「 ...行ってみたくは、有りませんか? 」
...神出鬼没であっちこっちに同じような店を構えて..中に入れば全て同じな不思議な懺悔室。
その懺悔室に入れたのならば悩みを相談してみると良い。《好きな人がいる》《謝りたい事がある》《自身の事について》...それ以外にも趣味など、本音を言うと話し相手を求めています。
...必要であれば加護なんかも....?
極楽へと誘われるような...安らぎを求めている方は一度は来てみたら良い、きっと気を紛らわすぐらいの事は可能だから。
....ただし邪なる者来るべからず、もし来たのならば...覚悟だけはしておく事。
(ぼたぼたと、揺れる袖口から溢れる血を落としながら、ずりずりと壁を支えに歩く人影)
「…………なんだぁ、この店」
(目が霞む中、ふと、不思議な雰囲気の店が視界に入る)
(なんだか、近づくほどに心が安らぐそれに体はゆるりとそちらに向かっていく)
「…ま、死ぬ前のきまぐれか…」
(袖を結んで傷口を無理やり止血し、扉に手をかけ、その取っ手を捻った)
「 ぅっ.....初めてのお客様、いえ..こういう場所ならば信者と言うべきでしょうか?...何方にせよ、良く来てくださりました 」
( ....微かなる邪なる気配に一瞬声が止まるもそれでも何処か..情に塗れた者だと思えば椅子に座らせる ...顔は濃い黒色のヴェールで覆われて見えないが、如何にもな女性の声が響く )
「 ....その前に簡易的な治療でも致しますか?....無理に止血などしても、悪化するだけですよ? 」
( .....相手側からは見えているらしい )
「…あー、なんだっけか、あんたみたいなの…あぁ、シスターたっけか……」
(本なので見たことのあるような姿の女性に、ぽつりと声をこぼす)
「えー、と…信者、じゃ、ねぇかな、わるい、通りがかりだ、……見苦しいなら治療してもいいが、…気にならねぇならほっといてくれねぇですかね」
(勝手に入って来といてわるいな、とヘラりと笑う)
「 ...そうですね、所謂聖女(シスター)と呼ばれる者であります...まだまだ未熟ですけれど 」
( 手を組んだまま動かない ...良く見ると少し震えている )
「 ...いえ、冗談に近い物ですから気にしないでください...私個人としては治療をしてあげたいですね...完全に治すとまではいかなくとも、せめて生活が出来るぐらいには回復を... 」
( 見渡す限り質素な部屋で医療などそんなのが出来るとは思えないが..何処か自身に溢れたような発言 )
「…いや、いーよ、俺だけ、生き残ってもしゃぁないし、ね」
(死ぬなら死ぬでいい、無理やり生き残っても、もう)
(自傷気味に微笑んで、そして彼女が震えていることに気がつく)
「…あー、すまんね、初めてのお客、だっけ?それがこんな死にかけで、変な記念になっちまった」
「 ..いえ、平気です..ただ、貴方から漂う少し気味の悪い邪なる気が少し苦手なだけです...気にしないでください 」
( ...何やら諦めているような相手に、あまり自分の言葉は響かないと思えば頭が下がり )
「 ....さて、何を話します? 」
( ...シスターは話し相手を求める )
「…はなし?」
(ここを懺悔室としらぬままはいった男は疑問をこぼす)
(それにしても、気味が悪い、ね)
「……ふむ」
(話題を、頭をひねって考える、死にそうになったらここを出よう、まだ自分は、また己の『幸運』でしねないようだから)
「 ...私に対する質問でも、何か懺悔したいことでも、自分の...『罪』についてでも、好きな本などなんでも構いません 」
( 話しやすいように話題を考える 何処となく...懺悔室の割には暗い )
「 ....お代さえ貰えば何か加護をおつけしますよ? 」
( ...恐らくこの人には加護は必要無いだろう )
「……罪、ね」
(彼女の言葉に少し目を張り、少し黙り込む)
「…はは、そうだなシスター、なら、俺の懺悔でもきいてもらえるかい?」
(そしてもう一度彼女に声をかけ、困ったように笑う)
「情けない話だ、断ってもらってもいいぜ」
「 .....いえ、初めての来客です、是非お話を聞かせてくださいな?...懺悔を聞くという事こそ、私の務めで御座いますし 」
( 再び両手を組み直す ...ヴェールの下に微笑みを浮かべ )
「 ..人間、情けない話なんかは誰でも存在しますから気にしないでください 」
「、はは、そうかい、シスター様は大変だなぁ…」
(少し笑って、そして)
「……どっからはなしゃあいいかな…、…あぁ、まず身の上を教えとくわ、俺、マフィアの構成員なの、ここだけの話、No.2のけっこう偉い人なんだわ、まぁ、元だけどな…」
(残った左腕をうごかし、自らを指さしてヘラりと笑う)
「元ってのは、…さっき、そのマフィアは無くなっちまったから、敵対してた他のマフィアの連中との抗争で」
(右腕はそんときかっとんじまった、と、少しも気にする素振りを見せずに言い放つ)
「結果はお互いに相打ちで全滅、…、が、なんでか、…俺だけが生き残っちまった、…、まぁ、死にかけだが」
(そう告げると、口を閉じ、ガシガシと左手で頭を搔く)
「なんで、俺だけ…」
(下を向いたまま、聞こえるかも分からない声をこぼす)
「 .....研修と言いますか、練習で慣れていますので平気です 」
「 ...そして成る程、貴方の微かなる邪なる気はそれでしたか....元でしたらまぁ...良いでしょう、それは許します 」
( ...納得、話をゆっくりと聞いていく 適度に頷き、しっかりと話に興味を持つ )
「 ...No.2とは 中々お強いようで 」
「…は、まぁ、ボス以外にゃ負けたことねぇよ、裏じゃ結構有名だったんですよ?『無敗』だの『死神』だのなんだの、へんな通り名まで付けられちまって」
(疲れたようにまた笑う)
「まぁ、でも、そんだけ強くても、なんにも守れなかったけどな」
「……クソガキだった俺を拾って、こんなにデカくしてくれたボスは死んだ、俺の後ろを着いてきて、煽りあって、それでも背中を預けられる同期も死んだ、執拗いくらいに慕ってくれた部下たちも死んだ!」
(感情が入り込み、少し声を張る)
「うちを壊したやつも死んだ!ボスを殺した奴もしんだ!全員、全員死にやがった!」
(声を荒らげる、脳裏に焼き付いた光景は、こびりついて離れない)
「…あぁ、すまん、うるさかったな」
(そしてふと、冷静に戻ったかのように謝罪を述べる、またヘラりと笑うそれは、あまりの切り替えに恐ろしさすら感じる)
「 ....中々面白い異名ばかり付けられていますね、それは他の組織からも恐れられた事が多いのではないですか? 」
( ...笑う相手に向かい手を組み直して 少し声が柔らかくなる )
「 ....一体何があったのか、聞いてもよろしいでしょうか?...無理なら構いませんよ、辛いならば私は聞かなかった事にします 」
「…あぁ、恐れられはしたな、俺を引き抜こうとするやつも多かったし、ボスより先に俺を殺そうと仕掛けてくるやつもいた」
「でも、俺は家族さえ守れりゃ良かったんだ、アイツらのためならなんだってできる」
(血の繋がりなどない、でも、それでもマフィア(あそこ)は家族も同然だった)
「 ......深い繋がり、其れこそ恩を返すような...大事な居場所だったのですね?
...しかし、そんな貴方も片腕を失う大怪我をしてしまっている....という事は 」
( ...察しやすい出来事、深くは語らないし語らせない )
「 ....部下の方々とはそんなにも仲が良かったのですか?....マフィア、と言うと..偏見ですが荒くれ者などが多そうですが 」
「はは、そりゃあ確かに荒れてるとこは荒れてるだろうが、…まぁ、うちはお人好しの集まりみてぇなとこでしたよ、ボスは無駄に見る目があったもんで、裏切りとかもなかったし、…薬とか、そんなもんに手をつけるようなとこじゃあなかったな」
(懐かしむように言葉を吐く)
「…部下は…まぁ、阿呆みたいに素直なやつが多かったな、裏稼業だって分かってんのか…まぁ、任務でしぬやつも多かった」
(…すり…と、己の耳に開けたピアス撫でる)
「これ、死んだ奴らの数だけ開けてんの、死んでも忘れねぇように、気持ちわりぃ趣味だって笑ってくれても構わねぇですよ」
「 ....笑いません、私は仲間意識が強く...とても貴方は優しい方だと思いました。
...良い人の元には良い人が集まる物ですしね、薬を使っていないのは高評価ですよ、とても 」
( ..気のせいか少し声が嬉しそうに高くなる )
「 ....それでも、そこまでのピアスを開けてしまったと言う事は...とても、残念でしたね 」
( ..一喜一憂、憐むように声が低く小さくなる )
「……50は、居たんすけどねぇ、全員死んじまいましたよ」
(はは、とかわいた笑みをこぼす)
「流石に、そんなに開ける場所もねーから、こうなったら、人数分、刺青でも入れてやろうか、……ま、この体じゃそれもどーだか…」
(体がもう冷たくなってきている、さすがに長く話しすぎたか…)
「…すみませんねぇ、長い話しちゃって、流石にシスター様の懺悔室で死ぬわけにゃいかんですから、どっかでくたばってきますよ」
「 ....懺悔室で確かに死なれるのは色々とまずいです、ですが私はまだ貴方の話を聞きたいです..よって 」
( ヴェールを捲り素顔を見せる ...霞んだ金髪に銀混じりの髪を晒し 顔には縫い目のような傷跡が散らばっており )
「 ...貴方を治療しようと思います、半ば強制的かもしれませんし、嫌かもしれませんが... 半分私のエゴです 」
「…ありゃ、こりゃあべっぴんさんじゃねぇの、でもシスター、こんな傷ですよ?言っちゃあ悪いが…あんたにそんなこと出来るもんかい?」
(片腕ないんですよ?と諦めているように笑う、死に際でも、笑い続ける)
「 ....私のこの傷は自身の罪。治す訳にはいかないのですよ、治した方が確かに..女性として魅力的になるかもしれませんがね 」
( 軽い微笑みを浮かべながら近寄る ...改めて傷の深さを確認して どれ程の治療が必要かを推測 )
「はは、なぁにいってんの、傷なんかあったって、べっぴんなのにはかわりねぇでしょ、……それにしても罪ねぇ、…まぁ、深くは聞きませんよ」
27:カルディナ◆rDg:2020/10/21(水) 22:03 「 ...矢張り貴方はお優しい方です、ギャングなんかに属していたとは思えない程に
...腕はどうしましょうか、治します?治せますし...傷跡が無い様にする事も出来ますが 」
( 身体のラインを調べる為に軽く触りつつ 小首を傾げながら問いを投げ掛ける )
「……………どうしたもんかな」
(正直、生きるつもりは全くなかった、そんなこと言ったらボスにぶっ殺されそうだが…それでも、)
「……まぁ、腕はなくなったままでいい、切断面だけくっつきゃ、どうにかなる」
「 ....承知しました、では傷口に雑菌が入らないように、そして..簡単ですがその他の治療をさせていただきます ...また治療をして欲しかったら言ってくなさいね? 」
( 手に持ったのは平筆 何かが染みたような物で ...ぽんぽんぽん、傷口に優しく軽く触れさせていく )
( ....鋭く激しい痛みと共に徐々に塞がっていく )
「っ、……」
(流石に痛む、が、それこそ、痛みには慣れている)
(にしても…『治癒』か…?…いやでも、…)
「 .......治療ですよ、しっかりとした 」
( 心を見透かすかのように言いつつ 傷口に当て続ける ...確かにゆっくりと塞がるとと同時に痛みも引いていく )
「 ...これぐらいしか出来ずに、すみませんね 」
「……すげぇな、あんた、あの傷がこれか…」
(痛みが引いたのを感じて、傷口だった場所に手を当てながら言葉を零す)
「…十分だ、…ありがとう、礼を言う、」
(そう言って、彼女に向かって頭を下げる)
「俺は叢雲、出来たら覚えといてくれ、今度また、まともに動けるようになったら礼にきたい」
「 .....私なんかよりも素晴らしい人達は沢山いますよ お気にならさず 」
( 手を引いてポーチの中に平筆仕舞い込み手を重ねてからぺこりと一礼 )
「 ...叢雲様ですね、覚えさせていただきます、来訪感謝致します、此方こそ、いつでも大歓迎ですのでまたお越し下さいね? 」
「…ん、まぁ、助けられたら死ぬわけにもいかんし、…うん、どうにかしますわ、礼に来る前にナヨって死んでたら悪い」
(体勢を立て直し、へらりと笑いながら告げる)
「ほんじゃ、またきますよっと、…ありがとな、シスターサマ」
(そう告げて、左手でドアノブを捻った)
「Good luck to you(貴方に幸運あれ)、…じゃね」
(そうして扉を締める寸前、扉の向こうで振り向き、ヘラりとまた微笑んで、そう言いながら、手を振った)
「 .....悪に塗れる正義、とても格好良くて..素敵な方でした 」
( ...笑みを浮かべてから再び顔にヴェールを覆う ...身勝手ながら両手を合わせて彼に対して祈りを捧げつつくるりと回って再び戻る )
「 ...では、再び次の方をお待ちしましょうか 」
( ...聖女は話し相手を再び求める )
「 ......長く長く、待ってみましょう 」
( 少し暇なのは秘密、そういう場所や部屋だし客が来る確率の方が少ないし仕方ないとも思いつつ )
「 ....私自身も何か話題を考えておきましょうか..? 」
「 ...心の安らぎになれるなら良いですね 」
( 少々来る眠気を他所に今日も待ってみる ...ほのぼのとした話でも、シリアスな話でも、聖女は受け付けるのだ )
「 .......あまりこう言う事を言うのは宜しくないでしょうが..暇ですね 」
____いしやぁ〜きいもぉー おいも〜
( 遠くから屋台を引く妙な音 ... )
『…………あれ、またやらかした?』
(ワープゲートにしてはセンスのない…目から血涙を流したとびらが現れる)
「 ....石焼き芋...ですか、そう言えば食べた事があまり無いですね..
というよりも食べる機会が少ない...食べようと思わないんですよね 」
( 聞こえて来た音に懐かしみを覚えつつ、どうしようかと悩む... )
「 ...食べて良い物でしたっけ、そもそも 」
「 ....そして更に....えっと、中々独特な..扉、ですね?...いらっしゃいませ、でしょうか? 」
( ...もう一つ聞こえて来た幼い声にヴェールの下で微笑みを浮かべる
どうやら..忙しい事になりそうで少し嬉しい ... )
「 ...取り敢えず中に入られては如何でしょう? 」
( 小首傾げつつ、扉を開けておき )
「 ....さてと、久しぶりにお待ちしてみましょうか 」
( 暇...と言えばそれでお終いかもしれないがそれだと印象が悪い。お客さんの気配もしないので気長に待つ )
「 ...待機、しています 」
「 .......... 」[ ウト....ウト..... ]