まぁ何かの縁だ。一応は二人で話すということで建てたが、まぁ何らかの用がある人の訪問は構わんよ。気にする程人もいないようだがね。
18:ニャルちゃん◆.s:2019/11/10(日) 22:56 「ーっ く」
(凄まじい膂力に悲鳴をあげる脚、それを白黒は後ろへ引いて
少女の肩を左手で掴む)
「どういう仕組みかは測りませんが…っ 此処は私の距離です」
( 右脚、左手を用いて拘束を解きに掛かり、握られる脚は引き…
どれほど力を込めようとも、それは防戦だった)
仕組み?仕組みかぁ…油断?目を離した事?まぁ知らねーが其処ら気をつけなっと!
(ニィっと口角を上げ、鋭く尖った歯を覗かせながら離さぬ様にと足を持つ手の力を更に込める。空いた片手も竜の拳へ変形させては、己の頭部より更に大きく育った異形の拳を相手の胴体めがけて振り下ろす。
「………油断大敵」
( 迫る拳、解かれぬ拘束 … その敗北を一々悟らせる様な
巨大な要素を前にして、白黒は 変わらず… どころか、先程前よりも動じずに )
「そっくりそのまま言葉をお返し致しましょう」
(左手、明らかな無茶のある体勢から 拳の迎撃へ振るわれたそれは、
打ち砕かれる事も無く、巨大な拳を止めていた…)
[ググっ]
「…」
( 体を捩り、右手を後ろへ引いたまま少女の顔を見据えて止まる)
はは、こんな見た目でも十分なドラゴン様なんでなぁ?力比べは得意なんだよ…ッ!
(相手への手とぶつかった拳が腕も巻き込み、どんどんと本来の大きさへ変わり、威力を増していく。また、脚を此方へ強く引っ張り、引き千切ろうとして。
( ギギギ )
「 … 流石の力ですね、加えて硬いフィジカルは生半可を寄せ付けずに」
(脚だけでは無く、腕すらも悲鳴を上げ始めるのを確認すると、
今まで全く使わなかった右腕の鉄鋼鍵を振り上げ、それを振り下ろす)
[ ザ ッ ]
「 ですが、見た目のあれこれを気にするべきは戦闘以外の話ですよ、
私としても… 」
( 切断された、脚…鉄鋼鍵が叩き付けられたのは拘束された脚であり、
引く勢いをそのまま回避へ利用して拳から距離を取り… )
はは、そうだな。与太話とかばっかじゃあつまんねーよな。
(少し離れた相手を鋭い眼光で捉えながら、己はその場から一歩も動かずに足を大きな竜のものへと変形させ行く。徐々に白い翼、大きな鱗のついた尾、デコから鋭く尖ったツノを生やしてはグッと地面が凹むほどに踏みしめ、強く床を蹴り飛ばして素早く相手の眼前へ近付き
「…見くびる事はもはや出来そうにありません … ねっ」
( 此方も勢い良く相手へ突進し、組み付くと思いきや前転して
下を通り抜け、そのまま切り落とした脚を掴んで体勢を立て直し )
( 切断面を取り出した裁縫セットで縫い直し、応急の処置を数秒で終え…)
…手加減では勝てませんね
「【 祁山瘴虎陣 】」
[ 覇道十戒国無双 ]の文字が宙へ浮かび上がり
それぞれが瘴気と闘気を伴った衝撃波として次々と相手へ襲い掛かった
…ッ!この…ッ。
(此方へ放たれた攻撃を前に腕を突き出し、大きな尾で地を抉っては辺りに煙を上げる。白煙は少女の姿を覆い隠し、数秒で薄れ行く。次に其処に佇むのは、血に染まった腕で、両手に握った生徒名簿を見せつける様に掲げる制服姿の女学生。生徒名簿を中心に、大きなシールドを張っていた少女はシールドを中心に、更に魔法陣を周りに創り上げていく。
ルールは絶対、規則は正しく、制服の着崩しなんて以ての外!戦闘闘戦大いに賛成、但し致命の危機は撤退すべし!それでも退かぬと言うなら護ってやるのが私のなり手!護守眈々!
(唱えると同時に、五つの魔法陣から作られた小さなナイフが次々に相手へ目掛けて放たれる。
「 …そういう訳ですか、成る者…さて」
[力・均衡・圧力]
【 ファス-ロ-ダ!!!】(揺るぎなき力)
( 謎の言語?を叫ぶ白黒、すると叫び終わりに凄まじいまでの
半透明な吹き飛ばす力が前方へ広範囲に発射され、ナイフを四方へ散らす )
「...''常闇へ滑り落ちる残痕 常世への渇望を永遠に抱く執魂''
( 左手を掲げ 自身の周囲が黒く染まる中で )
''災禍遍く世の中へ 災禍遍く世へ叫べ''』
…!?…旧来再興、守護せよ幼子、母猿断腸、想起回想、夢夢追憶、飲泣呑声、追想幕切!
(雰囲気が変化した相手に一度目を丸くては痛む腕も無視し、慌てた様子で名簿を開く。沢山続く文字の中に残る己の名を見つけては指で文字を掬い、瞼を下ろした状態で詠唱を続ける。が、見てくれに変化は見られない。
「 わぁ、綺麗だね 」
( 『朝靄の差す真夏日』、不自然なまでに平和な空気感に包まれた彼女はその優美では有るが冷え切る程のな恐怖心をも植え付ける様な闘いを眺めていた。姿勢は崩さず、視線は固定して。まるでスポーツの観戦でもしているかの様に心を高ぶらせながら、二人を見詰めている。 )
( 戦闘中に入ってしまい、申し訳ないッス )
30:ニャルちゃん◆.s:2019/11/11(月) 20:11 「''今ぞ井出よ 相見える陽 戦禍は続く''」
【 覇王戴冠 】
( 深く 深い暗闇に染まる周囲を、左手に象るものの光が切り裂く )
「…刮目の時…」
( 一筋の、光_ それを覆う木の蔓は 剣の形を見事に象っていた )
「……相変わらずですね、貴女は」
(蔓の剣を振るわんと、左手を後ろに引いたその時、
不意に何か納得してしまう響きを持った声が聞こえて…溜息を吐く)
「闘いは愉しんで見るモノだと教わって育ったからね」
(実に不思議げに首を傾げたまま、手には金の杯を引っ提げて、
独特の感性を隠そうともせずに彼女が溜息を吐いたのを一目すると苦笑を浮かべ)
… 追想にて追憶をしたもう。維持守護展開。
(相手の詠唱が攻撃でない事に一度溜息を吐き、耳に届いた声に其方を一瞥した後に短く唱えると文字が胴体程の海色をしたシールドを作り出す。それと同時に大きな水を身に纏うと、今度は銀色の髪をハーフアップに結った女性が姿を現す。
「…へぇ、召喚か具現化なのかな?勝手な予想だけれど…」
(外れていても構わないからと当てずっぽうな予想をして、その荒唐無稽さに一人で嗤いながら。彫刻の様に人工的な美しさを感じさせる女性が姿を現すと、それに感銘しながら)
「………【 浄化魔法 Lv5 】」
(剣を両手で持ち、地面を見据えて 天へと向かい振りかざす )
その行為…まるで破壊力を持たない筈の格好
[それだけで剣の周囲は陽炎の様に揺らいでいた]
「……カレン、ちょっと借りますね?」
「…取扱いには気を付けてよ?」
(聖者でも制御し難い魔法を見事に使いこなせていることを讃え、拍手を贈り。)
(今にも飛び出そうな自分の欲望を抑え燻らせながら、情欲に染められた瞳が瞬きを繰り返した。)
「……その調子、その調子」
「無論…」
(揺らぐ力の出所、蔓の剣が輝きと… 恐怖を増す)
「【グローリー】」
高まる力 抑えど溢れんばかりの浄化魔力
それらの全てを、完璧に活かし切る術を私は知っている
【ネメシス】
[ カァッ ーーーーーーーーーァァンッ! ]
( 金の鳴り響く音共に__ 解放された光の濁流が扇状に広がっていく )
…息ぴったりな様子。凄いすごーい。
(二人の動きを瞳に映し、無気力な表情と声色で上記を呟きながら地面を軽く蹴ってハイヒールを鳴らす。鳴らしながら、背後に回した手で何かを千切り捨て、空中で目に映らぬ其奴を手に取って口に運ぶ。咀嚼して、続けて嚥下。
「そんな誉め言葉なくても十分だってば、△▼↑↓くん?」
(片手で溢れ出る浄化の魔力を「暑い、暑い」と扇を仰ぎ流しながら
適当に聖者にしか発音の出来ない、『ウィンディ語』で呼んでみて。当たってたら面白いなと見守り)
光とか浄化とか、騒がしい友達がいるもので慣れてるからさ。眩くもない。
(何を思うかぼーっとしたまま、指に残った其奴を舌で掬いながら平然と相手の行動を眺めていて。同じく平然とした態度をした人物を一瞥した後、ずっと腕に抱えていたローブを被り、ふわりと宙に浮く。
「…密かに練磨し続けていた大天使の妙技…
(避けようと思って避けられるものではないというのに…)」
「……流石は、古代」
( 右手に持つ武器が杖へと変貌する、その形はかつてカレンが持っていた、
自らを圧倒していた時の武器そのもの )
「……続けましょうか」
「…わぁ、ツリーオブライフだ。懐かしいね。」
( 生命を象徴する、林檎を象った太陽の様に煌めいている杖を見て 『これでニャルちゃんは、焔や光に関しては後れ取らなくなった』と察して )
「…私が死ぬまでに、死んじゃやだからね?」
( ごめ、明日学校だから落ち )
44:?_synkh;6^0-8'8-kk:fh◆Zc:2019/11/11(月) 21:17 大天使の技…?…ああ、そういう…少し懐かしいね。
(深く被ったローブの下、口角を微かに上げた後、脚をも覆い隠した引きずるほど大きなローブの下からゆうに背を超えるほどの大鎌を取り出しては軽く一振りして持ち直し、己の周りに、先程まで居なかった半透明の人影を浮かび上がらせて。
「…縁起でもないこと言わないで貰えませんか?」
(…けれど、内心ではカレンと大差は無いだろう…
妙にその言葉が嬉しく感じて…)
「 あぁ…どこかで見た気がしますけれど」
私をご存知?だとしたら凄く腕の良い其方の世界の住人って事になるけど。
(鎌の柄を両手で持ち、相手の出方を伺う様にローブの下に輝く黄緑の瞳を覗かせる。
「訂正致します、見覚えはありませんでした」
【 デッドリィ=シャイン 】
(凄まじい大火球を杖より発現させ、回転させながら真っ直ぐに飛ばす)
「……すぅぅっ」
【 リペインター[アグニチャージ] 】
(その背後で、体を捻り、杖を大きく後ろへ引くと
何処からともなく粒子エネルギーが杖の先端へと集中してゆく)
すぐ前言撤回するところ、きらいではない。
(霊体を操り自身の身代わりにしては、焦げた魂を鎌で切り裂く。
…彼方へおかえり。
(融けるように姿を消した其奴らを見送り、先程から傍を浮遊するシールドを己の前に固定し、大鎌を構える。
「実体のある霊式を用いた防御能力、その他にも…
現段階の見解では、その姿はガードが固いと見えます」
【 ディスティニー:インフェルノII 】
( 苛烈な8本の火柱が杖より迸り、螺旋を描いて死神へなだれ込む )
「…だとしても…私とカレンには勝てませんよ…!」
【 ルナティブ波動:クレイジーネイティブス 】
月の幻影、火柱により周囲に塗られた深い影より
淡い月の光が漏れ そのうちの多くが衝撃波と化して
広く破壊を押し広げて行く
…二対一…ね、霊魂混淆!…ッ、かは…っ、
(シールドを固める為、既に力の抜けた魂を積み重ねた塊を召喚する。が、元のシールド合わせ双方を破壊した火柱は少し威力を食われた状態で胴体に直撃し、軽々と死神の身体を弾き飛ばす。凄まじい威力で背後の壁に衝突しては力無く床に膝をつき、先ほど食していた透明な何かを吐き出す。瞬時、ローブは其の儘に少し体が縮み、一人の青年が姿を現す。
…はァ、しぶとさは一丁前なもんで死の心配はしてなかったがな。流石に痛えわ。
(失笑を洩らしながら力無く立ち上がった青年は、頭部に二つの大きなツノを生やし、背にローブをも突き破る羽を作り上げながら語る。ボロボロのローブの下、伸ばした漆黒の手を前に突き出しては特製の剣を何処からともなく創り上げ、其奴をしっかりと手に取って相手へ構え、じゃり、とブーツで地面を踏みしめながら余裕だと片口角を上げて見せ。
「…」
命中したかと思えばまた姿を変える相手、そろそろ
白黒の方も驚きは少なくなって
「……次は悪魔ですか、百面相も仰天するでしょうね」
( 杖と聖剣を放り捨て 脚を広く構える徒手の構え)
「天地無用…掛かって来なさい」
( 気迫一切の衰えを見せず、鋭く相手を見据えて低く言葉を発した )
嗚呼正解だ。たった一人がこうまで変わんのは余人に真似出来ない芸当だろ?
(鋭い瞳を糸の様に細めてけらりと一笑。ばさりと音を轟かせ乍羽が大きく広がり、数度風を起こして宙に浮いては地面に己の地をばら撒きながら相手の周辺を数十した後、軽く頷いて手にしていた剣を相手へと投げ飛ばす。一瞬にして地面に突き刺さった剣が切った空気が徐々にヒビ割れ、歪んだ時空から先程目にした物と同じ霊が一つになった姿で現れる。其奴らは十数mにまで成長した巨体をのそのそと動かしながら、悪魔同様に背に生えた黒い風で辺りに鎌鼬を作りだし、敵を見定めた後にゆっくりと其方へ顔を向ければ溜めていた刃となった風を其方へ飛ばして。
「とっ…」
[ トトッ ガッ ]
( 風の発射、さらに多くの敵を見据えてバックステップ、それに加えて
杖と同じ様に何処からか取り出した大楯を放り投げて風を相殺 )
「…確かに形態変化、状態変化を意図的に行う事により得られる
戦略的優位は少なくありません…力に速度に防御に、ぞれぞれ何か1つに
特化してさえいれば、使い方次第で数値以上の力を引き出せるのですから」
(後方、相手を遠くへ見やる位置へ移動して)
「あなた様の活用ならば、大体の相手は変化する事での優位を保つことが
容易に可能でしょう…
特化以上の力を相手が持っていない事を前提にする必要がありますが」
大層腕に自信がある様で何よりだ。抑も俺らのテッペン様はまだお寝んねしてるがな。
(声高に笑いながら空高く舞い上がれば、再度剣を創造して次は空を切り裂く。先程同様に裂けた時空から溢れ出した溶岩は雨の様に滴り、空中で一度静止した後に鋭いナイフの形へと変形して相手へと放たれる。
「いいぞ、もっとやれってトコかな」
(実に涼しげな表情を浮かべながら野次を飛ばして。)
[ ギュルッ ]
「 そろそろ 広範囲に致しましょうか 」
(背から伸びる触手が、溶岩を一纏めにして球体へと変形させる )
【災害型波動】
「消え去りなさい」
【ガイアフォースG】
(溶岩がいかづちへ、竜巻へ隕石へ次々変形しながら四散し
白黒の手より放たれた圧縮熱がそれを取り込み巨大化して突撃)
…オーォ、おっかねえな。
(口笛一つしながらローブで身を包みこんでは其の儘落ちる勢いで地面に飛び降り、続いて現れるのは少し奇抜な色をした長髪をさらりと風に揺らす、肌の露出を一切許さない少女。顔を包帯で覆い隠した少女は何一つ喋ることなく、先程まで垂れていた血が染み込んで地面を蹴って音を立てる。其の音に反応してか、辺りから少女の足元へ移動した血は彼女を守る様にして囲みだす。薄い結界に綴られた血の文字が魔法陣を創り出し、碧蝶を生み出しては変形を続ける相手の放った攻撃へ飛び込み、其れを余すこと無く食らっていく。
「そろそろ手加減薄めて行きましょうか…覚悟は良いですね?」
【 ギガ波動:拡散 】
[ dooooooooooo ]
( 両腕の間に水色の球が現れ、その中枢へエネルギーが密集して…
0.5秒毎、その輝きを危険な力へと急激に変貌させている )
…構いませんよ。既に身体ぼどぼどなので、怖いものとかありませんし。
(淡々とした、少し篭った声が包帯を動かしながら告げる。結界内に護られたまま、地面に滴り落ちた血を靴で引き延ばし、余裕綽々と一頭の蝶の落書きをしていて。
「……では、後腐れの残らぬ様に…」
3,2,1 let's GO!
【ギガ波動砲】
( 地平線を覆い尽くす眩い光とともに
球体より現れた光の奔流が視界を覆い尽くす )
…
(結界の文字を重ね、己の閉じ籠った内に溢れ入る光を最小限に抑えながら様子を伺う。
【 イビ.ヴェノモス 】
「…誇張ではなかった様ですね、あまりにもしぶとい 」
( 攻撃の失敗を憂うことも無く、次は虚空を掴んで引き回し)
「されど私は手を休める事などありません、いつまで耐えられるのですか?」
【 ゾウル・C・ヴェノモンス 】
(解放された貪欲なる闇が前方を黒く荒涼に染める )
そうですね。そうなんですよ。実際なら立ってることすら難しい状態でしょう。何なら出血多量で先程の死神ちゃんにでも葬ってもらうことになったかもしれませんね。今ここに立つのが私でなければ、の話ですが。
(くくくと喉を鳴らした少女は少しだけ包帯をずらし、輝く青い瞳を覗かせる。楽しそうに一縷と細められた瞳は青以外を映さず、其の儘閉じられてしまう。そんな行動も束の間、瞬きの合間すら与えずに少女の姿が中へと移動する。先程の落書きと同じ朱殷の蝶に乗った少女は、右手のみをまるで別人の物のように変え、握っているペンを振るう。
闇には闇を。
(真っ黒なペンは相手の闇を幾分か吸い取った後に己の物へと塗り替えた後に荊へと姿を変え、相手の首を目掛けて素早く真っ直ぐ伸びる。
[ ドドスドスドスッ! ]
「…何度も見て聞いた神代のお話、あなた様も繰り返すと言うのですか」
( 涼しげな顔で投げられた言葉に受け答えるは白と黒の衣纏う旧きモノ
右腕を貫かせ 勢いを押し殺.した荊を引き千切り 握り潰す )
「ならば良かろう、再三の慈悲は絶たれました... 」
何のことやらさっぱりですが、一つ言いましょう。仮に貴方が私達の攻撃を喰らわずとも、仮に貴方に敗北が訪れる事がなかろうとも、彼女は不死身ではないが死なない。
(蝶の身体に体重を預けたまま、地へと先を向けた足を緩やかに振りながら楽しげな声色で少女は元に戻った右手の人差し指のみを立てて笑う。血だらけの衣類、不完成の蝶。見てくれを見る限り明らかに少女は致命一歩手前、普通ならギブアップ、或いは_そんな状況でも愉快に笑っている。
「……敵対心通り越して、少々哀れという感情が浮かんでしまいます」
( 瘴気、解放された 覇気…或いはそれと同等のもの全てを身から削ぎ落とし、
攻撃能力の一切を捨てた何時も以下と言える状態となった白黒が相手を見据えて )
うん、なんとまあ久しく来てみたよ。トリップだかなんだかがうろ覚えなのもあってころっと変わるかもしれないがまぁ時経てば忘れてしまうものさ。仕方ないさ、仕方ないというしかないね。はぁ、何と無く戦いたさもあって戻ってきてみたはいいが確かにあの頃の私は弱いな。弱くて仕方ないさ。でもまぁそれもまた仕方のないことだろう。だって私が誇るあの能力を使ってはいけないのだと規制されてしまっているのだから。抑も終わりの見えぬ戦いをして何になるのだろうか。嗚呼戦う理由が欲しい。引いでて強い力が欲しい。私の其奴らは全て本体の劣化版だ。嗚呼これじゃ誰にも勝てやしない。生身の人間が平然と強さを外見と名と種族に塗りたくった奴等に勝てるもんか。はぁ、解る。解るさ。此れが過去の彼奴を目前にした奴達の心情だ。討伐は愚か、怪我すらさせることのできない奴を目前に何が出来る?そんな傲慢的な強さを持ち、自らと対峙する奴を玩具のように扱って嬲り遊ぶ奴達を目前に此方が楽しめるもんか。嗚呼、不安。後悔。いや、これは後悔ではない。何故なら彼奴にはそれが必要不可欠だったからだ。少なくとも、脳が情弱だったことは認めるが。否、認めるではなく、それを受け入れて己を叱責せねばいけないだろう。嗚呼、全てが掌から溢れ、全てが朽ち果てた今それを言うのは実に忍びないことだが。まぁ、そうか。いやまぁ彼奴を使えば皆とも言わずまぁある程度の奴等とは対等に戦えることにはなるだろう。嫌みたらしく言えば、話せる奴達のみとなるが。さてはてまぁ何ともだな。遅ればせながらも雰囲気の出演でもしようか。そうだな。ここは私の生み出した世界としよう。黒雲が空を覆い、隙間から覗く先は夜空以外に切り替わることはない。そんな暗い世界としよう。景色は見渡す限り木々が鬱蒼と生える森林。そんな森奥に一箇所、土壁にぽっかりと空いた洞窟の入出の様な見た目をした大きめの穴がある。最初は砂や土、砂利といった壁や地面がどんどんと石へ変わり、溜まりどこからともなく水が滴る。とても透明で綺麗なものだ。なんなら飲めてしまいそうなほど、瓶に詰めて飾ってしまいたいほど。更に奥へ進むと一つの大きな空洞があり、続けて重さを感じさせる大きくて厚い扉が待ち構えていよう。銀と黒で扉を引くと、重さはありつつも平然と扉は開き、更に奥へ続く道が広がる。壁も床も真っ白な廊下、の様に伺えるそこを突き進むと最後に一つ、簡素な木製の扉がつけられている。扉の先にはまぁ、私の住処って事で其れ等が広がっていることとなるだろう。ともあれこんなもんか。考えたはいいが活用できるかとなるとそうでない。まぁいいさ。其の儘でも、な。嗚呼今日もまた独り言が過ぎてしまった。お客人が来るまでは待つとしよう。
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