ああん? なんだよ…俺に手ェどけろってんのか?
クソ生意気なガキだな。おめーみたいのを見てるとよ、痛めつけたくなってくるぜ。
…まあいい、ほらよ。教えてくれんだろーな? 教えねーと潰す。
(転の足からするりと手を離す。相変わらず腹立つような余裕の笑み)
ありがとう。
おにいさんに不可説 転について教えます。
ただし、百回聞くよりも、一回その目で見たほうがいいです。ついてきてください。
( ぼくは踵を返して、歩き出します。
歩きます。店や明かりが少なくなってきます。
進みます。ゴォォォォォォォォ。上に電車が走っているトンネルの中に入ります。
トンネルの中では、オレンジ色の蛍光灯が、コンクリートの地面に淡く反射されていてキレイだと思いました。ぼくは、みとれて歩いていたのでしょう。
そして、ぼくは、知りませんでした。
路上で、分厚い紙をおうちにして生活している人なんて。なので、歩く過程で彼らの おうち を踏んでしまいました)
『 おい、テメェ ふざけんじゃねぇよ!!ボケカスゴミバカアホタコゴラァァ!』
わー。たくさんの意味だ。
そして、これはけんかですね。
( ぼくは、フラフラのおじさんに胸ぐらを掴まれてしまいました。これは、喧嘩を売られたという意味なのですね。喧嘩を売られることは酸っぱい匂いがします )