2XXX年。MMORPGの1種である、『Dream and fantasy』が発売。ストーリーは題名のまま、ファンタジーな世界を旅すると言うものである。何よりもグラッフィックに力を入れていて、太陽の光に反射して煌めく海も、山の頂から見れる壮大な絶景も。全てがゲームとも現実とも思えない様なものになっている。しか し前にあの事件があったせいだろう、MMORPG系統のゲームはは全く発売され無くなってしまった為、それ購入する者は余程のMMORPGプレイヤーの一部か、ただの物好き程しか居らず。しかもあの事件を起こしたのはその会社なのだから、人数が少ないのも仕方が無い、と言うものだ。大半は『Dream and fantasy』を批判している、いやそうしかしていない。会社に問い合わせをする者はしょっちゅうで、1週間に1度は直接乗り込む者までも居た。
そんなドロドロ状態なこのゲームだが、半年過ぎても何も起きず。発売当初からプレイしていた者達は、ぬくぬくと平和な日々を過ごしていた。クエストに挑んだり、仲間と協力して強力なボスモンスターを倒したり。後は限りある服装でお洒落を嗜む者も居た。…だが、そんな平和は突如終わりを迎える。○○月××日。ヘルメット型の電子器具を起動させ、ゲームにログインし。いつも通り楽しんでいたのだが___、いざ現実世界に戻ろうと、『ログアウト』のボタンをタップしようとした時。…気付いたのだ、その文字が無い事に。バグだろうか…いいや、違う。運営に問い合わせをしようとしても、そのボタンも無い。これは、流石に意図的にやっているとしか思えず。更に周りのプレイヤー達とも確認してみた所、やはりその五文字は無く。絶望する者達で、この世界は溢れかえった。
さて、プレイヤー達はこの呪われた世界から、帰る事は出来るのだろうか?現実世界は直ぐそこにあるのに、その手を伸ばす事は出来ない。…誰かは、希望と言う一言を手にする事が出来るのだろうか?
しかし、この黒幕は、運営会社では無い様子。
いったい何の為に?…それは、黒幕本人にしか、分からないのだろう。