「 傘は差さずに、一緒にかえろう 」
→ a short story
生きている人にはみんな価値があるって、そんなの、絶対嘘でしょう。
お友達だったはずの子にも逃げられて、恐れられて。本物の私を見たら、みんな悲鳴を上げて何処かへ行ってしまうもの。こんな私、価値なんてないわ。
「やめて、こっち来ないで! 怖いよ、誰か!」
ほら、また。さっきまで、笑顔で話してくれていたのに。――そんな目で見ないで。私がなにをしたっていうの。なにも、してないわ。
悪いのは私じゃない。私自身じゃない――私の、この醜く爛れた脚。最近じゃ、骨まで見えるようになってきてしまった。見たくない、見たくないわ。こんなの、私じゃない。
考え事をしている内に、お友達だった子は、私の家から逃げちゃった。やっぱり、ダメだったわ。
「私の、本物のお友達――愛をくれる、お友達」
それが、欲しいの。
それだけでいいの。
それだけで私は、救われるから――