「またいつか戻ってくるよ」
透明な翼を広げた天使…嫌、元天使は友人にそう言って笑った。
私のせいで彼が消える。私が禁忌を犯してしまったから
「行かないで」
ただの我儘だ。彼の服の裾をつかんだ。
「君を守るためには神の命令でも否定するしかなかったんだ」
彼は苦笑いをこぼした。
こんな顔をさせたのも全部全部全部、私のせい。
彼の羽が黒く染まり行く。それをただ見ていることしかできなかった私は、
彼が最後に落とした光る輪を手に取った。
彼が堕ちていく。彼処は私が堕ちるべき場所だったと思うとゾッとしてしまう。
あぁ、私は最低だ。
この期に及んで私は「彼が堕ちてくれてよかった」と思ってしまったのだから。
そう、神様は自分勝手だ。
そして神様に造られた私たちも自分勝手だ。
ふと、堕ちていく彼の最後を思い出して笑みをこぼした。
彼はきっと私を恨んでいる
ほええ!?