美由子の結婚候補は大地。
ごくごく普通の家庭。
どうして大地か?
それは、ただただイケメン。
そう叔父が言った。
美由子は大地が嫌い。
好きな人がいるから。
学校の、涼。
美由子を大切にしてくれる。
美由子と涼とは、リョウオモイだ。
「ちょっと、美由子様!」
浅倉が部屋に入ってくる。
美由子は浅倉をにらみつけた。
入ってくるなと。
浅倉は姿勢を正す。
「涼様が参られました!」
涼っ!
美由子は、非常階段へ行く。
涼の出入りは浅倉のみの許可。
浅倉は唯一、涼とのことを応援してくれている。
「美由子…!」
涼…!