韓国アイドル アイマス 百合 小説好きJC2
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これまでは、誕生日なんて時間の無駄だとか、必要無いだとか思っていた。
かつてのあたしは、研究ばっかりしてて、時間やら何やら、色々なことに追われてたからね。
そして、昔は孤独だった。
研究室に篭ってたから、周りに誰も居なくて、いつも独り。誕生日とはまるで無縁だ。
独りだったけど、周りの大人達は……うるさかったかな、どうだったかな……どうでもいいや。
少し過去の事を思い出してしまいそうになったけど、忘れよう。
「ハッピーバースデー、 志希!」
だって、今はそういうことを考える時じゃないし。
「誕生日おめでとう、志希ちゃん!
はい、プレゼント」
「私達が選んだのよ」
事務所入口で呆然と立ち尽くすあたしに、LiPPSのメンバーが駆け寄ってくる。
美嘉ちゃんと奏ちゃんはあたしにプレゼントを渡して、フレちゃんはなんか踊ってる。
周子ちゃんは……「驚くなんてらしくないじゃーん」とか言いながら小突いてくる。
……そんなの、あたしだって知ってる。
昔はこんな事じゃ動じなかったはずなのに、なんで。
「……それは、“あなたが変わったから”よ」
あたしの考えてる事が分かったのか、奏ちゃんが不敵に笑ってそう言う。
あたしが、変わった?
……確かにそうかも。
今みたいに感情に動かされて他人に表情を読まれるなんて、昔のあたしが知ったら笑い転げるくらいだと思う。
「そうかもね」
あたしはそう言って、前へ歩く。
どこに行くかって? 勿論……
「キミに……プロデューサーに、変えられちゃったからね〜」
あたしを変えてくれた彼の元へ。
すると、周りが少しざわめく。
そうだよね、プロデューサーを狙ってるアイドルはこの事務所に何人もいる。
あたしは、プロデューサーに無意識に父性を欲していつの間にか好きになっちゃってたって感じだから、ちょっと違うかもだけど。
……ともかく。
あたしが変えられちゃったのは、プロデューサー……そして、LiPPSのメンバー、美波ちゃん、飛鳥ちゃん……沢山の仲間達が居たから。
「ね、みんな」
あたしの声に、皆が不思議そうな顔をする。
「ありがとね」
―――――18歳になった今日くらいは、心からのありがとうを言ってあげるんだ。
「奏ちゃんからのプレゼントねえ……」
LiPPSの皆からもプレゼントを貰ったけど、奏ちゃんからまた別の物も貰った。
家に帰るまで開けるなと言われてただけに、凄く気になった。
「じゃあな、志希」
「ありがとね〜」
プロデューサーに送って貰って、自宅に到着。
あたしは鍵を開けて中に入り、物凄いスピードで奏ちゃんからのプレゼントの包をあけた。
「……花?」
包の中には、ピンク色の花が入っていた。
花なら夕美ちゃんにライラックの花束(誕生花)を貰ったけど、この花はそれとは違う。
何の花か分からずに困っていると、携帯が音を立てて振動した。
画面を覗くと、凛ちゃんからのメッセージが来ていた。
『志希、奏の送った花はアザレア。花言葉は、“節制”、“恋の喜び”……とか。奏の事だから言わないと思ってたんだけど……バラしちゃった』
……ほうほうなるほど。
あたしはとりあえず、凛ちゃんに『そうなんだ。ありがと〜』とメッセージを返して、携帯の電源を落とす。
節制は分かるけど……恋の喜び?
うーん、奏ちゃんにはあたしがプロデューサーに恋してるとでも思われてるのかな。
……まあいいや。
「あー、夕美ちゃん花瓶持ってそう」
せっかく奏ちゃんに貰ったんだし、飾ろうじゃないか。
あたしは夕美ちゃんに連絡をしようと、再び携帯を手に取った。
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寝落ちててすまぬな志希
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とにかく誕生日おめでとう
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フレームのバリエーション多くて良き良き
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これは個人的な観賞用
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でもシンプルに行くのもいいよね