勇者、ナレーターの物語。謎の怪物達が出回るスクエア地方で、仲間を引き連れて冒険をするはずだったのに…怪物が弱すぎてすぐに終わっちゃう感じです
2:Risa 1306:2016/05/26(木) 23:09 太陽の光がちらちら漏れる森の中。
「ガア¨アアアアァァァァァァーーッ!」突如、おぞましい鳴き声が響きわたった。怪物がやって来たのだ。あの鳴き声からしてただ者ではない。普段はそよそよと風に揺られているだけの葉っぱたちでさえ、皆ざわざわと騒ぎ立てている。森の中にいた年よりの木こりも、獣のような鳴き声とともに、逃げていく動物たちを見て、様子がおかしいことに気づいた。しかし、もう遅い。自分の切った木の正面で、なにか大きいものが動いたのが、はっきり見えたと思ったら、怪物は突然目の前に姿を現した。木こりは、恐ろしい生物がすぐ近くで自分を見ているという恐怖で、汗をたらたらと流して地面に座りこみ、「おお神よ…お助けを…………」と、涙声でつぶやいている。吹き荒れる風の中、怪物は、目の前にいる大きな獲物をとらえたい一心で、木こりにとびかかった。木こりは目を瞑り、汗だくの手を組んで、消え入りそうな声で「お助けを………」と祈った。その時だ。
「…止めろおおおおおおーーっ!」