かつて、世界が崩壊するほどの戦いが有った。
罅割れた蒼穹を見上げ、もう争わないと皆が誓った。
此処は壊れかけの世界、千を数える間に弾けて消えるような泡沫の世界。
そして、此処は行き場を無くした神秘達の吹き溜まり。
もし、あなたが争いに疲れているのならきっとこの町を気に入ることでしょう。
「ようこそ、まほろば町へ!」
まほろば町幻想譚 用語
『大戦』
かつてこの世界で起きた戦い、その激しさは文字通り世界を崩壊させるほどだった。
『まほろば町』
大戦以前の町並みが残る町、ノスタルジックな雰囲気。
イメージは現代日本の田舎町。
「ふむ、やはり別世界に弾き出されたか、帰還術式の構築にはずいぶん時間が掛かりそうじゃな、……蛇神め、ただで済むと思うでないぞ」
黒い尻尾をパタパタ、杖をペン代わりに猫耳を生やした異形の少女は地面に奇怪な文字列と図形を刻んでいく。
呟かれる言葉は九歳ほどの外見に反して老成しており数百年もの月日を経ているかのよう。
「加えて空間も不安定、これは骨が折れるのじゃ」