Episode 1
人は誰でも幸せになりたがっている。
人が幸せになりたい思うのはごく自然なこと、幸せは人それぞれ違うものだが自分の人生をより良くしたいと言う点は共通するだろう。
そして俺は特にその思いが強いと自覚している。俺だけは幸せに生きて幸せに死んでやる。
人生は一度だけ、二度目はない。だからハッピーエンドで終わりたい、後悔とかしたくない、バッドエンドは見たくない。
最後の瞬間に『ああ、よかったな』と、そう思える終わりかた、それが俺の考える最高の人生ってヤツ。
俺がそう思うようになったのは俺の親族や近所の人に幸せなヤツがいないから、例を挙げると過労死、自己破産、離婚、詐欺、それに一家心中ととにかく幸せなヤツがいない。かくいう俺も2週間前に自宅が全焼してるし。
「やっぱ呪われてるんだな」
自嘲気味に呟き、目の前の空き地へと視線を向ける。
ここに2週間前までは家があったとは思えないほどきれいな空き地。季節が冬と言うこともあって雑草の類いはそれほど生えていない、そのせいで捨てられたゴミがよく目立つ。
なんか腹が立ってきた、今は空き地とは言え元は俺の家、勝手にゴミを捨てるな。
俺としては今すぐ拾って綺麗にしたいのだがゴミ袋は無いし、近くにゴミ箱も無い。それにそろそろ呼び出しがある頃合いだ。
「正午か……そろそろだな」
スマホの地図でここからあいつの学校までの最短ルートを確認する。あいつの学校は女子校だ。男の俺には無縁な場所、普段女子校なんて行かないから道はちゃんと調べておく、道に迷って無駄に体力を消耗する事だけは避けたいし。
見たところ最短のルートはアップダウンも少なそうで走りやすそうじゃないか。
とそんな事を思っていたらメールの着信音が鳴った、時刻は12時3分、予想通りだ。
メールの内容は『星学の校門前に今すぐ来い』
「了解っ」
俺はすぐスマホの電源を切ってジャージのポケットに突っ込む、靴紐をチェックし軽くストレッチ、どこかで鳴ったクラクションを合図に走り出した。別に走るのが得意とか好きと言うわけではない、なんとなく走りたいから走っているのだ。
————そして何事も無く目的地に到着した。
市立星見ノ丘学園、通称『星学』中高一貫の女子校である。
「七海は、まだ来てない……、よしそこで休むか」
俺は校門前に腰を下ろし、弾んだ息を必死に整えようと右手で心臓の辺りを押さえる。鼓動がいつもの倍くらいの早さになったように感じた、こういうのを早鐘を打つって言うんだっけ。
俺の心臓が落ち着きを取り戻すには1・2分の時間を要した、学校前の坂道を駆け上がったのは失敗だったなとちょっとだけ反省する。この学校は高台に建てられているためどうしても坂道を登らなくてはならない。
それにしても坂道ダッシュと言うのはなかなかに体力を消費する運動だ、この坂道の前までは平気だったのにここで一気に体力を持っていかれた。
なんとなく校舎の方を振り向くと、数人の女子を引き連れて校舎から出てくる七海——俺の幼馴染み——の姿が目に留まった、声をかけようかと思ったがやめておく、あちらが俺に気付くまで黙っていよう。下手に声をかけて他の女子生徒が集まってきたら厄介だし、と思っていたら。
「あ、颯だ、はーやーてー」
あろうことか俺を見つけた七海は大声で俺の名を呼びやがった、その後は男に飢えた女子達に囲まれてちょっとしたハーレム状態、いろいろと質問されたりした、そしてほぼ全員俺を七海の彼氏と勘違いしている。
「だから俺は七海の彼氏なんかじゃないって」
「え〜嘘でしょ?」「本当に彼氏じゃないの?」
説明してもこんな風になかなか理解してくれない、困ったな。
「つかれた、七海、帰るぞ」
「え、あ、ちょっと引っ張らないでぇ〜」
このハーレムに飽きた俺は七海の腕を引っ張って無理矢理連れて帰る事にした。
それから俺と七海はいつものように他愛のない話をしながら家路についた。
「おまえも大変だよな、土曜日に学校があってさ」
「そうでもないよ、半日だし、わたし学校好きだから」
「そういや、颯モテモテだったねぇ」
わざとらしい笑みを浮かべ、もしかしてモテ期到来? とかほざく七海、俺はこいつにどう返すか思案する。ボケるべきか真面目にいくべきか、一秒にも満たない刹那の思案の結果、ここは現実的にいくべきという結論に至る。
「……男子校に入ると女の子なら誰でもかわいく見えるあれだろ、男なら誰でもイケメンに見えるんだよ」
「それはあるかもね、先輩も最近街にイケメンが増えた気がするって言ってたし、やっぱり男だけ、女の子だけの生活をしているとそー言う現象が起きちゃうのかな」
面白い事を言うわけでもなく、盛り上がるわけでもない、ウユニ塩湖のようにどこまでも平坦な会話。お互いある一定のテンションを保ちつつ話す、七海との会話はいつもこんな感じだ。
付き合いが長いと相手が次何を話すかなんとなく予想出来てしまうというのも俺達の会話を平坦にする一因だろう、しかし次の話は予想できなかった。
「それで話は変わるけどさ、不可思議昏睡事件って知ってる?」
「知らん」
「じゃあこれ見てよ」
言って七海は自分のスマホを俺の手に握らせた、スマホには怪しげなサイトが表示されていた。
そのサイトによると不可思議昏睡事件とは。
5年ほど前から世界各地で発生している人間が突然昏睡状態に陥る現象。
海外では20人以上の人が同時に昏睡状態となったケースもあるという、被害者は年齢も性別もバラバラで病気とは考えづらい、一度昏睡状態に陥ると3日から1週間は目を覚まさない。
またどの事件現場も事件前後に不審な人物は目撃されておらず、被害者や事件現場から原因になりそうな物質は見つかっていない。事件の概要をまとめるとこんな感じだ。
「なるほど、怪奇現象ってやつか」
「……ねぇ、もしわたしが昏睡事件の被害者になったら、颯は心配してくれる?」
俺は隣を歩く女の微妙な声色の変化を聞き逃さなかった、ほんの少し語気を強め問い詰める。
付き合いが長いと、お互い隠し事なんて出来ない。何かあればすぐ分かる。
「そりゃ、まぁ心配するさ、一応幼馴染みだし……なぁ七海、なんでそんな事聞いたんだ、何かあるなら言えよ」
「……実はこれと同じような事件に巻き込まれたの、わたしのクラスメートがね」
「——!?」
なに、それは本当か、この街で怪奇現象?
面白いじゃないか、心が躍る。こんなにワクワクすることがこの街であるとはな、調べずにはいられないじゃないか!
「七海、悪いが昼飯は要らねぇ、ちょっとこの事件を調べてくる」
「調べるってどこで」
「第三拠点、五条のとこだ」
言って俺は新しい玩具を貰ってはしゃぐ子供のように駆け出した、するとまるで母親みたいな七海の声が背中を押す。
「どこにいくのも颯の自由だけど、夕飯までには帰って来なさいよ!」
七海と別れてだいたい5分ほど住宅街を歩くと目的地の第三拠点に到着した。火事で家を失った俺は幼馴染みの七海や友人宅で寝泊まりしている。
俺はよく訪れる友人の家を拠点と呼んでいる。
『五条』とだけ書かれたシンプルな金属の表札が日の光を浴びてキラキラ光る、特色なんて何一つないありふれた一軒家、第三拠点の五条家。
「カメラ付き……新しくしたのか」
新品と思われるインターホンを鳴らす、聞こえてきたのは陽気な声。
「なんだ颯くんか〜、一緒にエロサイト巡りでもする?」
「しねぇーよ、バカ」
「あはは、冗談だよ、じょーだん」
そんなやり取りをしているとドアが開いて、黒髪ポニテの少女が顔を覗かせる。
「まぁ、入って入って」
この家の住民が入ってと言ったのだから遠慮なく上がり込む、数少ない友人の少女——五条 栞(ごじょう しおり)——は無邪気な笑みを浮かべた、よっぽど暇だったのだろう、俺が来て嬉しいのだ。
「お邪魔します」
こうして俺はいつものように五条の部屋に向かった、部屋に入ってまず目に飛び込んでくるのは季節外れの蚊帳のついたベッド。
何故冬に蚊帳? と疑問に思っていた俺に五条は羨ましいだろうと言わんばかりの顔で蚊帳を自慢してきた、五条曰くあれは天蓋らしい。言われてみれば確かにそれっぽく蚊帳が切り裂かれている。
何やってるんだよとお前は、と半ば呆れつつ手作り感満載な天蓋——とゆーかほぼ蚊帳——のついたベッドに腰かけた、天蓋と言うには貧相だし切り裂かれているから蚊帳としても機能しないだろう。
ふと五条を見た俺はあることに気づいた、気づいてしまった。ズボンが前後逆と言うことに、ただそのことを指摘するとこの場で脱ぎだすなんてことも考えられる、冗談抜きでやりかねない。
『林檎』という漢字の読みを答えろという問題があったとする、答えは当然『りんご』なのだが、こいつの場合は十中八九『アップル』と答えるだろう、五条 栞はそういう人間。要するにバカなのだ。
そして何事もなかったかのように昨日の晩は何食べたと訊ねるような口調であの事件のことを口にする。
「なぁ五条、不可思議昏睡事件って知ってるか」
「このわたしが知らないわけないじゃないか」
そう言いつつ五条はノートPCの電源を入れる、
「その昏睡事件がこの街で発生したらしい」
「へぇ〜、それで場所は?」
「場所は……わからないが被害者は七海のクラスメートが一人だ」
「と言うことはこの情報はナナミンから?」
「ああ」
驚いた様子を微塵も感じさせず淡々と受け答えする五条の姿に俺は少々拍子抜けした、五条はノートPCで七海が見せたのとは別の怪しいサイトを閲覧していた、そのサイトは全て英語で書かれているようで英語の成績が壊滅的な俺には一行たりとも内容を理解することができなかった。
こいつはバカのくせに英語の成績は優秀なのだ。
「なるほど、これは——」
五条は記事を読み進めていく。
「ふふふ、テンション上がってきたー!!!!」
「うぉ、いきなりでかい声出すなよ」
「ああ、すまにゃい、この記事によると一連の事件は全てパワースポットの近辺で起こっているのだよ」
「この街でパワースポットって言ったら、龍宮(たつのみや)神社か」
龍宮神社は地名の由来にもなっている大きな神社で、その名の通り龍神様を祀っている、全国的にみても有名な部類に入るらしく参拝客も多い。
「とゆーかほかにソレっぽいとこ、この街にあるぅ?」
「ないな、俺の知る限りは」
「このサイトにはパワースポットのエネルギーを体内に取り込み過ぎて倒れたんじゃないかって書かれてるね」
「そんなことあるのか?」
「さぁね、わたしにはわかんにゃい」
そういう体質か、などと考えを巡らすが限りなく怪しいサイトに書かれていることを信じるのも馬鹿らしくなった、これらの考察も妄想の域を出ないものばかりだ。やはり自分達でこの事件を調べないと納得のいく答えは出ないだろう、とりあえず七海にクラスメートの事を聞かないと。
「よし、メールでも送るか」
昏睡状態のクラスメートについて教えてくれないかと言う内容のメールを送って一時間くらい後、七海からメールがきた、要約すると。
・事件が発生したのは昨日の夜8時以前。
・場所は公園。
・第一発見者はA子——名前が伏せてあったので仮にA子とする——と同じ星学の女子生徒。
・A子は原因不明の昏睡状態で今も眠っている。
なお事件当日A子は友達と遊んでいて龍宮神社には行っていないらしい。
「なるほど事件現場は公園……行ってみるか」
行けば何かが分かる、行かなければならない、そんな気がした。
多くの人にとってはたったそれだけのことかも知れない、だが俺を動かすにはそれで充分、迷うことなんか何もない。
「五条、情報収集は任せた!」
言って俺は五条の家を後にし公園へと向かった。
Episode 1 end
Episode 2
凛然とした夜風が寒月の光に照らされたブロンドの短髪を揺らす。
ブロンドの髪の少女————ローラ・ルミエールは眼下の街明かりを眺めていた。
龍宮市で一番高い建物、龍宮グランドホテルの屋上にあるヘリポートから見る夜景は、あぁ確かに美しい。一万ドルの夜景と言ったところか、夜景というものは電球の数とかそんなものに関係なく美しいのではないかと思えてくる。
しばらく夜景を堪能していたが、ここにきた目的を思いだしローラの方に向き直るとゆっくり歩み寄る、ローラは私に気付き、震えた声で呟く。
「カミラ……来ちゃったね、ノスフェラトゥもこの街に……」
こちらを振り向いた少女の顔は青ざめていた、ローラは考えていることが顔に出るタイプの人間だ、それが寒さではなく恐怖によるものであるとすぐに分かった。
無理もない、この街明かりの何処かに自分達を殺そうとする怪物が潜んでいるのだ、怖くて当然だろう。
「ええ、これで私を入れて5人」
すでに奴等の半数はこの街にいる、予想ではクリスマス前にまでに九頭龍の全ての頭が揃うだろう、そうなれば私達二人に勝ち目はない、即ち死ぬ、残酷だがそれは不変の事実。
私達に残された時間は多く見積もってあと10日、故に一刻も早く龍の頭を潰さなければならない。
私は傍らの少女に問い掛けた。
「ねぇローラ、戦うのは怖い?」
「………」
ローラは無言のまま首を縦に振る、その姿にいつもの明るさはない、だから私はローラの恐怖に震える体を抱き締めた、優しく、優しく。
ローラそんな顔しないでよ、あなたは私にとっての太陽(ヒカリ)なんだから。
「——ぁ、カミラ……」
「大丈夫、私がいるから、あなただけに辛い思いはさせない……」
耳許で囁く、するとローラも私を強く抱き締めた、ローラの温もりが伝わってくる。
何があってもこの少女を守り抜く、それが私にとっての贖罪であり使命。
明日から戦いは激しさを増すだろう、戦って勝つために、ローラを守るために。
今、私達がやるべきことは——
「さぁ、今日はもう寝ましょう、傷もまだ癒えてないでしょ?」
そう、まだ傷は癒えていない、だから今私達がすべきことはぐっすり寝ること、万全の状態で挑まなければ勝ち目はない。
「うん、そうだね、でももうちょっとだけこのままでいたい」
ヘリポートを後にした私達は自室に戻り、シャワーを浴びてパジャマに着替え、ベッドに潜り込んだ。
潜り込んだのだが、なかなか寝付けない、いつもと違う寝具の臭い、肌触りが私の眠りを阻害している、2〜3日もすれば自然と慣れるのだろうが。
頭の中では出来ると思っていることが実際やってみると意外と出来ないという事が多々ある、そしてこれは逆もまた然りで、隣のベッドではローラが、つい30分前まで初めてのベッドは落ち着かないとか言っていたのが嘘のようにすやすやと眠っている。
このままではいつまでも寝付けそうにないので私は今日の出来事を思い返すことにした。
それは今日の午後1時過ぎの事だ、早めの昼食を摂ってあてもなく河川敷を彷徨いていた私とローラはツイているのかいないのか、あの男に出会った、出会ってしまった。
真冬だというのに素肌にダウンジャケットを纏っただけの姿で現れた褐色肌の男、名をノスフェラトゥ。九頭龍の頭の一つである。
「よぉ、久しぶりだなぁ、カミラ・リーゼロッテ・フォン・ブルートヴァルト、今日は楽しもうぜ」
「……私も有名になったものね」
「カミラ、いくよ!」
ナックルダスターを握り締めて放ったローラの一声が開戦の号砲となった、幸いにも周りに私達以外の人はいない、そして——
「——zweit 【鏖殺鉄火】(ジェノサイド・ファイヤー)」
「——zweit 【センター・オブ・ジ・アース】」
「——zweit 【逢魔時、黄昏の英雄譚】(トワイライト・サーガ)」
三者三様、奇跡(ワンダー)の名が紡がれた、今ここに超常の戦場が具現する。
先に行動を起こしたのはノスフェラトゥ、ダウンジャケットを脱ぎ捨て構えをとる、褐色の皮膚を突き破り無数の銀色が顔を覗かせる。その姿はまるで古代の恐竜のようにも見えた。
「させないっ!」
飛び出したローラめがけ、ノスフェラトゥはナイフを一斉に射出、しかしその攻撃がローラに届くことはなかった。
見えない壁にでも当たったかのようにナイフが弾き返される。ノスフェラトゥは再度ナイフを射出するが結果は同じ、弾かれる。
仮に攻撃が命中したとして、私とローラはすでにzweitに到達した能力者(ヴァンパイア)、その程度の攻撃掠り傷にもならない。
もっとも、相手がただの人間ならば充分に致命傷を負わせることの出来る能力なのだが。
あいつは私達にその攻撃は効かないと分かっているはず、なのになおもナイフを飛ばしている、その顔に笑みさえ浮かべて……。
「まさか、あいつは——」
そうあいつは遊んでいる。本来、あいつの得物は銃火器なのだ。
だったら私が今やるべき事はたった1つ、あいつが遊んでいる内に、全力を出す前に勝負を決める。
「はぁぁぁッ!」
私は拳をきつく握り締め飛びかかった、腕にナイフが数本突き刺さるが今の私にとっては些細な事だ、ノスフェラトゥの脳天めがけ渾身の力を込めた拳を叩き込む。
まともに食らえばアフリカ象でさえも昏倒させるであろう一撃を、しかしノスフェラトゥは頭部を鋼鉄化させ防いでいた。
「はッ、効かねぇな、今のがお前の全力か? 」
「これならどうだぁ!」
そこに間髪入れずローラがラッシュを打ち込む、ノスフェラトゥの鋼鉄化した身体をナックルダスターが凹ませる。
「グオッ、……お前やるな」
攻撃を受け、身体が大きくのけぞるがノスフェラトゥの両足が地面から離れない、いや、離すことが出来ない。
最初の一撃が命中した時点でローラの能力はノスフェラトゥを拘束していた。
ローラの能力とは磁力操作、鉄製の武器を使う相手との相性は抜群だ、それが鋼鉄化した相手ならなおさらに。
「これで……終わらせる」
言い終わると同時、ローラは疾風となって突撃した。
このチャンス、無駄にはしない、ひたすらに拳を叩き込む、何度も何度も何度でも。
相変わらずノスフェラトゥは身体を鋼鉄化して防御しているが、それでいい、鋼鉄化した箇所からはナイフを射出できないのだから。
「まだだ、俺がしたいのは本気の戦いだ、まだお互い本気を見せてないだろうが!
見せろよお前の本気(dritt)、俺を熱くさせてくれぇ!」
「——私のdrittはこんな所で使うようなものじゃない」
声を張り上げるノスフェラトゥとは対照的に声のトーンを落として告げた。
「くく、くははははははははは」
河川敷にノスフェラトゥの哄笑が木霊する、それに呼応するかのように大気が震えた。
「何がおかしい」
「こんな所で使うようなものじゃない、ね。
くくく、そうか、そうか。だったらこれならどうだ」
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