昔話共同戦線

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1:もげこ:2015/04/18(土) 12:58


多分短編になりますのでこちらに投稿させていただきたく、スレ立てをいたしました。
はじめまして、もげこともうします。
拙い文章ですが何卒皆様、よろしくお願いします。
賛否、どちらでも評価してくださるとありがたいです。
それではごゆるりと。


の前に世界観だけ。
この小説は日本昔話の主人公達が集ってお茶したりお茶したりおちy...まあとにかくそんなお話です。
二次創作にあたるか、とも思ったのですが此方にいたしました。
苦手な方はブラウザバック推奨です、予めご了承下さい。

2:もげこ:2015/04/18(土) 13:19


昔昔或る所に、かぐや姫という、それはそれは美しい女性がいらっしゃいました。
なんでも、竹取の翁と云う御方が山へと筍を取りに行った時のこと。光り輝く丈を見つけた翁が、そっと光る竹を切ったところ、その中から泣き声と共に現れたというそれは珍しい逸話をもってらっしゃるような、兎に角この世のものとは思われない程の美しい御方だったのでございます。
成長する速度も人とは違っておりまして、瞬く間に美しい女性へと成長されましたかぐや姫は、琴や歌の才にも恵まれておりまして、ある時かぐや姫のご友人の姫方お二人とアイドルユニット、その名も「平安☆愛取る《アイドル》三姉妹」という名でご結成なさり、都の人々から大変な人気を集めておりました。

3:もげこ:2015/05/17(日) 04:16


さてさてお客様、この物語はかぐや姫様とよばれる世の人々に大変親しまれ、世の人々に愛される女性と、その女性を囲む仲間たちの愉快でどこか不思議なお話となっております。
さてさて観客の皆様、さあさあどうぞごゆるりと最後までおつきあいくださいませ。

4:もげこ:2015/05/17(日) 07:07

Prologue
side かぐや

梅雨。
この時期は世の人に好まれないらしい。
桜の咲く暖かな春が過ぎ、季節は夏。
毎年夏の初めになると花々をしとどに濡らす色とりどりの淡い紫陽花たちは雨の中で濡れて柔らかな美しさをあくまで控えめに、しかし艶やかに視界を占領する。

それに梅雨は豊かな恵みの雨でもある。
梅雨があるおかげで夏に取れる果物や野菜、お米は美味しいものとなるのに。
おじいさまが依然、梅雨のおかげで山ひ芝刈りに行くのも精が出るのだといきいきと語っていたのを思い出し、ふと笑みが漏れた。

ここはおじいさまの屋敷の一角、人目につかないような場所にある小さな庭。
自分で言ってしまうのはとても浅はかなことかもしれないけれど、どうやら私は世の中の人からすると美しい、と区分される存在であるらしく、様々な貴族や殿方が私の姿を一目見ようと毎日のようにこの屋敷におしかけてくるのだ。世間ではそれをカメコ、と呼ぶらしい。

連日のように屋敷へと押しかけてくるその様子は見ていてあまり気持ちのいいものではなく、私へ辟易してしまっていた。
いきなり恋文が矢に結び付けられて私の部屋のふすまに刺さっていた時は本気でストーカー被害、および脅迫罪か何かで顔も知らないどこかの殿方を訴えてやろうかともおもったし、またある時親しい友人と梅の花見に行ったときは「君は梅にも劣らない美しさ。ああ、僕になんとぴったりなんだろう!」なんて葉ががちがちに浮きそうになるくらい寒いセリフを言われてしまい、いまでもその友達との間では伝説として語り継がれている。
というかからかわれている。

そんなことがしょっちゅうあるので、心身ともに疲れるのは当たり前のことなのかもしれない。
そしてとうとう引きこもり生活を送る羽目となったのだった。そらまあ、ふすまに矢が刺さっている時点でそうすべきだったのだろうけど。あの時の私はことの重大さを把握していなかったのだ。体は大人になったといっても、精神的にはまだまだ未熟。要するに体に心がついて行っていないのだ。
それはまあ、いまでもかわらないことだけれど。

まあこんな引きこもり生活を送る私が今なぜゆったりとした心境で外の景色を眺めていられるかといえば、この季節のおかげ。
雨が降り続けると人は心もふさぎ込んでしまうものらしく、そいて何より雨の中を歩き回るのは嫌だからなのだろう、ここ最近屋敷の外に人だかりを見ることはなかった。

5:もげこ:2015/05/18(月) 19:02


なのでわたしは、梅雨の鬱屈とした季節が開放的で、すきだ。

朝から振り続ける絹のようなしい細やかな雨に打たれる蛙がケロリと鳴くのを眺めながら、そんなことをかんがえていた。

どこか散歩にでもでかけようか。
ふとそんな思考がよぎる。

いつも引きこもってばかりだけれど、本当は私だって外に出てあそびたい。
季節とともに変化する、色とりどりの世界をこの目でみたい。

私だってまだまだ好奇心が旺盛な子供。
それくらいは許されるのではないだろうか、、?
おじいさんやおばあさん危ないって反対するかもしれないけれど。

そうだ、二人には内緒で出かけよう。
そして暗くなる前に帰ってしまえばいいんだわ。

突発的な考えではあるが、ちょっとした冒険のようで、わたしの思考は空に浮かぶ雲のようにふふと浮き足立っていくのだった。


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