「そうだな…まずはこの州の治安状況と昔と大きく変わったことがあったら教えてほしい。」
そう言ってギルベルトはにんまりと三日月のような細い笑みを浮かべた。
抜けるような白い肌にぱっくり裂るように開かれた口から覗く真っ赤な舌は……見間違えだろうか…蛇のように二又に分かれていたような気がした。
酒場の酔っぱらい
「昔と変わったところだって?
帝国の連中が来てから何もかもが変わっちまったよ……」
泥酔している事もあって相手の雰囲気の変化には気付けておらず、愚痴を吐くようにして、ローマ帝国への不満や、腐敗が横行して搾取や圧政が蔓延る現状について語り始める
酒場の酔っぱらい
「ゼルギウス派?とか言う貴族連中や、その貴族お抱えの帝国兵共が片っ端から略奪したり、圧政を敷いているもんでな?奴らが来てから一気に治安も悪くなっちまったよ……これじゃ、どっちが蛮族なのかもわかったもんじゃないね。」