目を開けるとそこは『異世界』だった
『異世界』に来たことはないが
そこは誰がどう見ても『異世界』と呼ぶに相応しくて
自分が住んでいた街のようだけど
人っ子一人いない
空は灰色で建物は壊れかけていて
ただひたすらに出口を探そうと走った
___________出口?
出口などあるのだろうか
あるとしたらそれは元の世界へ戻る歪みだろうか
何日経ったか分からない
やがて諦めることにした
黒い水が噴き出す噴水に腰掛け
新たな来訪者を待った
そしてやってくる
私のようにこちらの『異世界』へ飛ばされた者が
呆然として怒り狂って泣きながら楽しそうに
十人十色の反応を見せ彼らは何をするのか
不思議な力を携えて
その力で己の欲望を満たしながら
ここはあなたが住んでいた
反対側のアナザーワールド