ここは、小さな作品達が集う場所。
あなたも、お気に入りの作品を見つけてみてください。
リクエストなど、受け付けます。
____あなたは、王子に愛してもらえる自信がありますか?
「歪な人魚姫。」
「お願い…。助けて…。ねぇ、蒼くんっ…!」
ピルルルルルル…
ああ、また今日もあの夢だ。
布団から勢いよく出た僕、桐谷蒼(キリダニアオイ)は、目覚まし時計を止める。
僕は、ずっとこの夢を見続けている。
それもしょうがないことだろう。
僕は…____、友達だった、芳野澪(ヨシノレイ)を助けられなかったのだから。
「学校…行きたくないな」
高校生である僕は、少し不登校だ。
月曜日は行くと決めているのに、憂鬱な気分になる。
周りの男子達からは、「虚弱貧弱無知無能だ」とからかわれる。
そんな毎日が嫌いだった。
「仕方ない…行こう」
そう決断したものの、足が動いてくれない。
動け、と念じてもきっと動かない。
僕の脳が「行きたくない」と叫んでいるから。