい願いも無い。
「……本当、罪な人ですね」
小さな声が耳に届く。
続いて布団に置いていた右手が自分のもので無い両手に包まれた。温かく湿った手。熱はまだ下がっていないのだろう。
口端を緩やかに引き上げた。
そら見たことか。
願いはやはり、もう叶っていた。