…なんだ、あるじゃねーかよ。
自分の感情が。
お前は無意味じゃねえよ転。
その感情までは否定しねェ。
だからもっと怒れ、絶望しろ。
俺様の享楽を満たせ。
なぁ……
(赤く燃える真っ赤な太陽。その陽光が照らす廃墟と化した街。そして、喜怒哀楽と不可説転。
赤黒い肉塊は次第にグズクズと溶け始め、地に落ち、ジュウと燃えるとすぐに消えていった。
血と肉にまみれた地面。やがて喜怒哀楽の体は原型に戻り、二人は相対する。)
お前の意味はなんだ、不可説転。
苦しみも絶望も、無意味だってのか?
(ぽう。無色透明のオーラを手に宿し、剣を形作ると転の喉元に向ける。)
じゃあなんだ。この苦しみにはなんの意味があってどんな価値がある?ないでしょ?苦しみは、おまえには価値がないよーっていう自分への信号だよ。ここ(外なる世界)に出てくるまでの100年間の中で学んだ。
( 喉に届く冷たい剣先。もう終わりたい。
でもどうせ殺されても変わらない。だって、ぼくが死んでも、また腹を切り裂いてぼくが出てくる )
あーーぼくなんて生まれてこなきゃよかったのに。
[バシャ ッ ]
( 血の上で横になる。そして胎児みたいにうずくまる。もうどうでもいい。「喜怒哀楽」は殺せない。そしてぼくも実質的にタヒねない。となれば、この勝負は無意味だ。 )
なんかすごいカミサマに振り回された気分だ。ひどい。この世界はひどい。人もいっぱい殺しちゃったし。