拒絶され続けても伸ばし続けた手、紡ぎ続けた言葉、願い。
疲れたんだ、もう。怖いんだ、誰かの温もりに触れることが。
吹き出した血は止まることを知らない。痛みなど麻痺して分からない。
恐怖は簡単には取れない。怖がらないなんて無理だ。
表面上だけ、表面だけでも強がって。裏側なんて誰も覗こうとしないんだから。
臆しちゃいけない、屈しちゃいけない。自分をまげてはならない。
屈辱と淋しさを紛らわし、作った私の虚像。
本当の自分を晒しだすことはできなくて、本物をウソに作り替えた。
ウソを本物にするために、もうそろそろリスタートしようか。
最後まで嘘だとバレずにいられるだろうか。いつかは、見抜かれるだろう
1周目のコースを覚えているだろうか。いや、覚えてなくてもいい。
走り始める準備はもうできた。後はスタートの合図を待つだけ
耳から離れない、あの銃声。
スタートする覚悟を決めたとき、居てくれたのはあの人だった。
憧れの存在。見えるのは、前を走るあの人の背中だけ。
走るために背負ったものは過去だけじゃない。
今までに負った傷も、それに伴う痛みも。これからの希望と、憧れの存在。
すべてを棄てるにはまだ早い。だからまだ諦めない。
途中できっつい上り坂が来るかもしれない。
そのとき、確かに背負ったものは負担でしかないだろう。
それでも、上り終えたときの達成感も、そこからの綺麗な景色も知ってる。
希望はまだあるんやで。
友情も、感情も、全て忘れて捨てられたとしたら?
希望だけを残して、なんて器用なことはできないけれど
確かに少しは軽くなるんじゃないかな。