はじめての短編です(`・ω・´)
殴り書きですので温かい目で見てください(´・_・`)
ぼくのおばあちゃんは揚げ物を作るのが得意だ。
特に、おばあちゃんの作るコロッケは他のお店のコロッケの何倍も美味しい。
おばあちゃんはいつも熱い油の前で割烹着を着てぼく達のためにご飯を作ってくれる。
ぼくはそんなおばあちゃんの背中が大好きだった。
ぼくのお母さんは外国でお仕事をしている。
ぼうえきというのをしているらしい。
ぼくには難しくて分からない。
お母さんは1年に2回しかお家に帰ってこない。
ぼくは寂しかった、でも、そんなときおばあちゃんがぼくの大好きなコロッケを作ってくれる。
それで寂しさは少し紛れた。
ぼくのお父さんはぼくと同じで、おばあちゃんの作るお料理がとっても好きだ。
だけどお父さんはぼくと違ってカニクリームコロッケが好きみたい。
ぼくは「かぼちゃの方が美味しいよ」というとお父さんは「お前はまだおこちゃまだからカニクリームの美味しさは分からないな」と馬鹿にされた。ぼくはもうおこちゃまじゃないのに。
僕は中学生になった。
友達も以前より増えて、家にいる時間が少なくなった。
部活が忙しくなって帰りが遅くなってしまっても、おばあちゃんはダイニングで僕が好きなコロッケを作ってくれた。
コロッケの味は僕が小さい頃から何一つ変わらない、おばあちゃんの味だ。
中二の夏。
お父さんが不慮の事故で死んだ。
突然の事だった。
お母さんは予定より早く仕事を切り上げ帰ってきた。
暴走した車に撥ねられたと医者が言っていた。
即死だったそうだ。
お母さんは泣きながら「ごめんなさい」と連呼していた。
僕はまだ状況を飲み込めず、ただその場に立ち尽くしているだけだった。
中三の春。
おばあちゃんが身体を壊した。
働き過ぎだと診断された。
お母さんは海外の仕事を辞め、こっちで仕事をするようになった。
その頃から僕は家族といる時間が減った。
一人の時間が欲しくて、家族を突き放した。
お父さんが死んでから、おばあちゃんと僕の関係もギクシャクしていた。
今思うととても申し訳ない事をした。
本当にごめんなさい。
高二の夏
おばあちゃんが元気になった。
顔色も良くなり、前より働くようになった。
それに対して俺は家にあまり帰らなくなった。
毎晩友達の家で寝泊りし、折角母さんが入れてくれた高校も行かなくなった。
明け方家族にバレない様家に帰ると、心配した様子でばあちゃんがちらりと此方を見て「たまにはお家に戻って、しっかりご飯を食べるのよ」と優しい言葉を掛けてくれた。
けど俺は、その優しさに答えられなかった。
「俺に構うなよ!!」
冷たい言葉を発した。
高三の秋。
ばあちゃんが死んだ。
年の取りすぎだった。
ばあちゃんと最後に話したのはいつだろうか。
きっと高二の頃だろう。
もっと話しておけば良かった。
もっと優しく接していればよかった。
後悔しても遅かった。
もうばあちゃんは戻って来ない。
母さんが一通の手紙をくれた。
ばあちゃんからだ。
_親愛なる蒼太へ。
俺はまだ手紙を見ていないのに泣き出した。
擦っても擦っても涙が止まらなかった。
数年が経った。
大学を卒業し、俺は立派(?)な社会人になった。
一人暮らしを始め、この歳になってようやく両親や祖母がいないと何も出来ない事を知った。
本当に感謝している。
ありがとう。
最後に。
娘が産まれました。
本当にありがとう。