(面倒だな…ここで蹴散らしてもいいが…まだ全体の守衛の数も把握していないから悪手だな。ならば…)
構えていた短剣をゆっくりとガーターにしまい、重心を低く落とす。深く息を吸い、短く吐き出す。血液を全身に行き渡らせて脚に集中させて………
(…いまだッ!) 一気に走り出す
それは到底人間に出せる速度ではなく、並大抵の者では目で追うことも難しい速さで門番の空いたを走り抜ける。
帝国兵 門番長
「・・・!!!侵入者だ!!各員警笛を鳴らし、配置につけ!!」
門や城壁そのものに常時発動型の防御障壁が展開されていたり、何らかの侵入妨害能力を持った人員もいないのか、簡単に門を突破する事に成功するものの、街中を駆けるギルベルトに向かって、通りにいた守衛二人が手にした槍を横に振り払う事で走り抜けようとする相手の体を切り裂こうとする