ではせっかく覚えているのでそれがしも
ゴーカートのようで歩道も走れるくらいの小型の乗り物に乗って街中を走る
自転車程度の速度しか出ないが、空気抵抗でも減るのか体を倒し気味にして
脚を前に出す体勢を取ったら前がかなり見づらくなる代わりにちょっと加速した
通り道にあるセイコーマートが潰れていたが、朝だと言うのに早くもパン屋がオープンしていて
繁盛しているようだった
せっかくなのでパンを買っていく事に
開店したてなのか既に売れているのか並んでいるパンは思いのほか少なく
いちごチョコをつけたもの等チュロス風のパンが多く並んでいて
自分は黒糖と書かれた紙の貼ってあるココアクリームパンをパン屋でよく見るトレーに乗せ、レジ前の行列に並んだ
すると後ろからやってきた坊主頭の小柄な少年が自分の前に入ってこようとする
小声で何か言ってきたが「声が小さくてちょっと聞き取れないな」と返すと
少年は諦めたようで自分の後ろに立った
前に並んでいたメガネをかけたおばさんが悲しそうとも残念そうとも言えない顔をしてこちらを見てきたので
「坊やは並んでいたけど訳あって少し離れていたんだな？じゃあいいぞ」
と言って自分は少年の後ろに回り込んで列に並んだ
メガネのおばさんは何か安心したような顔で微笑んでいる風だった
いざ順番が来て支払う時、ポケットのどこにも財布が入っておらず少し焦ったが
小型の謎乗り物の座席を見ると財布が置いてあって安堵した
レジ待ち並びのくだりよりココアクリームパンが気になるな〜…
ココアクリームに黒糖を使ったから黒糖って紙が貼られていたのか
ヤマザキパン製の菓子パンや学校給食で出るような生地に黒糖が練りこまれているタイプだったのか