魅魔征討教団ホフヌング

ここには邪悪な悪魔や危険な魔物、神に反逆せし堕天使が停滞する魔窟のようだ。
我々は害を成す魅魔を屠るために、冥府から派遣された祓魔教団である。

どうもどうも、
冥府からわざわざご苦労様です。

いえ、冥府血盟騎士団及び、綜合理事会より、この魔窟へと災いを誘う者を処すように勅令されただけです。
諸注意ですが、我々は善悪を見極めることができます。ゆえに、悪魔においてもその見切りは適応することができるので御安堵を。

ようは、いい悪魔はここにいてもいいよってこと？
逆に天使でも悪い人はダメ的な…？

僕はどっちだろう…

輓近の出来事は確認した。
これは、俺が弾劾させなければならない悪が潜んでいるな。
まずは、暴食の悪魔ベルゼブブ…冥界や人間界にて、夥多の悪霊率いて幾億の魂を食い散らかした罪、行使が禁じられた饕餮ノ大剣を殺傷目的で行使した殺生未遂罪で冥府裁判所まで連行する。

そして、悪霊ネロ、推測だと、ベルゼブブの眷属であると。精霊が天への陰謀を邁進させる目的で禁忌たるサタンとの契りを交わした罪、人間を嬲り殺し、その身体に憑依した罪で、冥府裁判所まで連行。

深淵の魔物アビス、過去にも幾度かのすさまじい暴虐を行った罪、その能力の使い方は明らかに殺生目的。また、本人の狂気じみた裏面を考えると、やはり隔絶施設での生活を推進させたほうがいいかと。
その真相はいまだ、未知数であるのは確かなのだが、やはり素性を明白にしなければならないため、第一に詮議所まで連行する。

闇黒魔法少女さん。そういうことです。
我々の基づきとしては、冥府と天で法定された罪過を行った際に、啓示される悪行を成したものこそが咎められるべきといった思想です。

緋月さん、決定的な罪過を犯した証拠や経緯がなければ我々も動くことができません。

そろそろ、冥府へと帰還し、すみやかに綜合理事会へと状況通牒しなくてはいけないな。
それでは、幸運を祈って。

シュラハトさん、ここにいらしたのかしら

あなたは天使のようですね
ここにいらした、というのは私を探していたのでしょうか？

昨晩、悪徳たるデザストル党においての統括者、ベルゼブブ惣領が冥界にて、祓魔術師を中枢に、多くの民の命を奪ったとして、冥府法定に基づく天首脳協商談の末に、傷害致死罪と該当されたため我々は、一刻も早くベルゼブブ拘束を目的にその悪徳さを、聖なる光にて裁かなくてはなりません。

また、彼は故意での殺戮かつ、今も遁走を続けるとして被告者ベルゼブブには、天界へと連行された際に、即、十字架を前に断首台での正当な処刑を受けるとして内定されました。
なお、これに関する処刑はこれまでの罪過、
「権利蹂躙罪、強姦致死傷罪、
死体毀損罪、傷害致死罪、
誘致惨禍罪、被造物破壊罪、天法罪、
天弑逆幇助罪、罪過掩蔽罪、
兇器馳駆罪、神聖冒涜罪、」
に該当する経緯から、彼には明白な処刑を設けることが可能であります。
…少し忙しくなりますかな。

さて、手始めにおにごっこから始めるか、
再び、惨禍が停滞している冥界へと帰還しなければならないとは。
俺は必ず、悪を裁いてみせる。

ハッ、悪魔を裁くなぁ…。
なら、この俺を裁いてみせろよ。

間違った。
お前が裁くのはあくまで「悪」だったなぁ…。

…アビスお姉ちゃんは…いい人です…
もし、誤解してるのなら…今すぐ、撤回して下さい…

初めまして、アルムマヘルくん。
私は魅魔征討教団大尉シュラハトと申します。
君のアビスくんへの心配も分かりますが、どんなに過失であろうと罪は罪です。
短絡に言わせてもらいますと、今日の正午、冥界にて行われた司法会談の末、深淵の魔物アビスくんには、これまで行ってきた罪の等価となる贖罪をしてもらいます。
つまりは善行、暴虐の抑制、ということです。
したがって、冥界までの連行は頓挫となりました。