北の方に閉鎖的な一つの集落がありました。
その集落では一週間に一度、決まった日に子供がひとり行方不明になるというのです。
その異変は突然始まりました。
集落の中でも大きな家に住む女の子がいなくなりました。
寒い夜に、突然消えたのです。
人々は必死にその子を探しました。しかし女の子が帰って来ることはありませんでした。
そしてその日から丁度七日たったころ、また一人の男の子がいなくなりました。
その男の子はやはり帰ってくることはありませんでした。
人々は周りを疑いました。
根も葉もない噂がたくさん飛び交いました。
また七日たちました。
人々は交代で見張りをしました。
しかしその甲斐もなく、また一人女の子が消えました。
人々の人々の間で噂はさらにたくさん飛び交い、一人の男が浮かび上がりました。
その男は今でいう欝みたいなもので、ずっと引きこもっていました。
人々は前々からその男をやっかいに感じていました。
そんなところに、この噂が入ってきたものですから、人々は疑いもしませんでした。