>>37
帝国 門番兵A
「あー……?」
帝国 門番兵B
「……おいおい、駄目じゃねぇか、こんなもんを持ってちゃなぁ?」
怠そうに通行手形と手荷物を確認すると、確認している兵士とは別の兵士が、自分の懐から隠そうともせずに堂々と麻袋を取り出すと、相手の目の前で開く……すると、その中からは麻薬のハーブが出て来て
帝国 門番兵C
「おい、こんなもんを持ち込もうとするなんてとんでもねぇ奴だな!!」
門番兵が取り出したハーブを見て、検問していた兵士達もグルであったようで、次々と兵士達が集まってくるものの、この帝国において、富は何よりも強い力となる、幾らかの賄賂を目当てにこのような事をし始めているのだろう。
賄賂を払って穏便に済ませるか、一戦交えて帝国を……世界を敵に回すか。
はぁー············
(呆れた、という体で大きくため息をつく。
僅かに姿勢を落として兵士達の姿勢や態度を再確認する。······恐らく、この男は······賄賂を払う事など考えていない。勿論、この国においては富が最も強い力になる、ということは承知している。しかし、彼がこれまで受けていた、純スパルタ人的教育······『力こそが全て』。
これもそれを実践するのにいい機会だろう────と思ったのか、不意に短剣を抜いて門番兵Bの首を貫こうとする。······並大抵の反射神経では回避できない一撃である。)