___アンナチュラは、いつの間にか姿を消していた。
止まった時間は動いていない。
その場にいるのは、あすかとサキミラだけ。
「か、は……」
「あすか、あすか!そんな……」
あすかの右腕は潰れ、先からはどくどくと流血していた。
___先ほど。
サキミラの蹴りは、あすかに命中した。
アンナチュラが、彼女を身代わりにしたのだ。
蹴りが腕を吹き飛ばし、変身が解けたあすかは生身で地面に直撃。
全身を強く打って、致命傷を負ってしまった。
「サキ、ミラ……おねえ……ちゃ……」
「あすか、ねえ、あすか!死んじゃ駄目!!」
残った左腕からも、力がどんどん抜けていく。
サキミラが握っていたが、自然と落ちていった。
「あ……」
あすかはそのまま、動かなくなった。
止まった時間の中、サキミラだけが残っている。
「ごめん、ごめん、あすか……私、戦い続けるから……ずっと!」
サキミラは、復讐を誓った。短い間だが戦い、姉妹として過ごしたあすかのために。
理由を忘れてもなお、彼女は戦い続けるのだ。
そう、未来まで___