(聞こえてきた声の方へと振り向く。 人影……ローブの姿。……死霊術師の自分ならわかる……彼女は肉体を失った存在だ 墓石の間をゆっくりと縫って彼女の前にたどり着き、興味を捧げる) 「……貴女は一体?」
「うふふ、あなたはあたしの事が気になるのね? あたしはサンタ・ムエルテよ、シロと呼んでも良いわ」 墓石に凭れたまま頭蓋骨だけを相手に向け、少女の声が名を告げる、サンタ・ムエルテ――死の聖女を意味するその名の通り声色は穏やかで落ち着いていた。