終わった世界で
今ボクはどこにいるんだろう。 今は一体何日で、何時で、いつなんだろう。
ああ、自分の足元さえ覚束無いボクはこうして何も無い世界を歩く。
よたよたと道ではない道を歩く。 あるく。 アルク。
もう道が無くなって、歩けない場所で立ち止まった。
ぼんやりと、誰かの声が脳裏に過る。
「キミがセカイを創ればイイジャナイ!」
おもちゃ箱を引っくり返した様なポップな映像が、さっきまでの道に流れ始めた。
大きな音と、声と、煌びやかな装飾。真ん中に立つ、一人の少女。
「hello, world!」
屍の山に座する血塗られた一人の人間。
彼の眼に映るのは見渡す限り広がる瓦礫の街。
この全てが終わった世界こそ彼の求めていた理想郷。
屍の山に座する血塗られた一人の人間。
彼の眼に映るのは力無き民を傷付ける異形の者。
彼は異形になりかけたその馬手で剣を振るう。
全てはこの世界のため。