とある国に小さくも平和な街があった
海に面したその街にはこの国にしては少し珍しい施設があった
街の最西端のこじんまりとした住宅街の中に建つ小さめの学校のようにも見える建物があった
小さめの学校の様な、といっても大きさは周りの家と比べるとそこそこ大きい。
白に近い灰色の壁に黒い屋根、花壇やプランターが並ぶ庭。
人の気配はあるものの何処か古びた雰囲気の建物だった。
その建物は孤児院。
不幸な境遇の子供達が減りつつある国ではあまり見られない建物。
そしてあまり見られないだけあってその分人が多い施設
聞こえは暗い過去を持つ者が集まる場所、という印象。
だが生活している方からしたら家でありなかなかに楽しい場所であるかもしれない