どうもこんばんはぜんざいです。
私、思ったのです。書きたい作品が多すぎて、その分だけスレを作ると数がとんでもないことになるからどうしようと、完全に無駄だぜ? と。そして答えがこうなりました。
もういっそ全部引っくるめて自由に書いてしまえと(
終着点がここなのです。
なので、とにかくひたすらジャンルバラバラの夢小説書きます。
コメント及び感想待ちます! 小説投稿はやめてほしいんだぜ?(⊂=ω'; )
まあ簡単に言うと、私の落書きのようなものなので、他の人は感想だけということになりますね。うわあ上から目線だぁ! 恐らくコメントには感涙します、めっちゃなつきます。ビビります。
ジャンルは大まかに言えば、wt、tnpr、妖はじ、turb、krk、FT、中の人、FA、mhaです。
これからも増えるだろうと思われる模様。
2ch的なものも出てくると予想されます。
これまでの上記で『2chやだ!』「作品がやだ!」「ぜんざいがやだ!」言うからは目がつぶれないうちにご帰宅or gohome(΅΄ω΄→ ハヤク!
2ch系では顔文字や「wwww」表現が出るかと思われます。嫌な方はブラウザバック!
それでは、そしてーかーがやーくウルトラソheeeeeeeey((
文的にうるさくてすいません。
.
おお!少年漫画という事は、サンデーやマガジンもですか!
銀魂なら好きなキャラは誰ですか?
それと、ヤングジャンプって漫画雑誌ご存じですか?
週刊少年誌四大タイトルをよく読みますね。
銀魂なら高杉さんです。高杉さんかっこいい。
ヤングジャンプ…は、知ってますが読んでないですね。
**
二週間後、やって来た雄英体育祭に三年生は最後のチャンスと心を踊らせている。特に俺は一応三連覇が掛かっているのだ。
終わった俺の選手宣誓に周囲からのギラギラした視線を鼻で笑って跳ね退けて、ズボンのポケットに手を突っ込む。負けるつもりは毛頭ない。一位以外に興味はない。隣の零さんは体操服の上着のチャック全開でブイネックから覗く鎖骨を見てはあはあ言ってらっしゃる。つーか近ぇ。
「壱己くんの鎖骨がエロ過ぎてかっこいい。好き、ホント好き」
『いつも以上に露骨だなてめーは。息整えろよ、はあはあうるせえ』
「ねえねえ! 霧崎さんは今日も通常運転だね! なんで?」
「こんな大観衆のなか、相変わらずなのはすごい……」
「いつも通りが一番ってことさ!」
やって来たビッグ3に『お前らもかよ』と眉を寄せる。「当たり前じゃない」と平然と腕を組んだ零さんは口を開いた。嫌な予感。
「だって私は壱己くんの勝利の女神だもの」
『……』
「「「えっ、否定してない」」」
**
入場前の控え室で待機しているよりも前。いりくんだスタジアムは人気のない通路が多い。そんな中で、俺は零さんに呼び出されていた。
『…なんだよ』
真剣な彼女の顔に改まるような内容だと察した俺は静かに言葉を待っていたが、急に右手を彼女の両手で握られて当惑する。表面には出さないように努力はした。
「……最後の体育祭だから」
『……ん』
帝王
「きっとみんな“貴方”を倒そうとするの、よってたかって、絶対に」
『だろうな』
そんなもん覚悟の上である。俺の印象は良い方に傾いてはいるが、こんな性格だ、よく思ってないやつもいる。今年の一年A組がB組一部と普通科のクラスに好かれてないように。俺も、万人に好かれている訳じゃない。
「私、」
俺の手に注いでいた視線をふと俺へめがけて見つめてくる。真正面から見える彼女の顔はやはり整っていた。一見冷たい印象を受けるつった目付きのアイスブルーに、口を真一文字にした、半分顔に火傷のある仏頂面の俺がくっきり映っている。相も変わらず、俺を真っ直ぐ見ている目だ。俺はこの二年できっと、最初はこの目に惹かれただろう。本当に、良くできた美少女である。
「……私は、貴方が負けるところなんて見たくないからね」
『負けねぇよ』
即答した俺に少し目を見開いた零さんに微かに微笑んで『変態でも一応俺の勝利の女神だからな』と頭を撫でた。
『優勝して帰ってきてやる。そんで、ちゃんと返事をする』
「……うん」
「二年経ったわ、待たせ過ぎよ」と不服そうに言った彼女からはまさにその通りだと笑顔で目を逸らした。
.
成る程!高杉さんですか!声が子安武人さん!カッコイイです。
そうなのですか!それでヤングジャンプでは干物妹!うまるちゃんが好きです。そしてそのうまるちゃんがアニメ化されたの超嬉しいです。そしてまさかヒロアカとうまるちゃんが制作会社が同じTOHOanimationなのに驚いちゃいました!
あ!干物妹!うまるちゃんはこういうあらすじでございます!
学校では成績優秀!スポーツ万能!才色兼備で老若男女に好かれる女子高生!土間うまる!だが家に帰るとゲームや漫画でグータラ過ごす干物妹(ひもうと)!それを知っているのは兄のタイヘイだけ!というギャグ漫画!日常コメディです!
うまるちゃんはこちらです。
干物妹(左) 美妹!
https://ha10.net/up/data/img/23269.jpg
あ!これ私が書いた小説でして!私のオリジナルでは有りませんよ。ただなりきりスレのロルや会話をそのまんま写しただけで!
とりあえず!ご鑑賞下さい!
https://ha10.net/test/read0.cgi/ss/1516580052/4
後、なりきりスレというのはこちらでございます!
http://m.saychat.jp/bbs/thread/629724/
マメツキさんも楽しんでいただけるかと、もし良かったら参加とか!ヒロアカとかありますし。あなたならロルとかレス、とっても上手だから楽しみたくて。うっとうしかったらごめんなさい!
紹介ありがとうございます! 鑑賞させていただきますウォォオ!。参加はしないですけど、楽しんで読ませてもらいますね!
**
予選の二競技、妨害有りな4人一組の玉入れと本選出場を決める単純なトーナメントが終わり、本選も終了。優勝したのはもちろん俺だ。開始前の零さんとの約束もあるし、何より三連覇したかった。返事するっつったし。今考えると絶対言うってことになるよなうわ恥ずい。
表彰台の一番高いところに乗ってインタビューを受ける俺に、遠くから頬の緩んだ零さんが見える。傍らにはにやにやした夜久とにまにました通形、そわそわしている天喰と波動。絶対零さん漏らしたパターンだな。なんで広めんの……。内心はちょっと半目になって唸っているが、今は全国放送のインタビュー中。気を緩めてはならない。ならないのだ。根津校長にずずいとマイクを寄せられ、最後に! と締め括りを要求され、にこ、と笑ってマイクを受けとる。
『あー、俺が最初に優勝した一年の体育祭で、今呼ばれている『帝王』のこと言ったこと覚えてる方いらっしゃいますか。あ、わりと居ますね、ありがとうございます。二年前の俺って『帝王』の名に恥じない風格や雰囲気に成長したいと言った気がするんですが、今もその勇名に相応しい実力を身に付けたかは、今の自分ではわかりません。だからこそ、もっと上を目指して研鑽を積み重ね、プロの方々からもある種俺が誇りを持って掲げている『帝王』と言う、その勇名を認めて頂けるように、それこそ我が校の校訓『Plus Ultra』の精神で実力をつけ、頑張っていきたいと思います』
営業スマイルと言うか世間用の笑みのまま言い切ると、一部角の席からきゃーと声が上がり、せーのと聞こえたあと「爆豪くーん!」と大きく歓声があげられた。一年の後半になって誰かが立ち上げた本人非公式巨大ファンクラブである。三年の女子の半分と二年の女子1/3が入会してると聞いたことがある。最早組織じゃねぇか。なんか零さんがちゃんと許可してるらしい。
撮影許可とかファンクラブ活動とかを認めてるっつってた。ねぇ俺は? 肝心の当事者は? 当事者全く知らずに許可とかドユコト? ねぇドユコト? これ二年の時も似たような自問自答した覚えあるわ。これが巷で噂のデジャヴか。うわあ。
対応に困ってそちらに苦笑いを向けると、「あ¨っ」と低い声が響いてバタバタバタと何人かが倒れる音がした。ぎょっとする。訳がわからない。そちらで「担架担架!」「撮影班さっきの苦笑い撮った!?」「バッチリです隊長!」「誰かティッシュ一枚ちょうだい! 鼻から血が止まらないの!」「A型の血液分けてぇ……!」と言う騒ぎが起こっている中、敢えてそれを放置してマイクを校長に腰を屈めて返却する。
「思ったよりクソ真面目でタメになる言葉だね! 以上、雄英体育祭三連覇を果たした帝王、爆豪壱己くんだったのさ!」
『お疲れ様でしたー』
カメラに向かってひらひらと笑顔で手を振る。クラスメイトからの視線が「全国放送だからか営業スマイルだ……」とひしひしと伝わってきた。たりめーだろ営業スマイル超得意だよ。前世で笑顔で圧力掛けんの憧れてたしな。要するに練習したわけだ。
体育祭後のSHRも終わり、誰も彼もが既に帰った教室で、約束を果たすために俺は零さんと向き合っていた。
「私の言いたいこと分かる?」
『二年も待たせてすんませんした』
「本当ね」
でもそれは零さんの変態的要求が原因なんだぞわかってんのかと言えるほどいつものふざけた雰囲気ではないのは理解している。少々強ばった顔をする彼女を不思議に思いつつ、ずっと考えていたことを口にした。
『二年もお前のこと見てきて、色々わかったわ』
「…何を?」
『お前ほんっと俺のこと大好きな』
「そうね、愛してるわ」
『う、』
「重たい?」
不安そうに覗き込んできた零さんに目を逸らしてふるふると首を振る。
『いや…そんくれぇが一番安心出来る』
「安心、」
開始前にしたように彼女の頭を撫でて『好きだよ』と笑うと、零さんはじわじわと目に涙を浮かべてきて焦りが滲む。うつ向いて俺の胸元に額を擦り付けた零さんは「…おそい」と掠れた声で呟いた。
参加しない・・・ショック〜!楽しい場所なのに。あ!ちなみに小説どうでしたか?私が書いた
308:マメツキ◆A.:2018/02/12(月) 00:39 ID:4z. 雄英体育祭も無事終わり、高校進学祝いで貰ったもののひとつ、テレビにて自室で録画していた一年の体育祭を拝見した。ら、あらまぁやっぱり今年の一年やべぇなってなった。前世の記憶とかは別にして素直に。半冷半熱とか言うチートな複合型の個性を持つやつは居るわ出久が分かっていたがオールマイトから貰った個性でぼろっかすになっているわ、触れた相手の個性を五分間コピーする個性持ちは居るわ。たったの五分とか言われてるけど戦場での五分とかなげぇからな。肝が据わってる性格からか、煽るのがすげえ上手い。俺の次位に上手い。物間か。マークだマーク。
問題は勝己だろ。なんだあれ。漫画で知ってるとはいえなんだあれ。ありとあらゆる拘束具でがっちがちに縛られてんじゃねーか。我が弟ながら情けない。
『なーんてこの俺が言うと思ったか! よくやったおめでとう勝己ー!』
「うっぜえわ!」
音もなく階段を降りてリビングの扉を開け放ってソファで三年の体育祭を見終わったらしい勝己にばっ、と腕を広げて飛び付くとサッと避けられた。避けられた兄さんは悲しいぞ。なぜ俺がソファにダイブしなければならない。回避して距離を取った弟に恨みがましく視線をやると鬼の形相で睨み付けられて挙げ句「クソキモいわ!」と怒鳴られた。
『可愛い可愛い弟にキモいとか言われて今俺の心に何かが刺さったぞ、心的重傷だぞ』
「可愛いとかきもちわりぃわ! 行動がねーわ!」
『俺も思った、お前に可愛いとかねーわ。せめて言うなら猛々しい』
『っぜーわ!』
『わんわん吠えんなうるせぇな』
がうがう言いそうな程吠える勝己にソファに転がりながら「でも表彰式のあれはねーな」と言うと一気に静かになる。鋭い舌打ちして視線を逸らした勝己は『あのな』と呟いた。
「俺が取んのは圧倒的な完膚なきまでの勝利だったんだよ!」
『俺か』
背もたれに背を預けて肘おきに腕を置きながらポツリと理由を述べるとぐっと言葉に詰まる勝己はきっと俺に隠し事は出来ない。図星か。もっと上手に隠せよ、ヒーローは動揺を悟られちゃいけねぇんだぞ。
『本来なら、お前は俺が居なくてもそう言うだろうな』
「…んだそれ」
『お前さ、俺と比べすぎなんだよ』
俺とお前がちげぇのは当たり前なんだぞ、と告げると勝己はぽかんとしたあと、ギッと睨み付けてきた。こういうところでよくも悪くも素直と言うか。
「俺が、」
『出来損ないなんて言うなよ、お前は優秀だ。お前ほど出来た才能を持ったやつを俺は知らん。それに俺と違ってヒーローの素質がある。顔の凶悪さを除けば子供にだって人気が出るさ。きっと俺より強くなる』
は、と言うような顔をする勝己に『俺はヒーローになる気なんざ無ぇわ』と言うと、「は、」と抜けた声を出して固まった。
『分かるか。俺とお前の違いは二つ。一つ目は目標だ。目標があると人は成長する、そういう生き物だ。お前はヒーローになると言う目標がある、成長の見込みがある。俺はヒーローになるなんて御免だ、だからきっとこれ以上は成長出来ねえ』
「な」
『二つ。実力の近い奴等が居ることだ。人間、追い付かれたくない追い抜かれたくない置いていかれたくない。こんな感情を持つはずだ。追い付きたいから努力する。追い抜かれたくないから努力する。追い抜かれたくないから努力する。無意識にだ。そうして周りのレベルは上がって自分も比例する。俺は実力が近いやつを知らん、負けたこともない。きっとその分挫折が大きくて立ち直れない』
呆然としたような勝己は棒立ちのまま、「なんで、ヒーローになるための学校に、テメェがいんだ」と言葉を漏らす。苦笑いしてこう答えた。
『怖いからだ』
「は?」
『だって、怖いだろ。
襲われるかもしれない、どこかで恨みを買うかも知れない。そんなときに個性を使ってはいけない、そんな法律だ。敵にはなりたくない、でも個性は使いたい。俺はヒーローになって他人のために命を削るなんて御免だね、痛いのも苦しいのも嫌いだ。親しい周りの奴だけ守れりゃそれでいい。他はきっとお前らが補ってくれる、そう信じてるから、俺はヒーローになりたくない』
「……勝手なんだよ」
背を向けてリビングを出ていこうとする勝己は最後に「兄さんでも怖いもんがあるんだな」と呟いた。
すみませんまだ小説とか読めてません! なりちゃは見てきましたけど!
310:マッキー◆5A hoge:2018/02/12(月) 00:43 ID:F6gそうなんですか!あ!唐突にすみませんが、あのなりチャの問題出しますね。うまるちゃんが、初めての男友達になったヒロアカキャラは誰でしょうか?
311:マメツキ◆A. hoge:2018/02/12(月) 01:52 ID:4z.すみません……ややこしすぎてそこら辺はよくわかってないです。
312:マッキー◆5A:2018/02/12(月) 02:56 ID:F6g それじゃヒントを、あなりチャのレスで、62から90のを見ればわかります。
それで参加したら楽しいから誘ったけど。後また新しい小説書きました。
とりあえず、これは雑談に入ると思うので少し控えましょうね。
**
期末テストも終わり、勝己が林間合宿に出発した。ここで勝己拐われるんだよなあと心配になりつつもまぁ無事に帰ってくるからいいかと結論付けた。
あの俺の衝撃告白から、勝己は普通に話すようになった。というか、若干なついた気さえする。どうした。お兄ちゃん弟の心境がわかんねーわ。
あとオールマイトだよなあ。あれだ、実はもうギリギリだったみてえな。うわー、勝己へこむやつー。俺は別に憧れになんかしてなかったからなあ、ああそう、まじかーくらいにしか思ってないわ。正直ゴメンと思ってるよオールマイトでも興味が湧かないんだ。
「私を前にして何ぼーっとしてるのかしら、壱己くん」
『あー…弟が林間合宿行ったから怪我してほしくねーなって』
「……ホントブラコンね!」
怒鳴ってむすっと顔を逸らした零さんに苦笑いを漏らすと「ここ違うわよ」と鋭い声で問題用紙を指差される。あ、計算式めちゃくちゃだ。
零さん。なんというか、付き合い出してからあの変態要求は成りを潜めている。これもっと早くに付き合った方が良かったんじゃねーのと思うぐらいにはそう思わざるをえない。マジか。可愛い。
消しゴムで消して元の計算式に戻し、ドヤ、と顔で訴えると恍惚とした顔をされたのでちょっと距離を取った。こういうとこはあまり変わったように思えないんだよな! 直せよ!脳内で喚いても意味がないなんて知っとるわコルァ!
尚、現在は夏休み明けのテストに向けて零さん家で勉強中である。とりあえず暑いのは分かるけど俺が居るのにタンクトップと短パンにニーハイはやめてくれ。薄着だなおい。なんかもう色々やめてくれ。何回も何回も続くとわりと堪える。
『零さん狙ってんですか誘ってんですか』
「わぁ変態」
『いや俺お前にだけは言われたかねぇよ!?』
「変態」
『二回も言った! 二回も言った!!』
「誘ってんのよ」
『やっぱそうなのかよ!!! 何回目だ! 手ぇ出さねぇつってんだろ!』
「意外とプラトニック……」
『っせーわ!』
.
そうでした。すみません。それじゃあ難民板にあるスレに来てくれないでしょうか?アニメオタクが入るスレに、規制された人達様にもと建てて。
315:マッキー◆5A hoge:2018/02/16(金) 21:45 ID:F6g こちらなのです。
https://ha10.net/test/read.cgi/nanmin/1518453510/l50
雑談を主体にする時はこちらに。
そうしますね!
317:マメツキ◆A.:2018/02/18(日) 00:31 ID:XP2
バタバタと慌ただしく日々は過ぎていく。合宿先を変更しても敵に襲われた現実、勝己がさらわれた事実、敵にオールマイトに対抗でき、それ以上の力すら持つ実力の敵がいた絶望。オールマイトが既に戦えない体だったことが知れ渡った虚しさ。
そのいずれもが俺の知識に有るように過ぎていった。
帰宅した勝己は、警察に外出禁止を命じられている。まあ確かに敵の狙いだった訳だし、そんなのが町をうろちょろしてたらマスコミに襲われるわな。
予め録画していた相澤先生の会見を座椅子に座って某有名かき氷的なソーダアイスキャンディーをしゃぐしゃぐ食らい付きながら見ていたわけだが。
バンッ!
『っ!』
扉が勢いよく開けられ、肩を跳ねさせてげほげほと蒸せながら爆音の原因を涙目ながらに睨み付ける。下から「うっさいわよ!」と母の怒鳴り声が飛んできた。ごめんな、けど俺じゃねえんだ母さん……。
『げほっ、勝己……!』
「……」
『お前どうしてくれんだ! アイス落ちたろうが! んの馬鹿!』
「知らんわ! 何にキレとんだ!」
いやうん、ごもっとも。ごめん弟よ。
ビビって手から離れたアイスがフローリングへ見るも無惨にべちゃあしている。俺のアイス……。まぁ勢いよく飛んでうまいことカーペットには落ちなかったのが幸いか。
立ち上がってティッシュでアイスの残骸を拭っていると、俺が座ってた座椅子に勝己がどかりと腰を下ろす。おいこら。
しかたねーなとあからさまに溜め息を吐いてベッドに腰を下ろした。あっ、テレビ消しやがった。
『……で、敵にさらわれて万国人間ビックリショーみてえな体験してきたお前がどうした珍しいな俺の部屋に来るとは』
「……」
『……いや、なんか喋れよ。突っ込めよ、万国人間ビックリショーってなんだよって元気よく突っ込めよ突っ込んでくれよ、俺クソはずいだろ』
「うるせえっ!!!!!」
『てめーがうるせーよ』
やれやれと首を振ると、ぐぬぬと勝己が俺を睨み付けたあと、「……デクに助けられた」と呟いた。
『ははあ、出久が……』
「……切島にだ!」
『どっちだよキレんなよ……』
くわっ、と顔を般若にした勝己に呆れた視線を向ける。ホントお前出久嫌いな。内容的には出久たちに助けられたオールマイトたちに助けられた出久がオールマイトに認められてんのに俺はオールマイト終わらせちまった出久とオールマイトの間には何かあるどうしたらいいお兄様って感じか。脳内でまとめてたら「……変な風に変換してんじゃねーぞ」と底冷えするような声で言われた。ごめんお兄様は無いわ。
『……とりあえず、その切島に暗視ゴーグルの金額返しとけ。聞く限りお前を助けるためのもんだろ』
「ん」
『あと、オールマイト関連は……聞く相手を間違えてる。俺は出久でもオールマイトでもねえ、出久とオールマイトに聞け。俺が言うとお前の為にならん。そっからは勝己が決めなさい』
「俺が言うと……兄さんは、全部知ってんのか、全部」
『……』
その質問に関してはどうだろうなと苦笑いして誤魔化した。
.
それじゃあ来てくれますか?
319:マッキー◆5A hoge:2018/02/18(日) 22:02 ID:F6gあ!それで良いでしょうか。ヒロアカキャラで好きなのは誰ですか?
320:マメツキ◆A.:2018/03/31(土) 01:45 ID:6Uc 唐突に再びネギまののどか落ち男主の続き。
**
リョウメンスクナノカミの戦いも終わり、このかと刹那のすれ違いやエヴァ嬢の観光に付き合わされつつも無事麻帆良に帰還。
のどかのアーティファクトはいどのえにっきと言う超激レアの奴だった。なんだよ心が読めるって……すげえ。
途中、ネギとアスナの大喧嘩に伯爵級の悪魔の襲撃や犬上小太郎が仲間入りなど語りきれないほど。
ま、最近はほとほと平和です。ちょろっとのどかと話すことが増えたり一緒に居ることが多くなった気はするけど。……悪くない。俺マジでドウシヨウ。二学期まで待ってって言ったけどさ、うん。必要ないかも。
学園祭門の建設を見てそろそろ学園祭近付いてきたなと思った矢先、なんか学園長に呼び出されたかと思えばなんだよもう22年に一度の世界樹大発光が一年早まったって。なんか最近あの、世界樹の所で告白したら叶うみたいな話あったじゃん? 22年に一度は本当に叶うらしいんだが、それが来年じゃなくて今年になったから、マジで叶うから止めてねって訳だ。人の心を操る魔法は違法だしわかるけどさあ。告白ぐらい好きなところでやらせてやれよ……いやダメだ。もし男子中等部の奴がのどかに告白してみろ、無条件でのどかはソイツに惚れて……うわ無理絶対ぶん殴りに行ってしまうわ男の方に。マジでこれは阻止せねば。
『……うーん』
「ちょっとーっ! 唯一の男の子! 唸ってないで腕動かしてーっ!」
『名前呼べよ……』
脚立に座って腕を組んでたら下から明石に叫ばれた。俺今なんか知らんが髭と猫耳つけて作業してんだけど。当日店に顔出せないなら宣伝しろとかで猫のコスさせられるらしい。女装と際どいのとあまりにもふざけたやつ以外なら俺は基本なんでもいいからそこら辺は任せてる。やってもらってるので文句は言わないと言ったら早乙女に「そんな誠実に言われたらふざけられないじゃん! もー!」とぷりぷり怒られた。ふざけるつもりだったのかよ……釘さしといてよかった。
『……のどか、これ放課後もやるのか』
「そ、そうだねー……時間足りないみたいだし……」
『そうか……』
.
ああそうだとばかりにのどかに脚立の上から声をかける。
『のどか』
「え、な、なぁに?」
『事情があって最終日は無理なんだが……初日、二人で学園祭回ろうか』
「……」
あれ、返事が返ってこない。ぱっと下を見ると「う、うんっ! 回ろう!」と小声で言われた。うわ、のどか赤い可愛い。待て俺そろそろヤバイぞ、頼むから二学期まで落ち着いてろよ俺。
幸い周囲が騒がしく俺たちの会話は聞こえていなかったらしい。邪魔はされないなとほっとしつつ断られなかったことに安堵する。ほっ。
**
やって来た学園祭当日、なにやらネギ先生はまほら武闘会に出るらしく。一応誘われたが多分面白くない結果になると思うので遠慮しておいた。俺一人勝ちしそうだし。
朝から見回りを言い渡され3-Aからコスを押し付けられて着替えてみたらなんと言うか、うーん。黒のタートルネックのインナーに二の腕までの黒いロンググローブ、赤と黒のコート、グレーのカーゴパンツと通常のローファー。これは猫のイメージに合うのだろうか。あいつらが決めたんならそうなんだろうな……文句は言わない。
午前中はその姿のまま見回りをして、やって来た4時。のどかとの待ち合わせの時間である。とりあえず猫耳と髭は外してコートを脱ぐ。緑のハーフパンツを着用してとりあえずタートルネックインナーの上に黒のワイシャツ。
噴水のところに行けばのどかがいた。早い。
『……悪い』
「え、あ、大丈夫! まだ30分前だから!」
私もさっき来たばかりだしー……と呟くのどかにほっとしてから彼女を眺める。うん、可愛い。
さぁ行くかと言ったのち似合うなあとこぼしたら微笑まれた。くっ、可愛い。なんか俺可愛いしか言ってないな……。
.
太刀名『杯』
のどかと無事回り終えて、訪れた最終日。いやはや、デート最後の別れ際もう一度告白されてからキスされるとは予想してなかった。固まったのは記憶に新しい。なんと言うか、のどかは行動力がある気がする。
この数日。いくらか目が回るような感覚はあれど影響はないからなんだろうとは思っちゃいたが……うーん。流石にタイムトラベルを日に何度も行っていたとは思わなかった。今にして思えばのどかとデート(?)中に一度遭遇したあいつらはちょっと挙動不審だった気がする。
そして最終日なんだが……。
「いおりさん! 下の火星ロボット全て任せて大丈夫ですか!」
『楽勝。任せてくださいネギ先生』
がしゃんと猫耳のあのコスを着て杯を肩で支える。
どういうわけか超が謀反を起こしたらしい。なんか、世界樹の魔力を使って世界中に強制認識魔法を掛けて『魔法使い』の存在を世に知らしめたいとのこと。まぁ、見逃す筈もない。監督責任のあるネギ先生は当然オコジョにされて強制送還、他の魔法先生や生徒も同様。つまり俺もだ。それは困る。
そして現在最終日イベントとしてやっている火星ロボット撃退的なあれ。超一味の作ったロボットが多すぎるから企画としてのりのいい一般人に倒してもらおうと言うことだ。ばれないようなハンドガンは学園長が、企画変更はあやかがやってくれたらしい。流石雪広財閥次女。当初かくれんぼだとか聞いてた気がするけど変えてきたのか……。
そういう紆余曲折を経て俺はヒーローユニットとして杯を振り回している。ネココスで。
つい先程超は上空2000mの飛行船にいると言うことでネギ先生に下を一任された。とりあえず、まぁ、のどかが三時間先に送られちゃってるんで。その他大切なクラスメートたちも何人かやられてるらしいから。
『一掃させてもらう!』
杯を一振りしてみんなが辟易していた巨大ロボットを炎と共に蹴散らす。世界樹の魔力が溜まる六つのスポットを守るのが俺たち防衛ライン。そして既に俺がいる世界樹広場前以外は敵の手に落ちている。……恨みはあるが何がなんでも守り通させていただこう。
『紅施し!』
少し昔話をしよう。俺は実の父親に鳳凰、朱雀を体に取り込む実験の実験体にさせられていた。何より己の悲願のため、俺が一番適正が高かった為に他の子供が準備に使われたのだ。結果、充分なデータを集めたクソ野郎は、体内へのゲートを開くため俺の背中に大火傷を負わせてその二体を俺の中に注入した。
それからはまぁ、怒り狂う二匹との体の主導権の奪い合いで。そのたび流れ込む二匹の記憶と魔力にうなされては勝ち取り、結果俺は勝った。二匹の膨大な知識と魔力と能力を手に入れたのである。三日三晩魘されていたらしい。歓喜にわいた親父は殺した。まあ当然と言えば当然。
そんな訳で。この炎は鳳凰と朱雀の炎。ロボットなんてただの溶けた鉄の集まりと化すわけだ。
……今回の敵、俺と相性が良すぎると思うのは俺だけか?
.
学園祭も無事幕を納め、超も未来に帰っていった。最後の別れはなんと言うか、超はネギの子孫らしく彼のの家系図を持ち出した。ある意味のアルティメットウェポンだ。それの争奪戦があったりだとか今回で長谷川と早乙女、長瀬に古罪に魔法がばれたり神父騒動があったりしたものの、俺たちは至って普通に一学期を終えて夏休みに突入したのである。
ネギの父ナギが魔法世界にいる可能性があると知ったネギを始めとし神楽坂一同はそれについていくネギま部なるものを創設し顧問はネギ、名誉顧問はエヴァ嬢となった。マジか。俺も頭数に入ってた。マジか魔法世界行くのか。
あと海水浴とか、魔法世界に行くに向けてのエヴァ嬢による訓練とか。部活発足後の夏祭りにて白き翼のバッチを狙うクラスメイトに辟易しつつも楽しい夏休み前半となった。
そして今回はそんな一ページの話である。
タンクトップにワイシャツを羽織ったハーフパンツな俺はボディバックを背に、ごったがえす人々の中、ネギや神楽坂をはじめとし、図書館探検部に小太郎と言うメンバーに連れられてネットアイドルをしていると言う長谷川に会いにコミケに来ていた。
なんと言うか、熱い。熱気もだが今は夏だしなんかもういろいろとパンクしそう。まず蒸し暑い。こんな暑い中よくやるぜ……。手に持つキンキンに冷えたサイダーの入ったペットボトルを煽ると手首の金属製の細いブレスレットアクセサリ複数がちゃらりと金属音を立てた。そのまま顎から滴りそうな汗を手の甲で拭う。熱さに耐性がある俺でも限度は有るんだ……。
しかしなんか俺の一挙一動で会場が沸いてる気がするんだが気のせいか。
「流石『麻帆良の堅物』もとい『色男』……スーパークールな誠実紳士わりに動作がかなりえろいわね」
『すまん、ちょっと訳がわからない』
と言うか理解したくない。現実逃避に俺は走った。
あまり女子にこういう目は向けたくないんだが……なに言ってんだお前と言う視線を送る。と、きれいにスルーされた。わかってたさ、こいつがこんな視線ものともしないなんてことはな。
早乙女に引っ張られ、後ろの女子を引き連れてつつ一部の人だかりに行くと早速早乙女がルーランルージュのコスプレした長谷川に絡んでいた。おおう完成度高い。
うちの神楽坂を始めとしてお嬢、桜咲、綾瀬、のどかはべーこんれたすな本を見て戸惑ってるがおいそれR18表記だぞおい。ちょっと物悲しげな視線を送ってるとネギ先生が瞬動で神楽坂たちが読んでたそれを取り上げ……あ、中を見ようとしたら長谷川に取り上げられた。まぁそうだよな……。と引き続き物悲しげな視線を送る。
そしてネギ先生と小太郎よ…そのルーランルージュのR18はマジで洒落にならないからやめろ。「そのさきを開くんじゃねえ!」と怒鳴る長谷川の指示に従いネギと小太郎から薄い本を取り上げる。
「あっ、なんで取っちゃうんですかいおりさん!」
「せやでーいおり兄ちゃん!」
『いや、うん、これはまだまだお前らには早い。というか大人になっても見なくていいやつだ』
「え、そうなんですか?」
「そうなん?」
『ああそうなんだ……白いままでいなさい、要らん知識を身に付けないでくれ。お兄さんとの約束だ、間違っても神楽坂とかに聞いちゃいかんぞ』
と先程からどうしてもやめられない物悲しげな目でそこの四人を見据える、っておいこら、目を逸らすな。早乙女と長谷川が「「超物悲しげな目だ!?」」とか叫んでるが知らない。
.
やって来た夏祭り。ネギと小太郎に腕を引っ張られて訪れた龍宮神社のそれは慎ましやかながらも人が多く、麻帆良の人は本当に祭り事が好きだなあと思う。俺も大概だけど。
はしまきを途中購入しネギと小太郎に渡して、再び取られた両手のせいで俺は口にくわえている状態だ。両手で子供と手を繋ぐとか何げに初なんだが。
『……』
「? どうしましたか?」
「なんや兄ちゃん変な顔して」
『……いや、弟が出来たみたいな気がしまして』
「なら俺らいおり兄ちゃんの弟やなー。まぁ戦闘面についてはいつか追い越したるけどな!」
『無理だな、俺もまだまだ成長する』
ふと黙ったネギ先生が気になりチラッと目をやるとすごくむくれていた。おおうどうした先生。
「……伊織さん、僕だけ敬語ですよね」
『え、あ、まあ。たとえ年下でもネギ先生は教師ですし、目上なので』
「……弟なら僕も小太郎くんみたいに普通に接してほしいです!」
おっとそう来たか。どうするか、と小太郎に視線をやるとこくんと頷かれる。え、この場合どっちだ。
『……ネギ』
「! はいっ! なあに伊織お兄ちゃん!」
『……よし、次は林檎飴だな』
「!? 兄ちゃんネギも俺もまだなんも言うてへんで!?」
『ああ、もうこの際屋台全部回ろう』
「「!」」
途端に「俺な、たこ焼き食いたい!」「僕焼きそば!」「あと射的な!」「金魚すくい!」と返してくる弟分たちが可愛くてつらい。
そのあと騒がしい人だかりを見つけて行ってみれば何やら浴衣姿のあやかやら神楽坂やら最近行動を共にしているメンバーが居て何してるんだと思うったが楽しいからよし。
.
ネギま部の合宿として海にやって来た俺達一行。ま、魔法世界に行く前に遊び納めと言ったところか。
宿は一応俺と小太郎は二人部屋の個室をとってもらった。だって女子の中に俺一人とか辛すぎる。ネギは大丈夫っぽいが。
早速一日目。黒に赤のラインが入った海パンにTシャツを着て外に出ると……まぁ男子より女子の比率が高いのは当たり前で。ちょっとあのきゃいきゃいした中に入る勇気も気力も一気になくなった俺はパラソルの下で荷物番だ。いやそれにしても、真夏を温かいなあぐらいにしか感じない俺はやっぱり内面身体的に人間離れしてきている。コミケは例外としてだな、うん。
キンキンに冷やしたラムネを片手にビニールシートの下で座りながら海をボーッと眺めていると。
「あら、お兄さん一人?」
「荷物番なんて暇じゃない?」
「私たちのとこ来る?」
『ん?』
パッと顔をあげると三人の年上と思われる女性に声を掛けられた。多分女性の中では美人に入る方なんだろうと思うけど……まぁ身内があれだからな。
『いや……そんなに暇でもないし、連れがいるので大丈夫です』
「あら誠実。あなた堅物とか言われたりしない?」
「もったいないわね」
「私たちのとこ来る?」
「「アンタ黙ってなさい」」
あれ、思ったよりこの人たち大人だ。しばらく談笑して「じゃあ私たち行くわね」と一人が言い掛けた途中、「っいおりくん!?」と前方、つまり彼女たちの後方から金髪がドドドと言う轟音と共に砂を巻き上げながらこちらに向かってきた。ひぇっ。
「いおりくん! こんなところにいらっしゃったのですね!? 探しましたわよ!」
『え、』
「あらあら」
「私達お邪魔ね」
「頑張ってね金髪の子」
くすくす笑ってから颯爽と去っていく彼女たちにちょっとぽかんとしたあやかは「あら、誘われになっていたのでは?」とそちらを指差した。ああ、助けに来たのか。
『最初だけな。理解のある人で助かった。ちょっと話をしてただけだ』
「そうでしたの……でも探していたのは本当でしてよ! いきますわよー!」
荷物番はどうやらお付きのひとがしてくれるらしい。マジかよ。
その後宿にて。なにやら夏休みに入っていつまでたっても帰ってこないネギを連れ戻しにやって来た幼馴染みのアンナ・ココロヴァ、通称アーニャが乱入してきたとの報告を小太郎から受けた。好きなんだな要するに。
.
一日目の夜はまだ良かった。問題は二日目の夜である。宿にまで突撃してきたネギの幼馴染みの少女、アーニャや3-Aメンバーがほぼ集合したことにより部屋が足りず大部屋で雑魚寝することになった俺たち一行。ネギは抱きつきグセがあるようだが、まあ、お姉さんたちがどうにかするだろう。小太郎は完全に女性にたいして無害である。
そして俺だ。俺は流石にマズイ。さて、ここでお前ら冷静に考えてみろ。ほぼ十五の女子中学生(美少女)の中に同い年の男子中学生が混ざって夜を共にしろと。冗談キツすぎである。いや、神に誓って何もしないけどさ。まず倫理的におかしい。そしてなぜ誰もそれを疑問に思わないんだよおかしい。
「いやー、まあ、それはほら、『麻帆良の堅物』って言うか」
「緋影くんだしね!」
「いおりくんなら安心ですわ!」
『お前らおかしい。本当におかしいからよく考え直してくれ頼む』
聞く耳は持たれなかった。
**
ネギのお隣争奪戦にて枕投げをしていた彼女らだったが、遊び疲れたからか眠ってしまった。ネギは無害そうな方々の隣で寝るようだ。
月明かりがさしこむ中、俺は備え付けの椅子に腰掛けて横になるクラスメイト達を眺める。
「じゃあ緋影、しばらくお願いするわよー……」
『ああ、おやすみ神楽坂』
とさっと布団に倒れ込んだ神楽坂を横目に月を見上げながらクラスメイト達が何かし出さないか見張る。まぁ俺ももうじき寝るけど、椅子で。この椅子でな。くあ、と欠伸を漏らした時、俺の横に人影が出来た。ぱっと見上げるとのどかが浴衣姿でそこに。
『……はやく寝ろ、もう夜遅い』
「…わ、私……いおりくんが寝るまで待つよ……!」
くっと小さく拳を握って意思表示する彼女のなんと可愛いことか。微かに笑みが漏れる。……もうちょっとこのままで居たいと思った。それはもう切実に。
『……二学期まで待ってくれ』
「!」
『……期日は守る、そう言ったけど』
「あ、あのね!」
俺の話を遮った彼女は「……卒業式にね、」と言葉を紡ぐ。……期日、縮めようとしたのだが、それはやめろってことか。……え、どういうことだ。困惑なんだが。
「卒業式に、もう一度、私から」
『……』
「言うよ、もう一回……だからね、それまで」
『待ってる』
困惑からか遮って断言した俺はもう一度『待ってるから』と彼女の瞳を見る。ふにゃりと笑った彼女に俺も笑みを溢して目を閉じた。椅子なのに寝付きはすごく良い。
そしてその数分後、寝たふりをしていた彼女たちのネギのお隣争奪戦の物音に目覚めた俺はそのときのやつら全員残らず朝まで正座させたのは秘密だ。
.