KZ自作小説

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1:名無しのKZ好き:2020/04/10(金) 13:12 ID:qJo

妄想を詰め込んだ1レス読み切りの短編を書いていこうと思います。

KZ好きさん、ぜひ目を通して一言でもコメント頂けると嬉しいです!

あくまでわたしの妄想なので、もしかしたら地雷もあるかもしれませんが、承知の上でお読みになってください。

荒らしはスルーです。荒らしさんにレス返する暇なんでありません。

では。

2:名無しのKZ好き:2020/04/10(金) 13:44 ID:qJo



『サクラ咲ケ』
作・名無しのKZ好き


「久しぶり、皆!」

桜がはらりと目の前で舞った。

その薄紅の向こうで、皆の笑顔が綻ぶ。

「お、アーヤ!久しぶりだな」

若武はこんな春の景色の中でもまるで向日葵のような笑顔で、それを見た途端、あぁKZだなぁと思わず心が跳ねた。

「立花、よっ」

「一段と綺麗になったね、アーヤ」

「アーヤ早く早く、座って!」

「はい、これお茶。喉乾いたでしょ」

「これ島崎さんが作ってくれたんだって、すごいよな」

私以外のメンバーは既に全員揃っていて、秀明のカフェテリアで集合していた頃も私がいつも一番遅かったことを思い出す。

「今年は皆、予定が合ったんだね、よかった」

私のために空いているであろう空間に座り、皆に話しかける。

その言葉に対して、全員が優しく微笑み返してくれた。

私たちKZは、どんなに忙しくても1年に1回は会うようにしていたんだけれど、全員の都合を合わせるとなぜか春になることが多く、今となってはお花見は恒例行事となっている。

「でも」

そう声を発したのは小塚君だった。

「僕、もしかしたら来年から来られないかも」

えっ。全員が驚いて小塚君の方を見る。

悲しそうな声に反して、手元のお皿は様々なおかずでいっぱいだった。

「僕、この前、ある仕事をもらったんだ。フランスに行かなきゃいけない」

「フランス!?」

全員の声が揃う。

小塚君は照れながら、うん、と頷いた。

「もともと興味のあった内容だったし、たぶん結果も出せると思ってる。すぐに決断したよ」

瞬間、若武がばっと立ち上がり、叫ぶ。

「我らが友、小塚の門出に拍手!」

そして全員が正座に居直り、小塚君に向かって拍手!

小塚君はいつもの優しい笑顔で、恥ずかしそうに会釈する。

その姿は普段の小塚君と変わらなかったけれど、そんなにすごい仕事をもらうくらい成長しているんだと思うと、なんだか切ないような嬉しいような複雑な気持ちになった。

すると、ゴホンとわざとらしい咳払いが聞こえた。

「それに乗じてなんだが……」

次の声の主は、若武だった。

「俺も、ヨーロッパに行く。スカウトされた」

それは、結構前からニュースで目にしていた。

皆も同じなのか、驚きはなく一瞬で拍手がその場を包み込む。

若武はうむ、と偉そうに頷いて、大きな身振りで話し出した。

その話の長いこと長いこと……。

私は痺れを切らして思いっきり手を挙げた。

「あっ、おい、邪魔すんな!」

「はい、立花」

皆の中で一番うんざりしていた様子の上杉君が、助け舟を出してくれた。

私は、上杉君に目でお礼を言いながら、バッグから1冊の本を取り出す。

「皆に見てほしい物があるの」

ムスッとしていた若武も含め、全員が私の手元を見る。

「本?」

「うん。作者名、見て」

翼がそこに書かれている文字を読み上げた。

「……立花、彩……」

忍が勢いよく顔を上げる。

桜のようにふわりと髪が舞って、とても綺麗だった。

フリーズして動かない皆と違って、忍だけは嬉しそうに口を開いた。

「立花、本、出したのか」

「うん。出させて頂けることになったんだ!」

皆から、大きな拍手が沸き起こった。

皆の嬉しそうな顔を見ると、本当に嬉しくて嬉しくて、涙が溢れ出した。


-END-
 


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