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いつからだろう、 私が私じゃなくなったのは。
嗚呼、あれはつい最近。
硝子が地面に落下して粉々になったように
終わってしまった私の恋。
それからだっけ私が
"笑えなくなってしまったのは"___。
>>2 【登場人物】
主な登場人物
●日ノ瀬 愛美 / ひのせ あいみ
とにかく一途。涙脆く、想像力豊か。
優しく気が強い一面もあるが少し重い性格。
滝崎に一目惚れして片想い中。溺愛している。
●滝崎 陽 / たきざき よう
一見クールだが話してみると優しい。
たまにふざけてバカなことを言う。
学校内では1位2位を争うほどのイケメン。
かっこいいがそんなに言うほどはモテない。
●神田 優子 / かんだ ゆうこ
愛美の親友。愛美の恋を応援してくれている。
過去に大川と付き合う直前の所で
花に大川を盗られてしまう。
しかし、花とは親しく自分の恋愛事情を知らなかった
ため仕方ないと思っている。
●大川 星哉 / おおかわ せいや
優子と親しい仲だったが
同じクラスの花に徐々に惹かれ花と付き合う。
●西宮 花 / にしみや はな
優子の友達。
大川に好意を寄せており大川から告白されOKした。
"女の子は恋をすると可愛くなる"
どこかで聞いた言葉。
どこで聞いたかは覚えていない。
私はこの言葉本当だと思う。
だって私好きな人のために可愛くなろうと
って努力してるから。
「愛美、早く寝なさい!」
お母さんの声が2階のリビングから聞こえる。
私の部屋は3階なのになんで起きてるって
わかるのかな?
もしかして、小声で歌ってるつもりだけど
聴こえてたりしてね。
「はーい」
私は化粧水を染み込ませたコットンで
顔を吹きながら言った。
そう言ったもののまだ寝れない。
やることがたくさんあるからだ。
とりあえず、機嫌よく歌っていたが中断し
静かにしてみた。
「んーと、あとは美容液と…乳液と…
あ、フェイスマッサージお風呂でするの忘れてた!
やらなくちゃね」
ぶつぶつと独り言を言いながら
必要な物を用意する。
私だって早く寝たい。
でも、滝崎に可愛いって思われたいんだ。
だから、美容法を色々試して効果が出たものを
続けている。
やらないと気が済まない。
この前、優子が言ってくれた
「愛美、滝崎のこと好きになってから
輝いてるよ」
って。
凄く嬉しかった。
思い出してニヤけて
明日の準備と目覚ましをセットして
私は眠りについた。
夢に滝崎が出てきたらいいな と
ソっとつぶやいて____。
「愛美!起きなさい!
どうしてこの子は早寝早起きができないの
かしら。早く寝ろって言ったのに…」
ムニャムニャ…
微かにお母さんの声が聞こえた。
なにやら、文句を言ってるらしい。
なんでだろうね、アハハ。
私は目覚まし時計を見た。
「7時50分か。
…ん?んん?7時50分?!」
私は漫画のワンシーンのように驚いた。
とりあえず、起き上がって急いで制服に着替えた。
「もうー!このバカ目覚まし!
聞こえないわ!」
私は目覚まし時計のせいにして
目覚まし時計を叩いた。
急いで階段を降りて2階へ行くと
お母さんが私を睨んでお弁当を持っていた。
「あ、お母さんお弁当ありがとう。
今日はなにかな?唐揚げかな?」
お母さんの機嫌を伺うように
聞いてみたがお母さんは表情を変えることなく
口を開いた。
「あんた朝起きれないくせに
夜更かしするから寝坊すんのよ!
あれだけ起こしたのに、目覚ましだって
お母さんが止めたのよ大体ねあんたは…」
すごい勢いで怒鳴られた。
でも、寝ぼけてるせいか内容が頭に入ってこなかった。急いでいた私はお母さんを無視して
1階へ降りた。
「ごめんね、お母さん」
小悪魔っぽい笑顔を浮かべ私は言った。
洗面所へ向かい髪を結び前髪をセットして
洗顔と歯磨きをして私は家を出た。
走らないと間に合わないかな。
最悪。前髪崩れるじゃんかよ。
そう思いながらとぼとぼ歩いていると
自転車を乗った男の子が角から曲がってきた。
よく見るとうちの学校の制服。
自転車通学ダメなのにね。
止まったと思えば大川の家に自転車を停めていた。
私は自転車を停めてる間にその男の子を抜かして
学校へ向かった。すれ違った時の残像が頭をよぎる。
あの後ろ姿…。あの髪型…。
え、待って。そんなはずない。
と思い後ろを振り返ってみると
それは、滝崎だった。
その瞬間、私は顔が熱くなって
小さくガッツポーズをした。
すると滝崎が私に気づいて目が合った。
心拍数が上り心臓がどこにあるのかはっきり
わかった。
私は照れすぎてその場に居られず
体の向きを変えて歩こうとした
その時
「日ノ瀬」
と私を呼ぶ声が。
いつも遠くから聞いていた
少し低くてショタっぽい滝崎の声だった。
へ?!なに?!
と不安と期待を寄せつつ
「ん?」
と返事をしてみた。
すると、滝崎が近づいて来て
「俺んちから学校まで遠いから学校に近い大川んちに
停めさせてもらってるんだ。元々バス通学だったんだけど最近、自転車に変えてさ先生にバレるとまずいからこれ内緒ね?」
ちょっと待って。
ちょっと待って。
滝崎が私に4行くらいのこと話したよ。
嘘でしょ。夢?これ夢?私まだ寝てるのかな。
そう思いつつも
「そうなんだ!遠いなら仕方ないよ!
絶対に言わないよ」
と照れ笑いを浮かべながら
言った。
すると、滝崎は安心したのか微笑み
「ありがとう」
と言って
私に手を振って歩いて言った。
「すごく…すごく目見てしゃべってくれた…」
私はそうつぶやくと腰が抜けた。
普段は本当にクールなのに可愛い笑顔で
元々一目惚れで、一言二言くらいしかしゃべったことがなかったから久々に聞いた滝崎の声。
なにより、目をジッと見て話してくれたことが
嬉しくて改めて滝崎がいい人なんだと実感した。
仲の良い男子から
「滝崎は性格がいい」
とか
「困ってる人に声が掛けられる人」
って聞いてたから。
私、やっぱり滝崎が好き。
心がウキウキしてスキップしながら
私は学校へと向かった。
学校へ着き、門を通って
靴箱に着くと、優子と大川が
楽しそうにしゃべってた。
「昨日のお前とのLINEめっちゃ続いたな」
と大川がニカッと笑って言うと
「そうだねっ」
と優子がすごくキラキラした笑顔で
言っていた。
これが恋してる女の子の笑顔なんだ。
輝いてるよね。優子が私に言ってくれた
意味がわかったかもしれない。
私も滝崎と話してる時
こんな感じだったのかな_____。
すると、優子が私に気づいて
こっちへ来た。
すごく嬉しそうな顔している優子。
なんか私まで幸せになっちゃうよね。素敵。
「愛美おはよう!」
優子がニコニコして
いつもの落ち着いた声で
手を振りながら言った。
「おはようさん!朝から
アモーレとおしゃべりしてたのかね」
私はニヤニヤして
おじさんのような口調で
優子の顔をマジマジと見て言った。
「!?!?
ア、アモーレとかそんなじゃないわよ!
だってまだ付き合ってないし…さ
まあさ、話せて…嬉しかった…かな?」
優子は目を反らし
慌てたのか両手を体の近くで
ブンブン上下に振り焦った口調だった。
それから、 「恥ずかしい…」 とつぶやき
真っ赤になった顔を手で扇いだ。
「え、優子めっちゃ可愛いんですけど。
いや、可愛いのはいつもだよ?
でもさ、今日は特に可愛いよ、最高」
私は優子を見つめて真顔で
言った。だって本当に可愛いんだもん。
仕草と表情とか全部全部可愛くて。
女の私でもクラッときちゃう。
優子は目を丸くして
「か、からかわないでよ!」
と軽く私の肩を叩いた。
いやいや、それも可愛いんだよな。
とか思いながら私がえへへと笑うと
優子とつられて笑ってた。
優子は大川昨日LINEしてたのか。
そういえば、滝崎はLINEしてるのかな?
聞きたいけど恥ずかしくて聞ける訳ない。
もうちょっと進歩したら聞いてみよかな。
自分の中で決心して
私は優子と教室へ向かった。
【訂正】
>>2 主な登場人物にて
神田優子/かんだゆうこ
過去に大川と付き合う直前で
を
大川ともうすぐ付き合える所で
に訂正します。
小説頑張ってください
8:◆4c:2016/10/22(土) 16:55面白いです
9:柚花◆.Q hoge:2016/10/22(土) 17:29
>>7 >>8
ありがとうございます(*ノω`*))
頑張ります。
面白いですね!
続き楽しみです!
頑張ってください!
>>10
放置してました!><
すいません…。
ありがとうございますッ
嬉しいです٩( ・ᵕ・ 。)و
教室に到着し
カバンを置き中から筆箱を出して一息つくと
すぐに優子のところへ向かった。
何気なくドラマの話しをしたり
恋バナしたりしてると
優子が急に黙って目を丸くし
少し興奮した様子で私の席を指差した。
なんだろうと見てみると
私は驚いた。
滝崎が私の席に座っていた。
「え、待ってやばいんだけど」
私は呆然とし自分をビンタして
みたけど結構痛かった。
これは紛れもなく現実らしい。
しばらく、滝崎は席を立って
一緒に話していたうちのクラスの男子が
机に座っていたためそれに合わせて
滝崎も私の机に座った。
優子が指をさして
「ちょ!愛美!滝崎が愛美の
筆箱お尻で踏んでる」
と少し慌てて私に言った。
本当に踏んでて少し笑ってしまったし
別に滝崎になら踏まれても気にしない。
すると優子が
「話しかけなくていいの?」
と険しい顔でやたらとイケボで
言ってきた。
言われてみればチャンスかも
しれない…。
よし話してみようと決心し
私はそっと近づいて行った。