ちょっと面白いぞ君達。

葉っぱ天国 > 小説 > スレ一覧キーワード▼下へ
1:まさこ:2017/01/01(日) 20:32



趣味は「ポッキーゲームしているカップルの間を颯爽と駆け抜けること」な彼らのお話

2:まさこ:2017/01/01(日) 22:59



それは、とある放課後の出来事だった。

昨晩テレビで見たスキップしながらイナバウアーをする芸人に感化された私は、学校での自分が大人しめキャラだということも忘れて部室へと繋がる廊下でスキップに興じていた。その時たまたま人が通っていなかったのも幸いして、私のテンションは頂点に達しようとしていた。と、丁度その時。

「ちょっと榛名君!このレポートどういうこと!?」

曲がり角の向こうから響いてきたオペラ歌手もびっくりの甲高い声に度肝を抜かれ、足を滑らせた私は勢いよく尻から地面にダイブした。
女子らしからぬ悲鳴が口から漏れそうになったけど、それは根性でなんとか押し殺す。だってこの声、絶対佐和ちゃんのものなんだもん……。

佐和 姫華(さわ ひめか)。この学園の女子テニス部を統べるキャプテンだ。
今年我らが砂城学園の女子テニス部は、悲願の全国大会出場を果たした。毎年県準優勝止まりだったそうなので、この快挙にはOB達も大手を上げて喜んだらしい。
無論、初の全国大会出場へ導いた主将である彼女の評価はうなぎ登り。元から成績優秀で人望も厚かった彼女の人気が、最近更に上昇してきているというわけだ。

そんな彼女がなぜこんな所に……と思ったが、それは彼女と対峙する人物を見ればすぐに合点がいった。

「あ〜?…別にいいだろこんぐらい」

榛名 直哉(はるな なおや)。この学園の男子バスケ部のキャプテンだ。
今年我らが砂城学園の男子バスケ部は(以下略)

と、いうわけだ。2人は同じ初の全国出場校のキャプテンということで、揃って色々な所に駆り出されている所をよく見かけた。
結果、これまであまり接点のなかった2人の距離が縮まった。
というか、佐和ちゃんが榛名君を好きなのがバレバレなのだ。会うたび会うたび突っかかって行くけれど、佐和ちゃんの耳はいつも赤い。
榛名君はそれに全然気づいてないのだが、周囲の人間は「あっ……(察し)」状態で2人を生暖かく見守っている。最近では、影で「夫婦」とまで呼ばれるようになった。

「またそんなこと言って!これだから男バスは……」
「はぁ!?男バスは関係ないだろ。それいったら女テニだって……」

夫婦感が半端ないやり取りを聞きながら、毎日思うこと。

………正直、廊下の真ん中でやらないで欲しいんだが……

3:まさこ:2017/01/02(月) 23:56



それから暫く物陰から痴話喧嘩を観戦していたのだが、いつの間にか男バスと女テニの部員が総動員して部活同士の戦いにまで発展していた。まあこれも恒例のことなのだが。
しかし途中参戦してくる副キャプテン同士とその他数十名がデキてるという事実があるため、最早大人数でイチャついているようにしか見えない。彼氏いない歴=年齢の私は、たまたま強風が吹いて男バス全員のズボンがずり下がり女テニにドン引きされるところを想像して心を鎮めることしかできなかった。

「いや〜毎度毎度よくやるっすね〜」
「もう、恥ずかしくて見てられないですわ!」
「まあまあ、ああいう風でしか愛を表現できない人達もいるんだ……それをどう受け止めるかは、私達次第だよ★Hahaha!」
「な、永水の手によって壁が破壊されている!!町田止めろ!こいつ止めろ!!ついでにリア充は滅べ!」

いつの間に部員全員が集い、揃って足止めを食らっていた。さながら、デ●ズニーの100分待ちアトラクションで前に並んでるケンカップルを見ている気分なのだろう。恋人のいない私達は、思い思いに言いたいことを口に出していた。僻みじゃないったらない。

「……てかさ!こんなとこで時間食ってる場合じゃないだろ!このまま部活できなかったら厄介だぞ。もう部室もあんなんなのに……」
「「「「うっ……」」」」

この5人の中で一番オカンな山崎が、一番つついてほしくないところを容赦なくつついた。流石オカン。まあ、事実だから仕方ないんだけど……。

既に殴る蹴るの暴力沙汰になっている戦場の向こうで、私達合唱部の部室、もとい物置小屋がある。
かれこれ5年ほど、この名ばかりの合唱部は活動といった活動をしてこなかったらしい。私達の部活がこの薄汚い物置小屋になったのは、それによって部員が深刻なほど減少したことともう1つ。この学園はもとから部活動が盛んで、未だに新たな部活動が次々と進出している。その為、活動をしない部活に残り少ない空き教室を明け渡すよりはまだ別の部活に使わせた方が良いと判断した校長が、2年前に合唱部の部室をここに移したからだそうだ。

「いや〜、校長も酷いことするわな。たまたまとはいえ、意欲のある新入生が入った年に部室を移すなんてさ」

宮部の言葉で、ふと思い出す。入学式初日に入部届けを提出した私達を待っていたのはゴミ捨て場と化していた物置小屋だったこと。
そう、部室を移動させられたのは、丁度私達が入部した時のことだったのだ。
今や、廃部寸前というところをギリギリこの5人で守っているという状態だ。しかしながら、ロクな顧問も指導者もいない私たちは大会にも出場できないし。取り敢えず、毎日頑張っていますよーという誠意をアピールして廃部を免れている状態なので、全員の毎日の部活参加は必須なのだ。
それなのに、こんな所で部員全員が溜まっていると教師に見られたら……終いである。もう廃部だ。

「仕方ない、素通りで行くか……」
「ああ……」

5人全員が、渋々腰を上げた時のことだった。

「どわああああああああ!!!………って、町田!!」

廊下を勢いよく転がってきた榛名君と、私の目が合ったのは。

4:まさこ:2017/01/03(火) 00:00


すみません!!

「宮部の言葉で、ふと〜」のところ、違いました
正しくは、「永水の言葉で〜」になります。。
作者のくせにキャラ把握できてなくてすみませんでした。

次、登場人物紹介いきます!!

5:まさこ:2017/01/03(火) 00:27



町田 淵花(まちだ ふちか)
・高校2年生
・永水曰く、合唱部エース(笑)
・学校では大人しめキャラ(だと思っている)
・勉強はまあできる方。歌うの大好き。毎日カラオケに篭っていたい子。佐和ちゃんちょっと怖い。

永水 椿(ながみず つばき)
・高校2年生
・合唱部部長
・能天気。リア充に理解を示すようなことを言いつつ壁を破壊する非リア。
・歌うのは好きだね!勉強はできるよ!!

山崎 美月(やまざき みづき)
・高校2年生
・合唱部副部長
・オカン。努力家で真面目さん
・歌ってる時が気が落ち着くみたい。勉強は、まあできる方。

浅川 由月(あさかわ ゆづき)
・高校1年生
・合唱部
・黒ギャル。合唱部の中では割とまともな感じだよ!
・パパンがミュージシャンで、歌うのは得意みたい。だけど、好きになったのは最近のこと!勉強は意外とできる!!

宮部 亜里沙(みやべ ありさ)
・高校1年生
・合唱部
・お嬢様だよ!!
・お歌の教育も受けてたから、歌声綺麗ー!だけど、自分ではあまり好きではなかったんだって。でも浅川みたく、最近好きになれたみたい!頭いいぞ!まあお嬢様だからね!

榛名 直哉(はるな なおや)
・高校2年生
・男子バスケ部キャプテン
・頭いいぞー!割とガサツな性格!でもイケメンだから許される!!バルス!!

佐和 姫華(さわ ひめか)
・高校2年生
・女子テニス部キャプテン
・なんでもできる完璧美少女!!

〜余談〜

なぜ合唱部が割と頭いい奴の集まりかって?
廃部寸前の超評判悪い部活入ってるのに教師にいちゃもんつけられないようにするためだよ!!
テスト前は全員部室に篭って勉強三昧さ!
ちなみに作者の入ってる吹部もそうだよ!!(泣)


新着レス 全部 次100> 最新30 ▲上へ
名前 メモ
画像お絵かき長文/一行モード自動更新