そういえばもうすぐあの方の誕生日なので。
配役は書きません。
むかしむかしのあるところに、らぁらという一人のアイドルがいた。
親も祖父も祖母もいなかったらぁらは、たった一人の家族、妹ののんと共に、しがない家で暮らしていた。
妹ののんは、性格も良く、友達も多かった。
その中でも特に、セレブアイドルの『ちり』、野獣アイドルの『ペッパー』とはいつも一緒だった。
三人は、チームを組むことにした。
妹を大切に思っていたらぁらは、その大切な妹のために、遠い遠いプリパリへ、彼女の思い出の花であるアネモネや、お祝いのピザ、飾り付けを買いに行った。
らぁらには密かな楽しみがあった。プリパリには唯一の友である、『ファルル』が住んでいた。
ファルルは、のんと仲が良かったものだから、ファルルと一緒に帰ったら喜ぶかな、なんて考えていた。
しかし、プリパリの町は変わっていた。
人々は憎しみ、悲しみ、町全体が哀愁に包まれていた。
見れば、空は灰色で、渦が巻いていた。
誰もがあまりにおかしいと思った。女性だけの町、あの華やかな「プリパリ」はどうしてこんなことに?
一人は、こう答えた。
「王様がやったメル」
一人は、こう答えた。
「王様は、皆殺したルル」
も一人は、こう答えた。
「王様は、臆病ラル」
誰に聞いても、王が殺した、王は人を信じられぬのだ、と答えた。
「そんなのって馬鹿げてるよ」
そうだとも。今のプリパリの王、ひびきは。
執事の安藤を殺し、家来も友も、親友のあじみも、皇后さまのふわりも、皇后さまの娘のヤギも。
みんなみんな、殺してしまった。
「そんなのって...ないよ。ひびきさんに説得しに行く。
そんなことをする人を生かしては置けないよ。」
誰もらぁらを止めようとはしませんでした。
どこかで願っていたのか、関わって殺されたく無いのか。
ある一人が、こう呟きました。
「…らぁらさんは命が惜しくないのか」
しかし、王の城はおおきい城。当然警備も万全。
らぁらはたちまち捕まってしまった。
「ひびき様、全員捕まえました。」
「…誰かと思えばらぁらじゃないか。どうしてここに居るんだい?ここはお前の様な庶民が来れる場所ではないぞ?」
一瞬、脳裏に、懐かしいお母さんやのんと友達の喜ぶ顔、綺麗に着飾った友達の姿が過った。
「..みーんな友達、みーんなアイドルなんだよ。なんでひびきさんは皆殺しちゃうの?
ねぇ、どうして?あんなに仲が良かったふわりまで?なんで?」
それは今のひびきにとって一番聞かれたくない質問でした。
「…めんどくさいな。パンダ達、みんなみんな殺してしまえ。」
一番強かった家来のシオンも、料理長のみかんも、クラゲのお世話係のそふぃも、
殺してしまったのは、どうして?