どうせ左の道は二時間もしないうちに通るのだ。
わたしは右、神社の方へ歩を進める事にした。
目的の神社は桜の木が立ち並ぶ坂道を上った先にある、その神社の名前は『桜坂神社』そこそこ大きな神社で少し前までは神主や巫女も居たのだが現在は無人だ。
町名の由来にもなっているくらいだから大昔からこの町を見守ってきたのだろう。
三十分ほど神社で体を動かしそろそろ帰ろうと思ったが、ここまで来て何もせずに帰るのもあれなので賽銭箱に十円玉を投げ入れ鈴を鳴らし手を合わせる。
参拝にもマナーと言うものがあるらしいがそんなもの知らないし。
これ以上ここにいてもやる事が無い、わたしは帰路につく事にした、来た道を通って帰っても良いのだがせっかくなのでちょっと遠回りして帰った。
【プロローグ完】