鶴前〜76年間の物語〜

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1:レモンミルク:2015/07/17(金) 21:14


登場人物

御景,鶴前(みかげ,つるまえ)
貧しい足軽,井上金次郎斉定とふねの次女
桜丸城城主,西城高虎の養女になるためわずか3歳で親元を離れ
およそ8年間過ごし11歳になると高虎の古くからの親友である大名,豊藤一之の次男,幸次の妻になるため嫁くことが決まった
嫁ぐ前日に実両親と面会,その時に名を「鶴前」と変えた。
幸次の元を嫁いでから一週間後,一之が幼少期から抱える持病が悪化してしまいわずか38歳の若さで他界。
幸次との夫婦仲は睦まじく誰もが憧れる存在であった。
後に3男4女と子宝に恵まれた。

豊藤幸次(とよふじゆきつぐ)
一之の次男,幼名,虎千代,御影の夫
15歳で産んだ側室,万姫の一人息子として生まれる。
そのご母が19歳で他界後,正室に育てられる。
10歳の時,御影と結婚,その後,3男4女の父になる。
幸次の愛人であり幼なじみ,りんとの間に男児がいる。
56歳で他界。

りん
幸次の愛人であり幼なじみ,2人の間に男児「雅丸」を産む,
雅丸は5歳の頃に体が悪くなり滅多に外に出る事はなくりんは息子に絵を教え絵師になることを決意してあげた。
その後,雅丸は丈夫な体を取り戻した,そしてその翌年,次の息子,「寿丸」がうまれた,寿丸が生まれてすぐ2人の息子を残し豊藤家から去りその後行方がわからなくなった。

西城高虎(にしじょうたかとら)
桜丸城城主,御影の養父

井上金次郎斉定(いのうえきんじろうなりさだ)
御影と阿国の父親

御国(おくに)
井上家の跡取り娘,御影の姉

2:レモンミルク:2015/07/17(金) 21:41


1590年,6月,足軽,井上邸
ある,2人の間に二番の娘がうまれた

「可愛い,ふねにそっくりじゃろう?」

「本当に奇跡だっと思うわ,ややは宝」

「阿国,おまえの妹だ」

「・・・わたしの妹・・・?」

その娘は御影とつけられた。
あれから月日が経ち,御影は3歳になった。

「 御影〜,はしゃぎすぎ」

「姉君,おはな」

「これは?」

「姉君が好きなお花」

「すいせん?」

「姉君は好きでしょ?花を」

「はい,御影」

「あの2人がいつまでも仲良しだっといいわ」

「・・・そうだな・・・」

「お前さん,なに黙り込んで」

「ふね,ちょっと部屋移そう」

ーバターンー

「えっ?御影を養女に出す?」

「うん,桜丸城城主,高虎様から手紙がきた,
「そちの2人目の娘を欲しい」っと書いてあった」

「そんな,御影はまだ3つ・・・」

「すまない,ふね」

「いつの日なの?」

「それが,明日」

「あっ・・・明日?いきなり」

「今日,御影に話す」

・・・・・・

「御影,話がある」

「父様?」

「なんだ?父上」

「そうか,国はもう9つだから分かるか?御影を養女に出す事にした」

「よっ・・・養女?御影は帰ってくるの?」

「わからん,いつ帰ってくるのかも」

「そうなんだ」

「御影,いいのか?」

「・・・父上と母様を支えたいと思うのじゃ,御影も大好きな人を支えたい」

まだ3つである御影が大人らしい言葉をいう。
その次の日,御影が桜丸城に行く日。

「母様,父上,言ってまいります」

そして桜丸城の家臣が籠を用意して待っていた。

「御影様,籠をお乗りください」

「娘様は大事に我々がお守りします」

「頼む,おまえら」


「母様,父上」

「御影,御影」

「御影,さみしい」

「姉君,また遊びにきます」

「そんな簡単にくるものか?」

3:レモンミルク:2015/07/27(月) 16:45


そして御影は西城高虎の元へきた。

「うわぁ,海が海が見えます」

御影は生まれて初めて海をみる景色
海はもちろん聞いた事はあるが山生まれなのでみたことがない。

ーガシャー

追加キャラ

いと
西城高虎の妻の乳母,さとの妹で御影のお世話かがりとして仕える。

「わたしは西城高虎様の妻に仕えるいとともうします,わからないことがわればわたしに聞いてください」

「はい」

「では,高虎様もお見えです,本丸に移動してください」

そして御影は高虎の元へ移動した。
これが初対面だ。

「高虎様,御影様がお見えです」

「いと,御影が来たか?」

「はい」

カシャン,バターン

「お義父上,始めまして井上御影と申します」

「おっ〜この子が御影かぁ?予想通りのべっぴんさんだ,幼ながらもしっかりしとるわ,お前」

「はい,なんでしょ?旦那様」

「御影をさらに立派に育っててくれ,わしは今から九州へ参る,しばらく5年はいない頼むぞ」

「わかりました,旦那様」

「では,またな?御影」

この高虎の妻の名は英姫といい子宝には恵まれなかったが側室の男子を養子にし育て上げた女性。

「義母上様,よろしゅうお願いいたします」

「そんなに他人のごとように言わなくていいのですよ?あなたの家になるですのよ,ですから自由に過ごしても構いませんわ」

「わかりました」

4:レモンミルク:2015/07/27(月) 16:58


その後,御影はあれから5年がたち7歳に
ある方がお見えになられた。

「御影を見に来ました」

「そなたは誰だ?」

「私は御影の姉,阿国と申しまする」

「では,通す」

・・・・・・・・

「義母上」

「御影,客が見えて其方に会いたい者がいる」

ーガシァー

「其方の姉の阿国様」

「久しぶり,御影」

「あなたはだれ?この人は私の姉?嘘だ」

「・・・・」

「本当よ?御影,母の言葉は間違ってない」

「嘘じゃ,嘘じゃ,こんな着物も古い姉なんかわからん」

「いいのじゃ,其方にとって私はただの知り合いの親友なのだから」

阿国には御影の元を去った。
御影の記録は阿国と暮らした時間は短く薄々と記録がなくなっていった。

そしてある方が帰ってきた。

ータァタァタァー

「お義父上,お帰りなさいませ」

「御影,見ない間におおきくなって」

「はい」

「まだ,ソナタを見たのは3つだな」

「義父上,それは?」

「これは其方が嫁に行く時に行く着物じゃ、用意もしなければ」

「有難いです」


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