急に短編をやりたくなったので来てみました〜
コチラが小説です↓
http://ha10.net/novel/1405329995.html
短編長編気まぐれなんでスレが落ちてるかもです
魔法の世界、異世界……
数ある小説を眺めてきた私にとって、現実と隣り合わせだと思っていた。
でもそれは――……
北海道からフランスまでの距離より遠く――
隣り合わせどころではないくらい
遠く、遠く――
存在すら確認できない世界だったんだ……
鋭い切っ先をした純銀の剣――……
相手を脅すような光を発する盾……
小説で見たのと同じ装備を私は今手にしていた。
おかしいな、交通事故で死んだんじゃ?
3分前、新刊を歩き読みしてたら車に跳ねられて死んだ。
新刊は読めないしその次も最終回も読めなくなった。
本当についていない――
と思ったら憧れの盾と剣を手にしていた。
黒い森のような場所で突っ立っている。
枯れた原木が横たわっていて、枯葉が膝まであった。
私は木更文奈。小説が大好き。
「わぁーっ、RPGに出てきそう!わぁーっ勇者〜」
「お前、何言ってんだ?」
背後から低く怖い声……大丈夫!私には剣と盾が――
「死神様を守るために勇者を殺す使命がある。まさかお前まで勇者側飲み方に?」
彼は鋭い目で私を睨みつけ、ため息をついた。
鉄の甲冑を装備し、弓矢を手にしていた。
「ここは生死の世界。ここで手柄を果たした者は生きて帰れるのだから頑張りなさい」
「生死の世界?それは……どういうことなの?」
生きているか死んでいるか分からない――?そんな世界が存在するの?
「生きても死んでもいない。死んだ後の唯一のチャンスなんだ。ここで死ぬと完全に死ぬ」
「!?」
唯一のチャンス……
まだ死んでいないってこと――!
私は要約状況を理解し飲み込んだ。
彼はまたぽつりぽつりと言葉を紡ぎ出す。
「ここは世界ではない。瀕死状態のお前の夢だ。手柄を立てれば目が覚める」
彼は冷静に解説すると、奥の方へ去っていく。
奥には勇者らしき人たちが金属音をたてて戦っていた。
「そうか!ここで生き延びれば新刊が読めるのかぁ」
呑気なことを考えていたが、重大なことに気づく。
私は目を潤しながら俯いた――
ど う や っ て 目 覚 め る の ? ?
手柄をたてるって?勇者を殺すって私悪魔側!?
責めて勇者になりたかったーくそー!
門番の先を追って行く内にそこにはレベル4のワンダーブリックでありそうな町並み。
武器とかが売っている店とか、薬局がひしめき合っていた。
「うわぁ、でもお金ないや……」
ポケットの中に数枚の銅貨とクシャクシャになった」紙幣があった。
「ここの国の通貨はルビーというのか」
私は値札を読み取り、素早く状況を飲み込んだ。
銅貨は1ルビー紙幣は50ルビー。
合わせて58ルビーしか持っていないということだ……
日本だったら駄菓子の1つや2つ買えるだろうに。
今の全財産は小さい小刀(剣)と鉄板(盾)、細い鉄棒(矢)ハンガー(弓)ポシェット、その中にあった麻糸。
58ルビーと日本通貨、180円。
「これでどうしろと……」
特別良い武器ではなかった。
ジャムを塗るようなナイフ1本と薄い鉄板だけで戦うらしい。
弓矢も期待していた程クオリティは高くない。
ハンガーに糸を張ったものと細い棒で敵を倒す。
私も一応女子だし、腕力はあまりない。
一生このままかな――……