牡丹視点
昨日初日犠牲者が死んで、寡黙が処刑され、リア充が朝死んだ。
朝、少し顔色を悪くした悪魔が突然席を立ち、ユリリンとどこかへ逃走した。どうしたのだろうか。やはりあのおちゃらけた悪魔も人狼がいるというプレッシャーには耐えられなかったのか?
…まあいい。問題は悪魔とゆりりんが交際しているということだ。
悪魔とユリリンが席を立った後、ドレミがすぐに後を追いかけた。俺もなんだか少し、ゆりりんと悪魔が二人で出ていった理由が気になったのでついていった。
すると、なんということだ。悪魔とユリリンが抱きしめ合ってるではないか。しかも二人とも付き合おうとか言ってるみたいだし。
_ユリリンはなんで悪魔と??
思う事はいろいろあったが、その思いが一番最初に来た。どうして悪魔と?絡みはあったが…てっきり俺はユリリンは悪魔のことを友達として見ているんではないかと思っていた。
…でも違った。勝手にユリリンのことを知っている気になっていた。ユリリンが悪魔のことを好きとも知らず、毎日二人で話してしまっていた。…本当は悪魔と話したかったろうに。
ユリリンの気持ちをわかってなかった。ユリリンに嫌がられてたかも?そんな思いが頭の中でグルグルと廻り、ろくに人の話を聞けないでいた。
夕方。人狼と思わしき人物を処刑し、みんなが家に帰り出す頃。
ふとユリリンの方を見てみるとユリリンは悪魔と帰っていた。いつもは俺に手を振って笑顔で「さようなら、また明日!」と言ってくれるユリリンは、悪魔の方をチラチラと見ながら少し顔を赤らめている。
そんな姿に少し心がモヤっとした。
家にて。布団に入り、ロウソクを消す。心のモヤが取れなくて、イラつく。ユリリンはなんであんなに嬉しそうなのか?俺だとダメだったのか?ああ、イライラする。狼の遠吠えがうるさい。今日の犠牲者を決めようと相談しているのか?
ユリリンも悪魔は同じ家に帰ったのか?それともたまたま家が隣だっただけなのか?俺は何にも知らない。ユリリンのことを知らない。なのに知った気でいてユリリンと毎日はしゃいで…俺だけが楽しんでた可能性もあった。
悲しい?哀しい?悲しい。
かな、しい…泣きたい気持ちを抑え、俺は冷静なれと心を落ち着かせる。
大切な友達が幸せになろうとしてくれて、恋を実らせてくれて良かったじゃないか。ユリリンの幸せが俺の幸せじゃないのか?
そうだ。きっとそうだ。絶対そうだ。ユリリンの幸せが俺の幸せなんだ。だから、大丈夫。
少し無理矢理に心を落ち着かせ、布団の横に置いておいた水晶玉を手に取る。
さて、今日は誰を占おうか。
グレーを占うのが吉なんだろうが…俺は少し、気になった。
ユリリンは?ユリリンは村人なのか?
今日、取り乱した悪魔を見て落ち着いていたユリリン。
俺が信頼して占ってないとはいえ、ユリリンは村人とは限らない。
…今日は、ユリリンを占うか……
目を閉じ、念を込め、ユリリンの顔を思い出す。
笑顔、泣き顔、照れ顔。
結果が水晶玉に浮かび上がる。…普段なら、村人なら、白い霧が水晶玉の中に浮かび上がる…そのはずなのに。
でた結果。水晶玉の中の霧は黒。それは、ユリリンが狼だということを表していた。
嘘だ。嘘だろ?まさか。ユリリンが。誰かと間違えたんじゃ?そう思い何度も確認する。でも結果は変わらない。
ユリリンは黒。それは、紛れもない事実。
狼がわかったなら明日村民会議で発言しなければ。そうしなければ村民は狼に全員食べられてしまう。
でも、その勇気が出ない。ユリリンを失う勇気が。
発言しなければみんな死ぬ。発言すればユリリンが死ぬ。
いっそのこと今日、俺を食べてくれ……そうすればもう、苦しまなくてすむ。
ユリリンのことも、狼だということも、全部。全部。
そんな淡い期待。叶ってくれないかななんて思いながら、目を閉じた。
視点を最後まで書くならあとドレミと牡丹の視点1回終わる(超絶小声)
がんばってお姉さま!読んでいてとてもわくわくとしますわ、続きが気になります
やはり人狼を絡めたものはいいなあ