>>25-26
「ちっ、なんてしぶとい奴」
落下の勢いを乗せた一撃は急所に命中せずとも相手を戦闘不能にするだけの威力がある、そう彼女は思考した、けれど現実は……。
「――っ、 変質!?」
相手の突然の変化に驚き飛び退こうとするも相手の方が僅かに速い、魔獣の顎が迫るがしかし。
「ファントムクラスタ!」
それでも幻影の群れを捕らえることは能わず、先程まで確かに実体を持っていたはずの虚虚実実の体を魔獣の牙がすり抜ける。
その様子を“四人目”の虚虚実実はナイフを構えながら見やる。