やあ、こんにちは。いや、こんばんはかな?どちらにせよ太陽も月も登らないここには関係ないが…あぁ、ごめん。いきなりこんなところに飛ばされて訳が分からないよな。
ここはどうも『アナザーワールド』。私たちが住んでいた世界によく似ているが、違う世界みたいなんだ。…何を言ってるか分からない?詳しく説明しろ?残念ながらそれは出来ないんだ。なんせ私も訳が分からないままここへ飛ばされたからさ。まあ、私がここへ来た最初の人間であるのは確かみたいなんだが……。
何をすればいいって聞かれてもなあ。私は何日も走って走って出口を見つけようとしたよ。でもダメだった。諦めたんだ。そしたらある日突然目の前が光って私みたいにこちらへ飛ばされた人が来てね。今では20数人がここにいる。幸いどこかの街のようだから家を決めてね、そこに暮らしているんだ。……食事?大丈夫。ここはお腹が空かないから。といっても味覚は生きてるし、食べようと思えば食べれるよ。ただ、なんていうのかな。満腹感もなければ空腹感もない感じ?ここでは食料が手に入りにくいからありがたいとは思うけど。
とにかくさ、ここで何日か暮らしてみなよ。じきに慣れるから。私達は帰ることを諦めて新しく街を作ることにしたんだ。よかったら君も手伝ってくれないかな。折角の仲間だしね。……勿論私たちの仲間でない人もいるよ。彼らは路地裏に住んでる。私達が寝ずしまった頃_____夜かは知らないけど_____に活動してるらしい。強制はしないさ。君が思うように生きればいい。
そうそう、ここに来て一番変わったことがあるはずだ。……そう、その能力。前の世界ではそんな不思議な力無かったはずだろう?私もだよ。何故かここの世界に来てこんな不思議な力を授かった。これが何の為になるのかは分からないけど、自分の能力はきちんと確認しといた方がいい。コントロール出来ないと厄介だからね。
最後に。ここで何をするかは君の自由だけど……私は君と戦わないことを望むよ。どうも自暴自棄になってしまう人がいるようだ。2日に1回は誰かと誰かが争ってるのを見かけるよ。こんなおかしな所でまともな精神でいられないのに加え、この能力が拍車をかけているようでね。目が合っただけで襲ってくる人もいるから気をつけて。
分からないことがあったらまたこの噴水においで。私はよくここにいるから。少ない情報だけれどこの世界でわかることは教えてあげるよ。
それじゃあ、気をつけて。