ツッコミが、消えた。突然来なくなった。みんな普通の顔してるけど、俺はなんだか心配で、夜も寝れないほどだった。
みんなから心配されたけど、そんな言葉も耳に入らず、悲しくて、涙が出て…
なんだか、ツッコミを心配しない奴らが薄情に思えて、村を出た。
行く宛もなくただただふらふらと歩く俺の目に、一つの影が目に入った。
「…ツッ、コミ…」
そう、ツッコミだ。ツッコミだった。でも、なんだか違う。ツッコミなのに、ツッコミじゃない。それはまるで、人を食らう人狼のような…
「寡黙…」
ツッコミは驚いたようで目を見開く。俺は、ツッコミなんだか感激して、ツッコミの名前を呼ぼうとした。
「ツッコ「こっち来んでや!!」
「…え………?」
ツッコミの方に走りかけようとしたが、ツッコミの声に威圧され、俺は止まってしまった。
「今、寡黙が近づいたら、わいは…」
ツッコミは歯を食いしばって何かを我慢しているようだった。
「何、言って…」
「…寡黙、今からわいの言うこと、信じてくれるか…?」
「………ああ。信じる。絶対に。」
俺はそう答えた。そう答えなきゃいけない気がした。
「わいな、実は…人狼なんよ。今まで村人のふりしてまぎれて、いつ食べようか様子伺って…でも、お前らと過ごすうちお前らに愛着湧いて…せやから、食べられんくなってしもうた。やけど、あんままおったら絶対みんな食べてまう…せやからわいは村出て、いなくなったんやねん」
「…え、まさか、そんな…」
「………すまんな。全滅したよな…」
「………いや、いいよ。」
俺は、決心した。
「俺を食べてもいいよ…」
>>785
全滅ってのは幻滅の間違いなのか?