めちゃめちゃ悲しい物語です。よろしゃす。
2:山田静樺-シェイシェイ◆C. 幽霊シェイちゃん:2018/09/16(日) 21:53 ID:6X. 「ねえ、マジ藍川きもくない?」
「あー、分かる。なんか馴れ馴れしいっていうかさー。」
何故人は、人をいじめるのだろうか__
私の名前は藍川静水。中学二年生であり、現在進行形で『いじめ』を受けている。
理由は至ってシンプルだ。『ぼっちで気持ち悪いから』だそうである。
人は、自分より下の人間を見つけて安心する生き物だ。それ故に、見下し蹂躙し、蔑ろにする。
結果として命が失われることだってある。
何故私は、奴らのエゴの為だけにいじめを受けなければならないのか。
酷く理不尽なことである。
(あ......今日教科書忘れたな。見せてもらおう。)
「ねえ、教科書見せて。」
「はぁ? 忘れるのが悪いんだよ。」
「......。」
見せて、と頼んだ私の方が馬鹿だったな。
嫌っている奴に教科書など見せる筈もない。それ以前に、私なんか菌にすらされてしまう始末である。藍川菌という新種の菌の発生だ、なんて揶揄されている。そうかそうか、ならば菌に犯されて死んでしまえ。
胸中は常に奴らへの恨み辛みだ。周りからは、「なに考えてるか分からない」と気味悪がられるが、安心しろ。私はお前らのクズっぷりを考えているだけだから。
チャイムが鳴った。今日はただ、黒板に綴られた白い文字をひたすらノートに写しただけだった。
昼休み。
今日も弁当が美味しい。誰にも邪魔されることがない至高の時間だ。
ぼっち飯は最高だとつくづく思う。むしろ、群れで食べている奴らの方が可哀想だとも思った。
一度友達というレッテルを貼ってしまうと、それにずっと付き合わなければならないのだ。
群れないとぼっちになる。ぼっちは嫌われる、という意識が奴らをそうさせるのだろうか。
楽しくもないのに付き合うなんてもはや拷問だな。今日限りは、奴らに同情する。
弁当を食べ終わると、学年でも有名な女子グループが私のもとへやってきた。
いったい何の用があるのだろうか。
「やっほー、藍川さん。」
「うん。」
「うんだって、うける!」
なにが笑えるのだろうか。
女子の一人が腹を抱えて笑い出した。それにしてもコイツら、何故いつもマスクをつけているのか。そんなに自分に自信がなくて顔を隠したいなら、大仏のマスクでも被ってきたらどうだろう。私はただ無言でいだ。
「あのさぁ、藍川さんってぼっちじゃん?」
「......まぁ。」
曖昧な返事をすると、さきほど私に挨拶をしたリーダー格の女子、『糸井由緒』が「ふーん」と目を細めた。
「ぼっちってさぁ、可哀想だよねー。私いっぱい友達いんのに。」
「嘘つけ。仮面の友達なんだよ、そんなもん。なんの自慢にもならねえよ。」
その瞬間、糸井の自慢気な顔が凍りついた。
翌日。いつものように、コンクリートで作られた道路を足並み速く歩く。
家から学校までの道のりはそう遠くない。8時に出れば、15分につくのだ。
登校に30分も50分もかかる人がいるが、私なら面倒すぎて不登校になるレベルである。
学校につく。やはり、階段を登るのは一苦労だ。今は秋だが、夏場なんかだとほんのり汗が滲む。
加えて三年生の教室は三階にあるので、面倒臭いことこの上ない。
教室の前につき、扉を開ける。相変わらず、奴らは私に目を向けない。完全に空気扱いされている。
だが、そんなことは慣れている。私は自分の机の前に向かった。
カバンを置いて前を向くと、目の前の現状に驚愕した。
『藍川はぼっち 一生ぼっち笑 かわいそー爆笑』
黒板に白いチョークでデカデカと書かれたそれは、完全に悪意のあるものだった。
誰がしたのか。その疑問が真っ先に浮かぶが、すぐに思いついた。
糸井由緒と取り巻きの仕業だ。切っ掛けはおそらく、昨日の昼休みでの出来事。
もし仮にそうだとしても、怒りの沸点が低すぎるのではないだろうか。
こんなことをしても無駄だというのに。重い足取りで黒板へ向かった。
「あっ! ......。」
「だっせぇ。」
足を引っ掛けられて、前につんのめった。
多少バランスは崩したが、転ばなかった。
足を引っ掛けたのは、『黒澤大樹』だ。中学一年生の頃から同じクラスなのだが、一番関わりがあった人物だ。だが、今となっては元も子もない。『いじめっ子』と『いじめられっ子』の関係なのだから。
私は、再び歩き出した。