私の姉は潔癖症だ。
いつもいつも、部屋を綺麗にし、ゴミひとつない光景を作らなければ気がすまない。
対照的に私はズボラなほうで、ゴミが転がってても気にしない。
だから同じ部屋を使っている私たちの関係は、なんとなくぎくしゃくしていた。
しかしある日、とうとう姉の我慢の限界が来た。
「いつもいつも散らかして!!片付けるあたしの身にもなりなさいよっ!!
どーせ汗かきながら片付けるあたし見てほくそ笑んでんでしょ!?
あんたみたいな薄汚れた人間、まっぴらなんだから!!!」
そう吐き捨てると、財布を持って部屋をとびだしていった。
そこで初めて私は、後悔した。
これ以上姉を怒らせないように、部屋を掃除してみる。
どのくらい時間が経ったのかわからないが、部屋の掃除が終わった。
そこには、ゴミひとつない空間が広がっていた。
「私だってやればできるのよ!」と、息巻くほどだ。
そこに、ちょうど姉が帰ってきた。
手には大きすぎるほどのゴミ袋。
私は姉に、興奮したように話しかけた。
「みてみて!綺麗になったでしょ!?お姉ちゃんが片付ける必要もないし
そのゴミ袋だっていらないよ!」
「…っ、ごめん…!!」
姉は、そのまま床に泣き崩れた。
姉の手からは、大きすぎるゴミ袋の入った袋が滑り落ちた。
持っていたのはゴミ袋だけ?
それなら、妹を殺してゴミ袋に詰めて捨てようとかってこと?