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197:ふたば◆r.:2020/01/03(金) 22:58

「う……痛いっ……」

怪物にふっ飛ばされたももは、体中に傷を負っていた。
膝をすりむくなんかより、すごく痛くて辛い怪我を、至る所に。


「この、ままじゃ……死んじゃう……」

死。あまりにも縁のない言葉。どうなるかは想像もつかないが、怪物に殺されることだけはわかった。


「人間……滅ぼす……」

「い、いや!」

怪物が、ジリジリと距離を詰めてくる。
今度は本気だろう。逃げないと死ぬ。でも痛くて動けない。

彼女は……


「あたし、まだ……生きたいッ!」

ももは、希望を捨てなかった。捨ててはいなかった。
どうあがいても生き残る方法は見つからない。だが、生きたい。


「無駄だ!お前から滅ぼして、人類滅亡のカウントダウンを___」

「……うあああああっ!」


ももが、力一杯叫ぶ。そして、ゆっくりと立ち上がる。


「あれ、体が軽い……力が溢れてくるような……?」


彼女は、自分の体に力がみなぎってくるのを感じた。
今だったら、なんでも出来そうな。そんな気がしていた。


「……だああああああっ!!」

もう一度、思い切り叫ぶ。
叫びながら、怪人に突っ込んで行く。

怪人は、ももを一思いに刺し殺そうとした。
無謀にも立ち向かってくるので、それを讃えるように。


しかし、それは叶わなかった。


ももが拳を振り上げた途端、全身が発光し始めた。


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