月明かりのみが照らす、静寂に包まれた森。お気に入りの場所の、一等高い木の枝にゆるりと腰掛けると地面を見下ろして。その視線の先には、この深緑には目立つ白があり。静かに、人差し指をそっと立てる。それからゆるりと振り下ろすと。
__ッ
音もなく、人ならば視界に捉えられぬ早さで鉛玉のようなものがひとつ飛んでいった。実際目にすれば、それはただのビー玉であり。然し、威力はそこらの銃の比ではない。
白衣を纏った彼はどんな動きをしてくれるのかな。受け止めた吸血鬼の大抵は、その部位が激しく弾き飛ぶわけだけれど。
同じ爵位、しかも実力はそれ以上の吸血鬼には飛ばしたことがない。殺気も気配も絶ってはいるが、彼に通用するだろうか。蠱惑的な笑みを浮かべ、暫し観察する。
【 不安しかありませんが最初はこんな感じで仕掛けてみました。分かりにくい部分などありましたらご指摘ください】