「……そうか!いやはや、君の親切心には感謝しないとな!」
パッと体を離すと先ほどとは違う、人好きのする無邪気な笑みを浮かべる。
「これも何かの縁だ。何処かであった時にはまた、一杯ご馳走させてくれ!」
そう言って今度は出口まで歩き、肩越しに振り返ると
「……Erzähle niemandem, was du gerade gesehen hast…」(今見たことを誰にも話さないように)
人差し指を口元で立てた彼の瞳は針のように細くなっていた…
酒場の酔っぱらい
「お、おう!旦那も達者でな!」
まるで蛇のように不気味な雰囲気を見せたかと思うと、無邪気な笑みを浮かべるギルベルトに戸惑いながらも、また一緒に一杯飲み交わそうと言う言葉を聞くと、此方もまた陽気な笑顔を見せて
偉そうな帝国士官
「相変わらず埃臭いところだな?」
ギルベルトが酒場の外へ出ようとしたところ、金髪をオールバックにして、赤い鎧の上に細かい装飾の施された絹のマントを羽織った見るからに金持ち&偉そうな風貌をした青年が二人の部下を率いて現れ、酒場を一望するとそう一言吐き捨てるように言う