....拘りますからね、私は...
(開けてある扉の前にバスケットを置く)
少女は部屋の中で、落書きをして遊んでいた。意味のない絵を、ひたすらに殴り描くようにして筆を動かす。
それを人形は見つめている。
『……チョコが来たみたいよ』
人形の声が、テレパシーで少女の脳に響く。
それに応えるように、筆を置き、扉へとかけていく。
そこには、果物のような物がバスケットに入っていた。少女は怪しむようにそれを見る。
『チョコを果物のように象っているのよ、あのメイドやるじゃない』
人形の声を聞き、少女はバスケットを部屋に入れてそれを一口。
満悦といった笑みを小さく浮かべる。