「聖書、さん…」
言い終わって、はっとした。こんなみっともなく泣いてる姿なんて聖書さんには見せられない。見せられないのに、聖書さんの名前を呼んでしまった。
口から出た言葉は拾えないし、聞こえてなかったなんて都合のいい展開もないだろう。なぜなら、ここは誰もいない静かな所。物音一つ聞こえない空間なのだから。
何でもないと言っても、振り向かないでくれと言ってもきっと聖書さんは振り向く。聖書さんはそういう性格だ。
ほら、思った通り。僕の方を見た。
「しゅしゅ殿…?どうして泣いているのです?」
聖書さんは僕の方を見て、少し驚いていった。
どうして泣いているのか、なんて…こんなくだらない理由、聖書さんには言えない。
でも、何故だか、僕の口は聖書さんには正直で。思わず、理由を言ってしまっていた。
「げ、げん、限定バナナいちごクレープを…道に落としました…っ」
「…え?」
そう、そう!今日限定のバナナいちごクレープ…生クリームやチョコが沢山乗ったものをあろうことか僕は道に落としてしまったのだ…!
僕の横を通る、クレープを美味しそうに食べる人たちが羨ましくて、妬ましくて…思わず涙が出てしまっていた。
「ええ…そ、そうですか。それは悲しいですね…?」
「何をこいつやばいみたいな目でみてるんでしゅか!わからないなら夏休みの宿題がやっと終わったのにやぎに食べられたとでも思ってくだしゃい!(^q^)<まさに地獄」
「そんなことで泣いていたとか、しゅしゅ殿ってちょっと子供っぽいですね。」
聖書さんは、少し笑って言った。
せ、聖書しゅしゅのつもりなんだ…許してけろ…
ほのぼのするw
今までシュシュ聖書好きだったけど最近は聖書しゅしゅにうずうずし始めた