この世界の天気は可笑しい。
「理想的だよね。雨の降る空間に浮かぶ暁って」
「そう、ですか……?」
今日は酷い土砂降りの雨だ。しかし、
空と言う空間に浮かぶのは爛々と輝き夜を照らす月。
それを窓から、子どものように見ている目の前の少年には月が赤く見えている。
なんでも病気らしくて治る病気ではないらしい。まあ、本人もちゃんと把握していないから不明だが……
もうこの奇妙な天気にはもう慣れたが、室内で年中咲き誇る桜には慣れられない。
それに、彼の笑顔には何か含まれているようで、であって数年経ったら今も良く分からない。
「そういえば、明日もまた探しに行くの?」
「んー……まだ考えて中」
私の問いに彼は苦笑いをする。「そう、気を付けてね」何て言いはしたが、私は行って欲しくは無い。
彼によって選ばれた彼らはきっと辛い思いを背負う事になるし、彼自身の負担にもなると思う。
私には分からない。彼は何の為にあんな事しているのだろうか……?彼の目的は…?
まあ、そんな推理みたいな事をした所で、今の私にはとめられないが……。
「……僕といるのは嫌?」
私の方を見て彼は尋ねた。私は首を横に振る。
「そんな事無いよ。私が望んだんだもん」
笑顔は変かも知れ無い、でも良かった。深く追及しないのは彼の良い所である、欠点だ。
ふと、欠伸が出て自分の体が睡眠を欲しているのに気づく。
私は彼に「お休みなさい」と小さく笑めば、部屋を出た。
「…………諦めないで、ね……」
眠った心地の無い場所へ、暗闇へ、私の意識が堕ちていくのが感じられた__。
『 これを読まれているあなたへ
私は、大切な を一人失いました。
その友人は私と 様いじめられていました。そして、彼は死 でいました。
雨神高 という、田舎に る高校の くの使われてい いバス停で、とても穏やかな顔で。
そして今は廃校に っています。ですが可笑しいのです。
夜 、バイトの帰り道通っ ふと学校を見ると、何かがいるのです。
何かは分かりませんが、兎に角いたのです。周りの人に言っても、信じては貰えませんでした。
そこで、これを見ている方にお願いがあるのです。
そこへ行き、何かの正体を探って来ていただけはしないでしょうか?
今の私には確かめる事が きません
あれは、数日前僕、神前氷柱(かんざき つらら)が部長をしている「怪異研究部」に届いた謎の手紙である。
差出人は不明で所々血のような、赤黒い、変な物が付いていて読めず、最後の方は文字が確認出来ないくらいだった。
「んー…」
「……あの〜……氷柱センパイ?」
「?何」
手紙について考えていると、声をかけて来たは一年の二人の一人の女子、如月桜(きさらぎさくら)が一言。
相手からすれば僕の考え事は、色々無茶苦茶だから迷惑なのであろうが、僕からしてみれば考えている時に声はかけないでほしい。
「部長さん、桜ちゃんだって乗り気じゃ無いですよ。例の所に行くのは」
「でも……」
今度はもう一人の一年、夕霧 楓(ゆうぎり かえで)が何か言ってきた。
例の所、というのは手紙に記されていた廃校である。
調べると、そこが実在しているのが分かり、知人により、手紙の汚れが血だと言うのが発覚した。
明らかに奇妙だと言うのが分かり、調べない訳にはいかない。何もしないというのは怪異研究部の意味がない。
「で、でもじゃないですよ!!そこ心霊スポットって有名だし……」
「桜の言う通りです!行くなら部長だけで行ってくださいね」
「ビビり乙。君ら二人が行かないなら一人で行くよ」
二人の言葉を真っ向から斬る。何故ビビりがこんな部活に入ったのか理解出来ない。
「今度の5連休使って行って来るよ」
とある夕方の6時頃。僕はそう言い残し部室を出た。