ハロウィン、十月末に行われる悪霊を払うお祭りとして開催される。まぁ、最近はその意味も薄れて、ただの馬鹿どもが騒ぐお祭りになっているけど。生と死が入り混じる、そんな日でもある。雛伊ちゃんから言わせれば、『彼岸』のようなものらしい。目の前には握力35k………なんでもない、かわいらしい赤ずきんがたっていた。言うまでもない、主様の案でこの屋敷でもハロウィンパーティーをやることになったのだ。まぁ、ウェルのおかげでみんな仮装することになったんだけど…………。僕とリリィは赤ずきんモチーフの仮装、ほかのみんなはまだ見てないから知らないけど。
「 さっさとして、お兄ちゃん 」
容赦のない妹の言葉に少し傷つきながらも、彼女のあとをつける。適当に理由をつけて抜け出そうなんて考えていると、目の前にいるのは魔女と使い魔の仮装をした紅茶派の彼女だった。
「 りく〜、狼なんだね、ある意味ぴったりじゃん? 」
なんて口元に手を当てながらにやにやしてこちらをみる彼女。ウィッグをつけているのかいつもより髪の長い髪を揺らしながら告げる彼女。相変わらず容赦のない言葉に苦笑いしつつ、彼女に近づき、お約束の言葉を告げる。
「 ふふっ、だから今日こそ、襲っちゃうかもね 」
「 レイちゃん、_____Trick or Treat? 」
ポケットをあさる彼女にさらに近づき、先ほどまで毒を紡いでいた彼女の唇を自分の唇でふさぐ。驚いたように少し頬を染めながら、固まっている彼女に少し満足して髪を撫でようとすると、僕たちの間にリコットちゃんが入り、僕を睨みつけながらレイちゃんの手を引き違う場所に連れてく。残念と思ったのも束の間、リリィからの容赦のない腹パンと「最低」という言葉を貰い、僕は大人しくほかのみんなの輪に混じった、無論レイちゃんには、リコットちゃんのガードで近づけなかったけど。
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屋敷のあらかたのメンバーが寝静まった、午後十時過ぎ、そろそろ部屋に戻ろうと廊下を歩いていると、後ろから足音が、本当に死者が来たのかもなんて振り返ると、そこにいたのは魔女姿の彼女で、
「 おわっ、レイちゃん 」
「 Trick and Treat? 」
「 ……えっ、今? 」
「 りく、どんなお菓子をくれるの 」
おまけ
「 そういえばさ、なんでレイちゃん、ソーダ味の飴なめてたの? 」
「 …目 」
「 えっ? 」
「 ……りくっぽい色だなぁって思ったから… 」
「 ははっ、なんかうれしいなぁ、俺 」
「 ……っ、馬鹿じゃないの 」
「 あと、僕はいつものレイちゃんの髪型のほうが好きだなぁ…… 」
「 ……あー、もう、馬鹿じゃないの 」
「 あと、今日はお化けと人間が入り混じるんだって 」
「 …っ‼………りくのばか 」
終われ
かてぃ様に土下座案件並みにこのこ馬鹿しか言ってない